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公益社団法人地域医療振興協会 横須賀市立市民病院

(神奈川県 横須賀市)

関戸 仁 管理者

最終更新日:2022/10/24

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急性期を中心に多様な診療内容で地域に貢献

三浦半島西部、相模湾に面した海岸近くにある「横須賀市立市民病院」は、前身となる病院から60年近くもこの地で診療を続け、現在は30近くの診療科で多様な病気・ケガに対応する。同時に、心臓病や脳卒中などに強みを持つ救急医療、がん診療を中心とした専門性の高い医療、災害医療、感染症治療など、一般的に対応が困難とされる症例や状況にも、必要な医療を提供する役割を担っている。同院管理者の関戸仁先生は「当院は急性期医療を行う一般病床に加え、回復期、慢性期の患者さん向けの病床を持ち、この地域で最期まで暮らしていただくための医療体制も備えています」と話す。しかし、同院だけでは地域医療は成り立たないとして、近隣の開業医から患者を紹介してもらう地域連携はもちろん、三浦半島東部の2つの病院と協力して、それぞれの得意分野に応じて患者に適切な医療を届けられるような広域な連携も重視しているという。2021年の就任前から同院からさほど遠くない場所に居を構え、親しみのある病院だという関戸先生に、同院の特色や地域からの期待に応える体制の整備などを聞いた。(取材日2021年9月7日/情報更新日2022年9月29日)

この病院の地域における役割を教えてください。

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当院は横須賀市が設立し、地域医療振興協会が指定管理者となって運営する公的な病院で、幅広い診療科をカバーし地域に必要な医療を提供しています。救急医療をはじめ、専門性の高い医療を含む急性期医療にも注力していますが、三浦半島西部には急性期の病院がほとんどなく、地域の皆さまからの期待は非常に大きいと感じます。急性期後の身体機能や体力の回復を支援する回復期リハビリテーション病棟、在宅療養される方の入院も可能な地域包括ケア病棟を持ち、さまざまな病状の患者さんに対応できるのも特色です。こうした病棟は、住み慣れた地域で最期まで過ごしていただく地域医療・介護の体制づくりの一助となっています。さらに災害時の医療、感染症の治療にも尽力し、2020年には地域包括ケア病棟を一時閉鎖するなど医療体制を一部変更して、新型コロナウイルス感染症の治療にあたっています。地域包括ケア病棟については来年度再開に向けて準備中です。

急性期医療にはどのような特色がありますか?

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救急医療には24時間365日対応し、救急車も多く受け入れています。心臓病を診る循環器内科の医師は連日夜間救急を担当し、急性心筋梗塞に対するカテーテル治療など専門的な治療が常時可能な体制です。さらに脳神経外科の医師も週数日は夜間救急に入り、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞といった脳血管障害の治療、脳梗塞の血栓溶解療法・血栓回収療法などを実施。がんについては、消化器内科が内視鏡治療で胃や大腸、肝臓・胆道・膵臓などの早期がんに対応し、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も行います。消化器外科は、消化器内科・病理診断科との密接な連携のもと、内科的治療では難しい消化器がんを外科手術で治療します。また、乳腺外科の外来では毎月第2第4水曜日に女性の乳腺外科専門の医師が担当しています。来年度からは同日のマンモグラフィは女性の放射線技師が担当する予定です。このほか泌尿器科では前立腺がんなどの腫瘍を治療しています。

そのほかの分野での強みをお聞かせください。

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当院の整形外科はリハビリテーション科と協力して、骨・関節・脊椎など運動器の障害全般の予防や治療を通じ、高齢の方が地域で自立した生活を送れるようサポートしています。中でも加齢などを要因とし、膝の痛みや歩行困難を招く変形性膝関節症には、骨切り術や人工関節置換術による治療を行っています。骨折による入院については、治療の翌日からリハビリテーションをはじめ、早期退院を目標にご自宅で活動ができるよう回復を図っています。地域の健康寿命を延ばすには生活習慣病の適切な管理も重要で、内分泌・糖尿病内科では地域の先生方からの紹介で、患者さんの糖尿病教育入院、血糖コントロール入院などにも対応します。また、腎臓内科では多くの腎不全の患者さんへの透析治療を行っていますが、近年はご自宅で行う腹膜透析にも力を入れ、患者さんのQOL(生活の質)の向上を図っています。

高度な検査・治療を支えるための設備をご紹介ください。

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非常に重篤な患者さんの集中治療を行うICUが4床、重症の患者さん向けのHCUが12床あり、当院の急性期医療を支えています。泌尿器科では病気に応じたレーザー治療器を備えるほか、前立腺がんの疑いがある方へより精度の高い前立腺生検を行うための設備を導入し、「MRI撮影および超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」を行っています。これはMRIで撮った画像情報と生体検査によるエコー画像をコンピューターで解析し、がん検出率の向上を図るもので、2022年4月から保険適用となりました。がん治療全般では正常な細胞をできる限り傷つけず、がん細胞にピンポイントで照射可能な放射線治療機を活用しています。CTは320列の機種を含む2台、MRIは3テスラの機種を含む2台と、精密な検査ができる環境を整えています。心臓カテーテル検査・治療を行う放射線機器は新たな機種に入れ替え、2022年10月上旬から稼働予定です。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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当院が新型コロナウイルス感染症の治療に携わる中で医療現場が一時混乱し、地域の皆さまにも大きなご心配をおかけしました。現在は院内全体が感染症治療に協力して、安全に十分配慮しながら一般診療も行う体制が整いつつあります。一部の診療科は休んでいますが、どうぞ安心して受診していただければと思います。患者さんの中には外出を控えたため、がんの発見が遅れて治療が難しくなったケースもあります。体調不良など少しでも気になる点があれば、近くの先生方にご相談いただき、当院のご紹介があった場合は気兼ねなく受診していただければと思います。さらに当院の健康管理センターでは、人間ドックや健康診断など地域の皆さまの健康管理にも取り組んでいます。病気の治療はもちろんですが、これからは生活習慣病の早期発見や適切な管理と併せ、「病気にならずに健康で長生きしていただく」ことにも力を入れていきますので、気軽にご利用ください。

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関戸 仁 管理者

1983年弘前大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部病院(現・横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター)研修医。同院消化器外科勤務を経て、帝京大学医学部附属溝口病院、横須賀北部共済病院で診療。1989年から横浜市立大学に勤務し、1993年オーストラリア肝移植機構留学、2005年に国立病院機構横浜医療センター外科医長。統括診療部長も務め、2021年7月から現職。

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