医療法人三愛会 埼玉みさと総合リハビリテーション病院
(埼玉県 三郷市)
村田 聖一郎 院長
最終更新日:2026/07/02


心疾患にも対応可能なリハビリ専門病院
回復期リハビリテーション病院として、2003年に開業した「埼玉みさと総合リハビリテーション病院」。900平方メートルに及ぶ広大なリハビリテーション室には、理学療法室、作業療法室、言語聴覚室といったリハビリテーション関連設備が集約されている。ロボット技術やAIを駆使した先進の医療機器もそろうが、「機器は、その特性と使い方を理解し、個別最適化されたリハビリテーションに反映できる人材がいてこそ生きるもの」と話すのは村田聖一郎院長。機器を使いこなす「人」こそ自院の強みであるとして、「高度な専門性」と「多職種によるチーム医療」を2本柱に挙げる。村田院長自身の専門分野である循環器・心臓血管外科の知見と経験を生かし、心疾患を合併した患者も積極的に受け入れる同院について詳しく聞いた。(取材日2026年4月16日)
まずは、病院の成り立ちと特徴について教えてください。

当院は、回復期リハビリテーションの専門病院です。2000年に回復期リハビリテーション病棟が制度化されたことに伴い、2003年に開設されました。以来、つくばエクスプレス・三郷中央駅からバスで5分ほどの地に根を下ろし、急性期の治療を終えた方の生活を支える集中的なリハビリテーションを提供してきました。県内のみならず、千葉県松戸市や東京都葛飾区といった周辺エリアの医療機関との病病連携、病診連携を進めてきたことで、近年はより広範な地域から患者さんをご紹介いただけるようになっています。新型コロナウイルス感染症の流行期における面会制限をきっかけに、「物理的な距離」よりも「医療の質」を重視して病院を選ぶ傾向が高まったことも、遠方の患者さんが増えた理由の一つかもしれません。引き続きリハビリテーションの質を高め、幅広い地域の地域完結型医療の要になりたいですね。
どのような患者さんが多いですか。

脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患を中心に、頭部外傷や脳腫瘍などに起因する脳神経障害、大腿骨骨折等の整形外科手術後、大手術後の長期臥床,筋力低下に伴う廃用症候群など多岐にわたります。私が着任してからは、専門である循環器・心臓血管外科の知見を生かし、心疾患を合併した患者さんの受け入れを強化しました。高齢化による心不全患者の急増で医療現場や社会の機能不全が懸念されているとおり、高齢の方の多くが潜在的な心不全を抱えています。脳血管疾患や骨折で入院する患者さんの中にも潜在的な心不全が多く、その管理なしに安全なリハビリテーションは望めません。BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)検査によるスクリーニングを行い心臓の機能を適切に評価・管理しながらリハビリテーションを進めることで、心不全での再入院や死亡リスクを下げるよう図りつつQOLの向上につなげ、健康寿命の延伸をめざしたいと思っています。
スタッフの専門性の高さも強みですね。

当院には、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と歯科衛生士、併せて170人以上のリハビリテーションスタッフが在籍し、各職種の専門性を生かしたマンツーマンでのアプローチを多職種がサポートする体制を確立しています。この「高度な専門性」と「多職種によるチーム医療」の融合が、当院の最大の強みですね。また、リハビリテーションを専門的に学んできた医師も複数在籍し、治療後も長期間の専門的なリハビリテーションが必須となる脊髄損傷や運動器障害などに対して、医学的根拠に基づいた高度なリハビリテーションプログラムを提供することができます。受け入れ先が限られる重症例にも対応していますので、お困りの際は何なりとご相談ください。なお、入退院に際しては、医療福祉相談室・医療連携室が院内外との懸け橋となってスムーズな移行をサポートします。
活気ある雰囲気も印象的です。

回復期リハビリテーション病院は「生活の場に戻る」「もう一度歩く」といった前向きな目標に向けて患者さんを支える病院なので、急性期病院と比べると雰囲気が明るいですよね。スタッフの患者さんへの声かけも元気いっぱいで、見ている私も「これはやる気が出るだろうな!」と感じます。自分の職種の役割に固執せず、互いに助け合って仕事をしていることも、病院全体のエネルギーになっているのではないでしょうか。大腸がんの術後に適切な監視のもとで継続的に運動リハビリテーションをすると再発率の低下、生存率の向上につながるというデータもありますから、こうした風土を強化して患者さんの運動に対するモチベーションを維持することは非常に重要です。地域医療の一角を担う病院として、訪問看護や通所リハビリテーションへのスムーズなバトンタッチを実現していきたいですね。
ありがとうございました。最後に今後の展望をお聞かせください。

まずは、心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんに対しての心臓リハビリテーションの充実が最優先課題です。ただ、循環器あるいは心臓血管外科の専門の医師が日祭日を含めて常時勤務する必要があるなど心大血管疾患リハビリテーションは算定基準が厳しいため、体制強化と並行して現実的な制度への移行を働きかけていかなければなりません。また、前述したリハビリテーションの継続という観点から、外来での心臓リハビリテーションも展開する予定です。近隣の急性期病院や医師会、介護施設と密接に連携し、切れ目のない医療・ケアを提供し続ける「地域のリハビリテーションの砦」として、さらに高いレベルをめざしてまいります。

村田 聖一郎 院長
1989年宮崎大学医学部卒業。三井記念病院外科臨床研修を経て1993年より自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科助手。2000年から2002年まで米国スタンフォード大学胸部心臓外科フェロー。帰国後、自治医科大学講師を経て2005年より板橋中央総合病院心臓血管外科部長、2019年より同院副院長。2021年からイムス板橋リハビリテーション病院副院長を経て、2026年3月より現職。





