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医療生協さいたま生活協同組合 埼玉協同病院

(埼玉県 川口市)

増田 剛 院長

最終更新日:2024/08/22

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大規模改築リニューアルでさらに進化

1978年設立。半世紀近く川口市を中心とした埼玉県南部エリアで「地域とともに産み、育て、看とる」を実践し、頼りにされてきた「埼玉協同病院」。地域ニーズに基づく急性期医療や高齢者医療、救急医療、がん診療、さらに医療費の支払いが困難な患者に対して医療費の減額や免除を行う無料低額診療事業も実施。また、若年層の妊娠に対して子育てまで視野に入れた支援を行う産婦人科など、さまざまな問題を複合的に抱える患者に対応している。より効率的で患者のために有益な医療をめざして、昨年度からは隣接する「ふれあい生協病院」と連携し新しい体制を構築。さらに2026年の完成をめざして大規模改築リニューアル中だ。幅広い地域医療ニーズに応えるための体制を早くから築いてきた「埼玉協同病院」の今や今後について、増田剛院長に聞いた。(取材日2024年6月24日)

大規模な改築リニューアル中で完成が楽しみですね。

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開院以来「人権を守り、健康なくらしに役立つ医療を、地域とともにつくります」を理念に、医療面はもちろんですが、地域でお困りの方々の支援や、医療従事者の育成、住民の方々の健康増進などに積極的に取り組んできました。開院から半世紀が見えてきた現在、急性期医療の在り方も大きく変わり、病院の果たすべき役割も変化してきました。地域で複数の医療機関が連携する地域包括ケア時代において、より地域の方々が医療にアクセスしやすく医療ニーズに合うように、2026年の完成をめざしリニューアル工事を進めています。昨年には隣接して「ふれあい生協病院」がオープン。2病院で役割分担をしつつも「一つの病院群」として連携し、より一層お役に立てるよう尽力してまいります。基本的に救急医療、手術、がん診療といった急性期医療、回復期リハビリテーション、緩和ケアは当院で、外来診療の多くと在宅医療などは「ふれあい生協病院」で受け持ちます。

今回のリニューアルでどう変わるのですか?

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新型コロナウイルス感染症の流行で教訓を得て、感染症対策も意識した造りにする予定です。スタッフや患者動線を工夫し運用しやすいようになります。病室は全体的に個室率を高めていますし、緩和ケア病棟は全室個室です。医療機器類は先進の機器を導入し、新しい医療技術も次々に導入しています。整形外科の関節治療センターでは、人工関節手術などに積極的に取り組んでいます。こうした新しい手術は高齢化を迎える現代社会には必要なものだと考えています。例えばこのままだと近い将来に要介護の状態になる可能性が見えてきたとき、人工関節手術でそれを防止することが見込めます。患者さんに適した方法を組み合わせることが重要です。さらにリハビリを適切に行うことで、より生活の質(QOL)を良いレベルで維持することも期待できます。またご高齢の方は複数の疾患をお持ちの方も多く、全身疾患の管理も院内で連携していくことが大切だと考えています。

特に力を入れている取り組みについて教えてください。

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当院の数ある使命の中に「無差別平等の医療」を提供することがあり、その施策の一つが「無料低額診療事業」です。いわば社会のセーフティーネットで、経済的理由で手遅れになる方がいなくなることが願い。各種団体と協力しながら行う「困りごと相談会」やフードパントリーなどの取り組みを通して、さまざまな理由で医療と切り離されてしまった方を、医療につなげる活動をしています。時には生活保護なども視野に入れつつ、総合サポートセンターの専門的な知識を持つ職員たちが総力を結集して支援しています。また社会的に弱い立場の方々の妊娠・出産・育児に関する支援も行っています。そういった方々は実はご自身も同様の環境で生まれ育ったケースが多く、現状の把握も行い総合的に支援する重要性を感じています。

そのほか、特色のある診療科や取り組みはありますか?

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麻酔科の医師や体制も強化し、手術できる件数も大幅に増え各診療科の力量も上がっていますし、痛みに関するご相談にも的確に応じることができるようになってきました。また当病院はがん医療にも力を入れていますが、がん医療を取り巻く状況は大きく変わりました。手術や化学療法に併せて、長い治療期間を経て終末期まで関わり、患者さんの暮らし方なども踏まえて考えていくようになってきたのです。ですから終末期医療にも関わりの深い緩和ケアが重要になり、より一層総合的ながん医療が求められるようになりました。緩和ケアについては病院としての実績や経験値も上がりより良いケアができるようになっていますし、「ふれあい生協病院」とも力を合わせ在宅療養と組み合わせながら、その人らしい生活を送っていただけるよう尽力しています。

地域の方々へのメッセージをお願いします。

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地域の総合力で力を合わせることで地域包括ケアの時代に「輝く病院」になりたいと思っています。総合サポートセンターを中心に地域のさまざまなニーズに応え、大げさかもしれませんが当病院の玄関をくぐった瞬間から、退院された後のことまでを見据えた取り組み・対応をしていきたいと考えています。私がよく言うのは「病院の力は、職員の力」ということ。職員一人ひとりに力を発揮してもらわないと、病院はうまく機能しません。幅広い経験を通し患者さんのお役に立つことで職員も学び成長します。まだまだ私たちは、地域の方々のニーズにお応えしきれていないと感じています。外国籍の方々や、LGBTQの方々への対応など、取り組むべき課題はたくさんあります。より一層、産み、育て、看取るという人の人生全般に関わる幅広いニーズにお応えするべく、職員一同精進していきたいと思っています。

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増田 剛 院長

1987年山梨医科大学卒業。同年より埼玉協同病院に勤務。2012年院長就任。消化器内科の医師としても診療を行う。高校・大学時代はラグビーに情熱を注ぎ、骨折3回。健康法は3食の食事をきちんと取ることと、年に1回の健康診断をきっちり受けることで、基本に忠実な姿勢で健康を維持している。

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