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医療法人邦友会 小田原循環器病院

(神奈川県 小田原市)

杉 薫 病院長

最終更新日:2025/09/22

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循環器疾患の救急対応を中心に、地域に貢献

JR東海道本線鴨宮駅を最寄駅とする「小田原循環器病院」は、心臓疾患、腎臓疾患の予防・診断・治療・リハビリテーションまでトータル医療を提供するために1981年に開院した。現在は、救急指定病院として24時間救急体制を敷き、広く地域医療に貢献する中核病院となっている。2016年から杉薫(すぎ・かおる)病院長が病院運営を担う。診療面では、専門性の高いドクター陣に加え、看護師や臨床工学技士、理学療法士、薬剤師などコメディカルの拡充も図り、多様なスタッフが一丸となり患者とその家族をサポートしている。2024年にはペインクリニック内科、糖尿病内科、皮膚科、泌尿器科を開設。また、外来診療と透析設備を備えた関連医療施設が小田原駅前と湯河原駅前にあり、3施設が互いに協力・補完しながら、心臓・腎臓疾患の専門医療施設として地域社会に貢献を続けている。「地域社会に責任の持てる心のこもった医療を通じて地域に貢献したい」と語る杉病院長に、病院の特色や注力する治療、今後の展望などについて詳しく聞いた。(取材日2025年8月13日)

まず、病院の成り立ちを教えてください。

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当院は、心臓・腎臓疾患の専門病院として1981年に開院しました。当初より心臓リハビリテーション施設を備え、心臓・腎臓の疾患の合併症までを含めたトータルケアを行い、地域に根差した医療を展開してきました。現在は、救急指定病院として24時間体制で救急搬送を受け入れ、心臓カテーテルによる冠動脈形成術、末梢動脈治療、下肢静脈瘤治療、カテーテルアブレーション、ペースメーカーや植え込み型除細動器などのデバイス治療、冠動脈バイパス術、弁置換術、大動脈瘤などの治療を行っています。腎臓疾患については初期のたんぱく尿から末期の透析療法まで幅広く対応しています。2013年には重症者用のHCUを導入。2024年にはペインクリニック内科、糖尿病内科、皮膚科、泌尿器科を開設しました。最近では秦野市や足柄エリアの患者さんも増え、西湘地域の循環器系疾患を一手に引き受ける気概を持って診療に取り組んでいます。

多様な専門職が連携したチーム医療が特徴とのことですね。

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現在、医師13人、看護師103人、薬剤師7人、診療放射線技師7人、臨床工学技士13人、臨床検査技師17人、理学療法士6人、社会福祉士2人、栄養士10人が常勤として在籍しています。それぞれが専門性を追究しながら連携するチーム医療を実践し、診療も検査もスピーディーに対応できる体制が整っています。各診療科とも専門性の高い医師がおり、ベテランから若手まで幅広い世代のメンバーがそろっています。2024年からは循環器治療の経験豊富な麻酔科の医師もチームに加わりました。また、カテーテル治療や透析療法といった専門的な医療技術が求められる治療に注力していること、さらに治療後の心臓リハビリテーションにも力を入れているため、臨床工学技士や理学療法士といったスタッフが多数活躍していることも特徴です。より質の高い医療をめざし、職員一同、行動計画や診療における心構えを共有して、すべての医療業務に全力を注いでいます。

病院の診療方針について聞かせてください。

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当院は「地域社会に責任の持てる心のこもった医療の提供」を理念として、何よりも患者さんに「ここに来て良かった」と思っていただける診療を提供し、地域の方々に頼っていただける病院でありたいと考えています。私は、医師はもちろん、看護師や検査技師、理学療法士、事務スタッフも含めて、患者さんやご家族に接する職員すべてが「病院の顔」だと考えています。病気を抱え、不安やストレスを感じられている方々に対しては接遇を含めてサービス業だという心構えが必要です。幸い、職員もそうした方針を理解し、心のこもった医療の提供に努めてくれていると感じています。専門的な循環器医療や、迅速で精密な検査を希望されて、遠方からわざわざ通院される方もいらっしゃいます。職員一同で培ってきた当院への信頼をこれからも大切にしていきたいと考えています。

注力されている分野や取り組みについて教えてください。

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循環器領域では、心臓血管外科での開胸手術から、カテーテル治療といったインターベンションの治療が主流となり、入院期間も短く、患者さんの社会復帰も早まってきました。その一方で、高齢化に伴い、気づかないうちに心房細動を患い、心機能が落ちてくる心不全の増加が大きな課題となっています。当院では、手術やカテーテル治療を終えた患者さんに対して、理学療法士や管理栄養士が中心となって十分な心臓リハビリテーションを行っています。さらに退院後は、地域の開業医や訪問診療、訪問看護に携わる専門職の皆さんとの連携で患者さんを見守りたいと考え、顔の見える連携をめざした交流の場も設けています。また、循環器と腎臓領域以外の画像検査にも対応し、大学病院との連携で放射線科の専門家が読影を行う体制も整っています。地域の医療資源として、CTやMRIの共同活用にも力を入れていきたいと思っています。

最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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将来的には、循環器領域のハイブリッドな手術室を備えた新病院建設の構想もありますが、厳しさを増す医療環境の中で実現には時間がかかりそうです。現実的には、医療スタッフを増員して患者さんのニーズにより応えられる体制を整え、専門性を生かした医療と、病病連携や病診連携、地域包括ケア医療との連携で地域貢献につなげること、特に心不全に対する地域全体でのチーム医療を実現していきたいと考えています。また循環器疾患の予防や早期発見に向けて、心不全に関する情報発信や啓発活動にも力を入れていきたいと思います。当院は、循環器・腎臓疾患の専門性を持ちつつ、ペインクリニック内科や糖尿病内科、泌尿器科、皮膚科など幅広く相談していただける診療科もある地域に根差した病院です。受診するのに紹介状は必要ありません。特に、循環器領域では急を要するケースも少なくありませんから、状態が悪い場合はすぐに来院していただければと思います。

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杉 薫 病院長

1975年東邦大学医学部卒業後、同大学の医局に勤務。内科助手を経て、米国に電気生理学研究員として留学。その後、神奈川病院循環器科医長、東邦大学医学部助教授、東京労災病院循環器内科部長、東邦大学医学部教授、東邦大学医療センター大橋病院病院長を歴任後、2016年に小田原循環器病院病院長に就任、東邦大学名誉教授。心臓・腎臓の疾患の合併症まで含めたトータルケアを行い、地域に根差した医療を展開している。

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