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医療法人社団康心会 茅ケ崎中央病院

(神奈川県 茅ヶ崎市)

佐藤 康弘 院長

最終更新日:2023/10/24

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切れ目のない医療で地域医療を支える

茅ヶ崎市を中心に地域密着の医療を展開するふれあいグループの一員である「茅ケ崎中央病院」は今、大きく変わろうとしている。2020年に第1期の工事が終了し急性期病床100床を有する新病院が開設、その後2023年1月にはグループ病院からの100床の移設を含む324床に増床し、回復期や療養期を含むケアミックス型の病院として規模を拡充した。今後さらに病棟や大学のキャンパスの新設、健診センターの移転などが行われ、476床のグループ最大規模の病院となる予定だ。ホップ、ステップ、ジャンプと病院が大きく飛躍しようとする最中の2023年4月に就任した佐藤康弘院長は、循環器内科の医師としてのほか、救急診療の初期対応に関するシミュレーショントレーニングのインストラクターやディレクターとしても活躍。その経験を生かしてよりよいチーム医療を展開し、急性期から回復期、療養期と切れ目のない医療の提供をめざす。穏やかで優しい笑顔が印象的な佐藤院長に病院の現状や強み、院長としての抱負などを聞いた。(取材日2023年8月22日)

急性期、回復期、療養期それぞれの体制の特徴を教えてください。

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急性期では、二次性疾患を中心に地域で起こる幅広い疾患への診療を行っています。救急車の台数も少しずつ増えてきており、茅ヶ崎市を中心に二次救急からもう少し重症までを診られる体制を整えていきたいです。病院のリニューアルに伴いICUが開設されたので、急性心筋梗塞をはじめとする心臓救急や心不全にも積極的に対応できるようにマンパワーを拡充し、できだけお断りすることなく迅速に救急患者さんを受け入れていければと思います。回復期では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による回復期リハビリテーションに注力し、個々の患者さんに必要な訓練に取り組むほか、訪問リハビリにも対応しています。地域の病院からの紹介患者さんについては、急性期病棟で患者さんの状態を見極めてから、時期を見て回復期病棟に移っていただいています。療養期については、今後は人工呼吸器を装着している人の受け入れを増やしていければと考えています。

強みとする診療科や治療をご紹介ください。

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当院で特徴的なのは耳鼻咽喉科と眼科です。眼科では白内障の手術を週2日、1日15件程度(2022年4月~2023年3月)実施、耳鼻咽喉科では難治性の中耳疾患への根治手術や聴力改善を図る手術を得意としています。脊椎疾患を専門で扱う脊椎外科では、高齢者の骨折やスポーツによる腰椎分離症への低侵襲手術や、腰椎椎間板ヘルニアなどの腰痛・下肢神経痛疾患の治療を行っています。心臓血管外科では、ICUやハイブリット手術室を活用した狭心症に対する冠動脈バイパス手術など開胸手術を展開できるように準備を進めており、私の専門である循環器内科では、心不全や心筋梗塞に対するカテーテル治療をはじめ、心臓や血管に疾患のある患者さんのゲートキーパーとして、心臓血管外科と連携して対応していければと考えています。その他、総合診療、専門の医師が対応する乳腺外科、入院透析も可能な人工透析・血管外科など多様な診療に対応しています。

地域医療連携についてはどのように取り組んでいますか?

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当院は検査や治療機器も充実しており、近隣の先生からのCTやPETーCTの検査のご依頼を積極的にお受けしています。また、地域では数少ない定位放射線治療用加速器システムを設置しています。この機器は切らずに外来での通院治療も可能ですので、適用となる患者さんがいらっしゃいましたらぜひご紹介ください。外来でのリハビリについても近隣の人にもたくさん来ていただいており、地域に開かれた病院であることを実感しています。まだ就任したばかりですべての地域の先生へのご挨拶ができていませんが、できるだけ紹介元の先生が紹介してよかったなと思っていただけるように努めていければと思います。さらに、地域住民の皆さんに向けての取り組みとして、ふれあいグループでオンラインでの公開講座を定期的に開催しています。圧迫骨折や心臓弁膜症など身近なテーマを取り上げていますので、興味のある方はぜひご参加ください。

院長として大切にしていることはありますか?

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急性期から慢性期まで各病棟に専門のスタッフを配置しチーム医療を行っていますが、個々の職種が専門性を高めた上で協力して医療を提供できるよう、お互いに尊重し信頼し合えるチームづくりをモットーとしています。病棟の拡大によりグループの別病院から来たスタッフも多く、病院ごとの文化の違いに戸惑いもあると思いますが、両方の意見を聞きながら、良い方向で全体を統一していきたいです。私はこれまでシミュレーション教育にも力を入れて取り組み、BLS(心肺停止に対する一時救命処置)、ACLS(二次救命処置)や、急変に至る前の内科重症救急患者の適切な対応といった、初期救急蘇生トレーニングのディレクターやインストラクターとしても活動してきました。当院のスタッフにもできるだけトレーニングに参加し急変前に患者さんを察知できるようになるトレーニングを積み重ね、現場で活用してほしいと考えています。

医師としての思いや地域の方へのメッセージをお願いします。

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長年医師という仕事をしていますが、できるだけ患者さんの話は聞くようにしてきました。患者さんからのクレームなどを聞いていると、コミュニケーションがうまくいっていないことが原因であることも少なくないため、患者さんと接するときは、患者さんはもちろんご家族の思いも含めて対応することを心がけています。同じ病気でも人によって捉え方も接し方も違うということを常に意識しテーラーメイドの医療で、心臓だけ、血管だけというようにパーツで診るのではなく内科医として全身を総合的に見ることを大切にしていきたいです。病院が急に大きくなり驚かれているかもしれませんが、当院は変わらず住民の皆さんが気軽に受診できる地域密着の病院です。急性期病院としての役割を果たしながら、できるだけ早く地域に戻っていただけるよう、シームレスに回復期や療養につなげていければと思います。

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佐藤 康弘 院長

1982東京医科歯科大学卒業。北信総合病院、東京医科歯科大学、横須賀共済病院での勤務後、米国シカゴ大学に留学。東京医科歯科大学に戻り、取手協同病院、武蔵野赤十字病院、三島社会保険病院、国立病院機構災害医療センターを経て、平塚共済病院副院長に就任。2023年より現職。専門は循環器内科、虚血性心疾患、心不全、高血圧治療、肺塞栓症など。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。

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