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藤沢市民病院

(神奈川県 藤沢市)

西川 正憲 院長

最終更新日:2025/09/29

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藤沢市を中心に高度急性期医療を提供

子育て世代の移住などにより人口の増加が続く藤沢市。その地域の医療を支える要となっているのが「藤沢市民病院」だ。湘南東部二次保健医療圏において、救急医療やがん診療、小児・周産期医療をはじめとする幅広い分野で、地域に必要な高度急性期医療の提供に努めている同院。地元の医療機関との連携も大切にしながら、市民から信頼され、選ばれる基幹病院になることをめざしている。そんな同院の院長を務め、「生まれた時から人生の最期まで、地域の皆さんが安心してかかれる病院であり続けることが使命だと考えています」と語る西川正憲先生に、診療の特徴や病院運営について話を聞いた。(取材日2025年8月25日)

がん診療の取り組みについて教えてください。

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当院は、「地域がん診療連携拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」に指定・選定されています。そのような中で消化器外科、泌尿器科、婦人科などでは、手術支援ロボットを用いた低侵襲手術に取り組んでいるほか、がんゲノム医療にも力を入れています。近年、がんに関わる遺伝子検査は大きく進歩し、それに伴い遺伝子の異常に対応する薬も次々と開発されています。当院では、標準治療を終えたなど条件に合う方に対して、神奈川県立がんセンターと連携してがん遺伝子パネル検査を実施。その結果をもとに延命効果が期待できる分子標的薬などによる治療を行っています。また、胃がんや大腸がんの内視鏡治療や化学療法、放射線治療など、集学的ながん診療を幅広く提供しています。緩和ケアセンターやがん相談室では、ケースワーカーや看護師などが早期から患者さんやご家族の不安に寄り添える体制を整備するなど、総合的なサポートが院内でできるよう努めています。

小児・周産期医療にも力を入れていると伺いました。

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当院は、都道府県が認定する地域周産期母子医療センター、そして神奈川県周産期救急医療システムの中核病院として、地域の小児・周産期医療において大きな役割を担っています。「こども診療部門」には、小児科に加え小児救急科や新生児集中治療室(NICU)を集約。24時間体制で救急に対応しており、心臓・内分泌・アレルギー・神経など各分野で専門的な診療を行っています。周産期医療では産婦人科や小児科、救急科、麻酔科などが連携し、合併症のある方を含め24時間体制で安全性に配慮しながら出産をサポートするなど、母子の健康を守ることをめざしています。陣痛から分娩、回復までを同じ部屋で過ごせるLDRを2室備えているほか、新たに無痛分娩を始めました。麻酔科医などの体制が整った環境でより安心して出産に臨んでいただけると考えています。また出産後に体調や気持ちが不安定になった方への、産後ケア入院の体制整備にも取り組んでいます。

ほかに特徴的な取り組みはありますか?

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新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、もう特別な対応は不要だと考えている人もいるかもしれません。しかし、人に感染を広げるリスクは現在でも変わりません。また、新型コロナウイルス以外にも従来の常識では想定しにくい形で感染症が流行することや、将来新たな感染症が出現する可能性もあります。そのため、当院では院内でのサージカルマスク着用や手指衛生の徹底、面会を1回2人までで15分以内とする制限を設けるなど、これまでに培った感染対策を継続しています。加えて、医師や看護師、薬剤師などの感染対策チームを中心に、既知の感染症や新しい感染症にも、柔軟に対応できる体制を整えています。循環器内科では心筋の一部を冷却して不整脈を治療する「クライオアブレーション」、脳神経内科ではアルツハイマー病による軽度の認知症の進行抑制を図る新薬での治療にも対応し、それに必要なアルツハイマー病のアミロイドPET検査も行っています。

病院を運営する上で、心がけていることを教えてください。

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なぜ働き方改革が必要なのか。まずは、それを職員に知ってもらうようにしました。具体的には、長時間労働は仕事の効率を落とすという明確なデータがあるということです。特に一定以上の年齢の医師は、休まずに仕事をしていると効率が落ちることを経験していると思いますが、それが当たり前で来ていたので、大丈夫だと思い込んでいるんです。ですが、良い医療を提供するには、しっかりと休養を取って体調を整えることが必要なのだということを理解する。その上で、適切な時間で勤務してもらうようにしています。救急科や小児科など当直が必要な交代勤務が必要な診療科でも、夜勤後に長時間残ることがないよう体制を見直しています。また、私が院長として特に大切にしているのは、リスペクトの姿勢です。スタッフ一人ひとりの役割や良いところを認め合い、尊重し合うこと。その積み重ねが、「この病院で働いて良かった」という実感につながると考えています。

最後に今後の豊富と読者へのメッセージをお願いします。

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藤沢市は、2035年頃まで人口が増加すると予測されています。また、たとえ人口が減り始めたとしても若い世代が多く、お子さんも増えていくと考えられます。一方で、65歳以上の高齢者も増えるなど高齢化は進むと考えられ、医療需要の予測では、当院では20年以上先まで、入院・外来ともに増加が見込まれています。高齢者が増えることで新たな医療ニーズも生まれますが、そのすべてを当院だけで担うことは難しいかもしれません。それでも、高齢者に限らず出産や小児医療を含め、遠方まで通わなくても適切な医療を受けられる環境を提供することが、当院の使命だと考えています。そして、当院は開設以来、「地域の皆さんに安心して受診いただける病院」を目標に歩んできました。生まれた時から人生の最期まで、安心してかかれる病院であり続けるため、地域の医療機関やかかりつけの先生方と連携し、市民の皆さんの健康を支えていきたいと考えています。

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西川 正憲 院長

1985年横浜市立大学卒業。1989年同大学院医学研究科修了。藤沢市民病院で2年間診療した後、1991年から横浜市立大学附属病院呼吸器内科で経験を積む。その間、イギリスNational Heart and Lung Instituteにも留学し、研究に従事。2000年藤沢市民病院呼吸器科内科主任医長に就任。同病院診療部長、副院長などを経て2023年4月から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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