全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,935件の情報を掲載(2025年4月02日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 茅ヶ崎市
  4. 北茅ケ崎駅
  5. 茅ヶ崎市立病院
  6. 藤浪 潔 病院長

茅ヶ崎市立病院

(神奈川県 茅ヶ崎市)

藤浪 潔 病院長

最終更新日:2024/10/11

Hf main z60621 20240910 005Hf main z60621 20240910 005

茅ヶ崎市民の健康を担う急性期基幹病院

茅ヶ崎市・寒川町エリアの急性期基幹病院として地域医療を担う「茅ヶ崎市立病院」。がん医療へ重点的に取り組むほか、臨床研修病院、地域医療支援病院、災害拠点病院など多くの役割を果たしている。2023年に病院長へと就任した藤浪潔先生は、新型コロナウイルス感染症流行下では副院長兼感染管理室長として、感染症対策の中心を担ったとのこと。現在は病院長として、救急医療と小児・周産期医療の充実や、がん診療の強化、地域完結型医療の推進などを重点目標に掲げ、厳しさを増す医療環境の中で地域医療を支える病院として使命を果たすために経営基盤の強化に注力する。2023年には本館改修も完了。内視鏡部門や、外来での診療が増えているがんの化学療法室も拡充し、多様な医療ニーズに応える病院機能の向上にも努めた。茅ヶ崎市民の健康と命を守るために尽力する同院のことについて、藤浪病院長に聞いた。(取材日2024年9月10日)

病院の成り立ちやあらましについて教えてください。

1

当院は、茅ヶ崎市が国民健康保険事業の一環として1966年に開設しました。「健やか・共創」を基本理念に、現在はICU4床、NICU3床を含む計401床と28の診療科を擁する病院として急性期医療を提供するほか、臨床研修病院、地域医療支援病院、災害拠点病院、地域周産期母子医療センターなど多くの機能を担っています。近隣の高度急性期病院、地域の診療所や療養型病院、介護老人保健施設などとの連携体制も整備して、湘南東部医療圏の地域医療を支えてきました。また、急速な少子高齢化の進展や働き方改革、DX化など医療を取り巻く環境が変化する中で、将来にわたり安全で良質な医療を提供することをめざして経営基盤の強化を図っています。2023年4月には地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行するとともに事業管理者を設置し、より機動力に富んだ病院として再スタートしました。

特に力を入れているのは、どのような分野ですか。

Hf 2 %e5%8c%96%e5%ad%a6%e7%99%82%e6%b3%95%e5%ae%a4%e5%86%99%e7%9c%9f1

コロナ禍では、多くの感染症患者さんの入院、外来対応を担いました。その経験や課題も検証して、新型コロナウイルス感染症以外の新興感染症に対しても、公立病院として中心的に機能できるような体制を築くことに努めています。一方、2023年度には病院本館改修工事も完了し、がん相談支援センター・患者支援センター、内視鏡部門や外来化学療法室の拡充など病院機能の充実にも注力してきました。また新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたことから、入院患者数や手術件数をコロナ禍前の実績に戻すことを目標として重点的な取り組みを行っています。2024年度からの経営計画では、「がん診療体制の強化」「救急診療の充実」「小児・周産期医療の充実」「地域完結型医療の推進」「患者さんから選ばれる病院をめざすこと」「職員が働きたいと思う病院をめざすこと」の6点を重視しています。

注力されているがん診療について詳しく教えてください。

Hf 3 davinci1

がん診療体制を強化するため、2021年に内視鏡部門および外来化学療法室をリニューアルし、2023年より新規放射線治療装置、手術支援ロボットを導入し、治療を開始しました。内視鏡部門は、内視鏡検査室3室・透視下内視鏡室1室に加え、鎮静下内視鏡に対応するリカバリールームも10床設けました。超音波内視鏡による診断・治療、胆道鏡・膵管鏡を用いた先端治療も行っています。がんの薬物療法に関しては、抗がん剤や抗悪性腫瘍薬を外来で投与する治療が中心になってきていますので、快適に治療を受けていただけるように外来化学療法室を拡充しました。手術支援ロボットについては泌尿器科に加え、外科においても直腸や結腸、胃がんなどの手術にも活用していますし、呼吸器外科や婦人科での活用も視野に入れています。さらに呼吸器内科・呼吸器外科が連携しての肺がん治療や、女性の乳腺外科医師による乳がん治療なども当院の特色といえます。

救急医療や周産期医療、整形外科診療も強みとのことですね。

20240927 4

救急医療では、2次救急として24時間365日体制で救急患者さんを受け入れています。脳神経外科ではしばらく常勤の医師が不在となっていましたが、2024年度から常勤の医師が復活し入院診療を再開しました。小児周産期医療にも注力しており、地域周産期母子医療センターとして茅ヶ崎市だけでなく、神奈川県下から母体搬送ならびに新生児搬送を受け入れるなど、湘南東部医療圏の中心的役割を果たすことをめざしています。整形外科では2023年に脊椎センター・人工関節センターを開設し、脊椎手術や人工関節置換術にはコンピューターナビゲーションシステムを導入しています。また、茅ヶ崎市の災害拠点病院として、茅ヶ崎・寒川地域での災害に備えて、協力病院とともに災害対応訓練を行うなど地域を守る病院としての機能も担っています。能登半島地震においては当院のDMATが珠洲市を拠点に活動を行いました。

今後に向けての展望や地域への思いを聞かせてください。

20240927 5

医療を取り巻く厳しい環境の中でも、急性期病院として地域完結型医療の一翼を担い、市民の皆さんに必要とされる医療を提供し、健康を守っていくのが市立病院としての使命です。経営基盤を強化しつつ地域医療機関とも連携しながら、質の高い医療を提供できる病院でありたいと考えています。救急を含めて断らない医療を実践することも市立病院の役割ですから、高次医療が必要な患者さんも当院で診た上で、適切な専門施設につないでいきたいと考えています。また、医療従事者の人手不足も深刻な問題ですので、一人ひとりの職員がやりがいを持って働ける組織づくりにも努めています。医師の業務負担軽減のため、診療科全体でチームとして患者さんを診ていくことや、タスクシフト・タスクシェアなどを推進していきたいですね。そして、患者さんから選ばれ、職員からも選ばれる病院をめざして、地域の皆さんとの交流や情報発信にも力を入れていきたいと思っています。

Hf main z60621 20240910 005

藤浪 潔 病院長

1989年横浜市立大学医学部卒業。同大学医学部泌尿器科に入局。その後、横須賀共済病院や横浜南共済病院、神奈川県立がんセンター、神奈川県立こども医療センター、国際親善総合病院などを経て、2007年に茅ヶ崎市立病院に入職。2008年から泌尿器科部長、2019年副院長に就任。2023年から現職。コロナ禍では感染管理室長として感染症対策の責任者として中心的に取り組んだ。

access.png