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医療法人光陽会 鎌倉ヒロ病院

(神奈川県 鎌倉市)

門馬 正志 院長

最終更新日:2020/12/07

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地域に根づいた住民に頼りにされる病院

1948年にハワイ島ヒロ市出身の先代院長の父とその兄がこの地に開設した「鎌倉ヒロ病院」。当時、鎌倉市では結核患者用のサナトリウムが多かったそうだが、同院は地域住民が気軽に受診できる、内科・外科・産婦人科の診療を行う40床の入院設備のある病院としてスタート。その後も、長きにわたり鎌倉、藤沢、逗子、横須賀地域のホームドクターの役割を担い地域密着の医療を展開。おおらかでアットホームな雰囲気は、変わらず受け継がれている。2019年に院長に就任した門馬正志先生が大切にしているのは「リスペクトとコミュニケーション」。常に相手の立場に立って考えることで、患者、職員、連携先の病院それぞれと良い関係性を築くことに努めている。この先もずっと地域住民が困ったときに駆け込める病院として在り続けたいと話す門馬院長に、地域密着の診療を行う病院としての役割などを聞いた。(取材日2020年11月12日)

病院の特徴を教えてください。

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当院は地域密着の病院で、今後もそのスタンスは変わらないと考えています。今は中小規模の急性期病院が慢性期病院へと移行することが増えていますし、当院にも年単位で入院する患者さんがいますが、やはり、この先も鎌倉の地で何十年も暮らしている人に何かあったとき、頼りにしていただける病院で在りたいです。高齢化が進む地域なので、内科、整形外科が中心の診療を行っていますが、他の領域の症状についても「これは診られません」とは言わず、一度は話を聞き、相談に乗るように心がけています。もちろんすべての病気の診療が院内で完結するわけではありませんから、来てくれた患者さんの話を聞き診察をして適切なところへつなげていくというのも大切な役割だと思っています。また、小さい病院ながらも二次救急に対応しており、昔ながらの外科の病院の雰囲気が残っていることも当院の特徴の1つですね。

地域の病院との医療連携ではどのようなことを心がけていますか?

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近隣には湘南鎌倉総合病院や横浜栄共済病院、大船中央病院など大規模な病院も多く、日頃から相互に患者さんを受け入れています。しかし、どうしても大規模な病院と中小の病院やクリニックとの間では、何かしらのすれ違いが起こってしまいがちなもの。そこで重要なのがお互いの事情や都合、立場を考えた上で患者さんを紹介することです。それは院内でも同じで、院内には医師、看護師、技師、介護士、事務職員などさまざまな職種がいますが、この業界は他人の仕事を経験する機会がほぼないため、お互いを尊重するのはなかなか難しいのが現状です。新型コロナウイルス感染症の流行で外部との連携も取りづらく、院内で交流を図る機会も減っていますが、コミュニケーションをよく取り、何よりもお互いをリスペクトすることと自分は信頼に値するということを相手に示すためにも責任感を持って行動することが大切だと考えています。

感染症対策として取り組んでいることはありますか?

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感染症対策としては、ガイドラインなどに基づき当たり前のことを当たり前にやる、それしかないですね。入院患者さんの面会を止めている病院もありますが、当院では、1日お1人15分以内という制限を設けて面会に対応しています。患者さんの中には人生の最期の時間を過ごしている人もいて、その人たちがずっと家族と会えないというのも何か違うと思い、リスクはゼロではありませんが、面会可としました。他の病院と違う対応のように見えるかもしれませんが、僕らが診ているのは世間一般ではなくて患者さん一人ひとりですから、その人に対して何をすべきなのかを考えバランスをとってやっていきたいです。僕たちがここにいる目的は、患者さんを助けるためです。業務優先になりがちですが、病院が病院として存続し、明日も明後日も10年後も困った人が飛び込んで来られるようにするために今日があるということを頭の片隅に置いて忘れないようにしたいですね。

院長として、ドクターとして大切にしていることはありますか?

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繰り返しになりますが、リスペクトとコミュニケーションを大切にしています。職員みんなの力を借りないと僕一人では何もできないので、職員のみんなには本当に感謝しています。ドクターとしては、「それは専門じゃないので」という言葉は使わないようにしています。院長としても僕がそれをやってしまうと専門外のものは診ないという風潮が病院全体に出てきてしまいますから。僕の尊敬するドクターは、「総合診療はかかってきなさいの精神である」と言いますが、本当にそうだと思います。患者さんは3時間前に心筋梗塞になりました、3ヵ月前から関節リウマチですと言って病院に来ませんよね。何かよくわからない症状に対して、この病気かな? この病気ならこの先生に紹介しようとつなげていくことが町のドクターの役目です。そしてそれができるように自分で勉強をしたり講習を受けたりすることがとても重要だと感じています。

病院の今後の展望についてお話しください。

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開業医もどんどん専門分化されてきていますが、おそらく10年後、20年後も患者さんがまず駆け込む病院は必要とされるでしょう。町の小さな病院は、なんでもいらっしゃい、相談に乗りますという総合的な診療が期待される中、浅く広く診療し必要に応じて高次病院へつなぎ、その後家に帰るためのリハビリテーションや調整の期間に再び患者さんを引き受けることで、地域と医療の接点の部分を担っていければと思います。僕自身はこの病院が職員同士で気楽に真面目な話ができる病院になってほしいと思っています。同時に患者さんとも、診てあげるでもなければお客さまでもない、お互いリスペクトし合う関係をつくっていきたいのです。職員は、ここに勤めて良かった、患者さんはここで親切にしてもらった、居心地が良かったというように、みんなの幸せにつながっていけばうれしいですね。そういう思いを蓄積していくことで、明るい雰囲気の病院にしていきたいです。

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門馬 正志 院長

信州大学医学部卒業。附属病院などの勤務を経て、医療法人社団恵生会竹山病院院長、医療法人光陽会関東病院病院長を務める。2019年より現職。地域と密な関係性を築くさまざまな病院での勤務を経験したが、鎌倉ヒロ病院は中でも特に地域に根を張っていると感じているそう。専門は総合診療、漢方内科。

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