全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,986件の情報を掲載(2024年3月29日現在)

  1. TOP
  2. 埼玉県
  3. 川口市
  4. 西川口駅
  5. 医療法人刀水会 齋藤記念病院
  6. 齋藤 卓 理事長

医療法人刀水会 齋藤記念病院

(埼玉県 川口市)

齋藤 卓 理事長

最終更新日:2020/11/25

MainMain

透析を中心に地域の多彩なニーズに応える

西川口駅から徒歩約10分。産業道路沿いに立つ「医療法人刀水会 齋藤記念病院」は、地域の人々とともに50年を歩んできた町になじむ身近な存在の病院だ。現院長・理事長は、先代の父の跡を継いで1997年に就任した、明るく快活な齋藤卓先生。「いつもやさしく・いつまでもやさしく」をモットーに、内科・胃腸科をはじめ介護や福祉に関わる相談事にも幅広く対応しているほか、63床の広々とした透析室を備えた透析科と泌尿器科を中心に、基幹病院での術後フォローを行ってくれる心臓血管外科などもそろえて地域の多彩なニーズに応えている。患者の無料送迎のルートが6コースもあるのは、それだけ細かく地域に密着している証拠だ。齋藤理事長に話を聞いてきた。
(取材日2016年9月13日)

50年の歴史がある病院だと伺いました。

1

父が19床の「齋藤胃腸科」を開設してから、ちょうど50年になります。最初はおなかのトラブルなどを中心に診ていたのですが、1973年に透析治療と出会って、病院の一角に10床ほどのベッドを入れて透析室を作りました。当時はまだ透析治療が普及しておらず、腎臓が悪い人はどんどん亡くなっていく時代だったのです。さらに、この地域には工場が多いことから、患者さんが多かった呼吸器科、泌尿器科、整形外科と診るようになって、今のような病院の形になったのは1989年です。今は約6割が透析の患者さん、約2割が泌尿器科の患者さんでしょうか。ただ、町の身近な病院ですから、風邪や腹痛をはじめいろんな患者さんがいらっしゃいますし、常にどんな症状にも対応する努力をしています。「いつもやさしく・いつまでもやさしく」が当院のモットー。その前に父の精神だった「献身と祈りの心を持って」を加えて、スタッフ一同頑張っています。

今、特に力を入れている分野はありますか?

2

約6割が透析の患者さんなので、これが柱と言えば柱ですね。透析については、現在は63床で急性期・慢性期双方に対応し、「オンラインHDF」という、透析液を清浄化してろ過にも用いるという血液ろ過透析法を採用しています。もう1つの注力分野は、訪問診療をしている地域の先生方の後方支援。今、約束を交わしている先生だけで7~8人いらっしゃいますが、電話一本もらえば、すぐに受け入れ態勢を整えて来てもらっています。さらに高度な治療が必要だったり患者さんが希望される場合は、基幹病院を紹介することもありますね。連携は、隣の戸田市やさいたま市の病院、特別養護老人ホームなどの介護施設、ツーカーの仲といえる東京女子医大や私の母校・帝京大学病院、川口市立医療センターなどと広く行っています。私自身はもちろんですが、地域連携室のスタッフも含め、周辺施設と日頃からコミュニケーションとることは非常に大切にしています。

患者さんの無料送迎も行っているのですね。

3

職員の提案で2000年から行っています。最初はたったの2ルートでしたけれど、今は車を小さくし、6ルートにしてより小回りの効く仕組みにしました。川口市、蕨市、戸田市辺りを駅を挟んでぐるぐる回るんですが、3ヵ月に1度はルートの見直しをして運用しています。透析患者さんには足が弱い方、運動機能が落ちている方が結構多いんです。転んで大けがをしてしまったりするので、少しでも事故防止に役立てばと思いますね。また、MRIやCT、内視鏡、エコーなどが、早いものなら当日、遅くともその週のうちには検査可能なことも特徴です。普段の診察の時から「電話一本くれればいつでも検査の予約を取るからね」と言っています。地域の医療機関からの検査紹介も受け付けています。検査だけでも送迎し、結果を持って紹介元のクリニックにお送りするサービスもしているので、整形外科や脳外科の先生からの依頼でのMRI検査などを行うことも多いです。

これから、さらに力を入れたいことは何でしょうか?

4

昔に比べて腎臓病の早期発見・早期治療が行われるようになったことで、透析の導入に至るまで症状が悪化する方は減ってきています。それを含めて2030年の透析医療の在り方を見据えているところですが、1つは在宅透析ですね。老人保健施設や福祉施設とコラボレーションして事業展開をしていきたいですね。施設への透析装置の設置や施設スタッフさんの教育などさまざまな課題がありますが、真剣に考えなければいけないと思っています。自宅での透析も同様で、ご家族の協力など数々の条件はありますが、ニーズは増えると予想されるので、こちらも取り組んでいく予定です。もう1つは、町の身近な病院として、さほど緊急性は高くない一次救急患者の受け入れ態勢を強化することです。夜間は休日も対応できるようにするためにはもう少しマンパワーが必要ですが、その2点に力を入れたいと思っています。

医師になった理由や地域の方へのメッセージをお聞かせください。

5

もともとは宇宙工学にすごく興味があり、宇宙航空研究開発の仕事がしたいと思っていました。けれど宇宙工学が学べる大学に合格するのは難しくて。そんなときに親友がくも膜下出血で倒れ、たった1週間で他界してしまったんです。あまりに突然で「人の命はこんなに簡単に無くなるのか?」と自問自答する中で気づいたことが多くあったのだと思います。父の仕事を見ても「あんな大変なことはやりたくない」と思っていましたが、「大変そうだけれど患者さんは笑顔で帰っている。それは元気になったからだし、ニコニコ笑って帰れるように人と関わりあえたらいいな」と考えるようになりました。地域の方々には、表現は変かもしれませんが、何でも相談できるよろず病院というが好きなんです。優しくて親切な職員ばかりですから、気軽に来ていただいて、病気のことだけでなく、介護や福祉などでも困ったことがあればご相談いただければうれしいですね。

Main

齋藤 卓 理事長

1991年帝京大学医学部卒業。1997年院長に就任。高校生のとき、親友の死をきっかけに人の命や父の仕事であった医療について考えるようになり、医師の道へ。1997年から院長を務める。川口で父の代から続く地域に密着した医療を提供し続けている。

access.png