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医療法人社団正拓会 湘南太平台病院

(神奈川県 藤沢市)

松野 史孝 院長

最終更新日:2023/07/24

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高齢者医療を中心に地域のニーズに対応

松野史孝院長の父である松野正孝理事長が1982年に開設した外科系病院を始まりとする「湘南太平台病院」。慢性期、亜急性期、急性期治療後の患者を受け入れ、人工呼吸器装着を含めた重症患者にも対応している。40年の歴史の中で重症患者を多く受け入れ、がん末期の患者の看取りも行ってきた同院だが、「病院は、病気を治し、然るべきところに帰れるようにする場所」という原点に立ち返り、地域の人が最期まで住み慣れた場所で過ごせるように、病院から在宅医療まで切れ目のない医療を提供。2021年10月には地域包括ケア病床を設置し、リハビリテーションにも力を入れている。高齢者医療を中心に地域のニーズに迅速に対応していくため、立ち止まることなく進化を続け、今もなおその途中にある同院の現在と今後めざす方向性について松野院長に聞いた。(取材日2022年10月24日/情報更新日2023年7月20日)

病院のここ数年の変化について教えてください。

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診療内容としては、内科、外科、整形外科、胃腸内科、泌尿器科、疼痛緩和内科に加えて、新たに皮膚科、精神科を開設しました。皮膚科と精神科の開設は、訪問診療を展開する中でこの領域のニーズが高いことがきっかけとなりました。医師の世代交代も行い、東京慈恵会医科大学附属病院の医局や、横浜市内の連携医療機関の先生にもご協力いただき、病棟管理と訪問管理を行っています。また、新型コロナウイルスに対する取り組みとして、新型コロナウイルス感染症専用の病床を開設しました。地域の必要性に応じて最大5床まで設け、5類移行後の現在は2床で運用しています。ワクチン業務などにも従事してきました。特に人工呼吸器に関する相談が増えていることから、より安全な管理を行うために、臨床工学技士を含む多職種カンファレンスを定期的に実施し、呼吸器が離脱可能かどうかも含めて検討するなど、質の伴った医療を提供できるよう体制を整えています。

地域包括ケア病床をスタートされたと聞きました。

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16床だった地域包括ケア病床は、2023年4月には22床に増床をしました。最上階の5階をリニューアルした病床は見晴らしが良く天気の良い日には江ノ島が見えます。それに伴い約100平米のリハビリ室を開設しました。フレイルや病気によって身体的機能が落ちている人に対して入院初日からリハビリテーションを開始し、退院前カンファレンスでは、今は何ができて何ができないのか、何が必要なのかをしっかりと伝えることで在宅生活をスムーズに送れるようにしています。もともと当院では、当院の患者さんはもちろんそれ以外の患者さんも緊急入院の必要性があればできる限り受け入れていましたが、地域包括ケア病床ができたことでより気軽に患者さんを紹介していただけるようになりました。これまでお付き合いのなかった医療機関からもご紹介をいただいており、緊急入院にも対応できるよう看護部とともに体制を整えています。

現在、重点的に取り組んでいることは何ですか?

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当院ではこれまで、重症および超重症者さんに対して治療、訪問看護・訪問リハビリ、看取りまでを見据えて取り組んできましたが、より満足度の高い医療を提供するために何ができるかを考えた結果、「全体がつながったシームレスな診療」にたどり着きました。その中で力を入れていきたいのは、患者さん本人がその人らしく生きるためにどうすればいいかを一緒に考えていくということです。医療の枠を超えて、その人らしい人生を支えていくことで地域に貢献できればと思います。日々の診療においては、新型感染症流行の影響でface to faceのやりとりが減ったことによる弊害が多いため、今一度、顔の見える関係性を意識してカンファレンスなどを丁寧にやっていきたいと考えています。面会についても可能な限りリスクとベネフィットを加味して判断しながら、臨機応変に対応していきたいです。

在宅医療についてはいかがでしょうか?

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居宅・施設、特別養護老人ホームも含め、多くの患者さんを診させていただいています。以前はがん末期の患者さんが中心でしたが、診療科の幅を広げたことで、今は症状やニーズも多様化しています。地域の在宅医療を行うクリニックのほか、周辺の市の在宅クリニックとの連携も開始して、在宅の患者さんの病状変化時に入院できる藤沢市や茅ヶ崎市を中心とした湘南東部医療圏や鎌倉市のバックベッドとして機能し、それに伴いレスパイト入院のニーズも高まっています。また訪問看護ステーションの開設により、医療機関だけではなく、地域包括支援センターやケアマネジャーさんなど、介護や福祉の関連事業者とのつながりも深くなりつつあります。この地に40年以上ある病院ですから、皆さん当院のこれまでの歩みもよく知っていただいていますし、新しいことにも取り組んでいることは伝わっているようなので、連携を密にしてより良い医療の提供に努めていきたいです。

最後に地域の方々へのメッセージをお願いします。

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当院では、その人らしさをしっかり引き出せる診療を心がけると同時に、その思いが一人歩きせず周囲と足並みをそろえてコーディネートすることを大切にしながら、患者さんやご家族から求められているものは何かを考えていきたいです。ただ、長年やっていて感じるのですが、一緒に考えていくことが難しいときもあります。すべてを患者さんやご家族に任せることで、逆に混乱が生じてしまうこともあるため、状況に応じて医療のプロとしてのリーダーシップを持ってある程度誘導することも必要だと思っています。住み慣れた町で最期まで過ごすというのは誰しもが望むことです。そのためにできることをお手伝いさせていただきますので、医療のことはもちろんそれ以外のことについても気軽にご相談ください。

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松野 史孝 院長

2005年東京慈恵会医科大学卒業後、同大学麻酔科学講座に入局。大学病院のペインクリニックで研鑽を積む。全身管理や手術室での麻酔管理に興味を持ったこと、外科の医師である父とはまた違う道を極めたいと考えたことから麻酔科へ。麻酔科としての多様な症状や手術の経験を現在の診療に生かしている。2016年湘南太平台病院副院長に就任。2018年4月より現職。

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