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公益社団法人地域医療振興協会 横須賀市立市民病院

(神奈川県 横須賀市)

関戸 仁 管理者

最終更新日:2024/09/10

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地域の変化に対応した医療の提供をめざす

1963年に病床数40床の横須賀市立武山病院として開設後、現在は病床数482床、25を超える診療科を持つ「横須賀市立市民病院」は、三浦半島地区において、横須賀市西部地区、三浦市、逗子市、葉山町、鎌倉市などからの患者を受け入れる地域の基幹病院だ。同院は高齢化など地域の医療ニーズの変化に対応し、急性期医療を行う一般病床に加え、回復期や慢性期の患者向けの病床も持つ多機能な病院へと発展してきた。同院の管理者である関戸仁先生は「この地域で最期まで暮らしていただくために、急性期の専門的な医療、回復期のリハビリテーション、慢性期の在宅医療との連携など、それぞれの領域で一層の充実を図っています」と話す。加えて、近隣の開業医から患者を紹介してもらう地域連携、三浦半島東部の2つの病院との広域な連携も重視し、三浦半島全体を視野に医療体制の充実をめざしている。2021年の就任前から同院からさほど遠くない場所に居を構え、親しみのある病院だという関戸先生に、同院の特徴や近年の新たな動きなどを聞いた。(取材日2024年7月11日)

この病院の特徴や地域での役割などを教えてください。

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当院は横須賀市が設立し、地域医療振興協会が指定管理者となって運営する公的な病院で、幅広い診療科で地域ニーズを踏まえた医療を提供しています。当初は救急医療や専門性の高い医療などの急性期医療が中心でしたが、2016年に在宅療養される方の入院も可能な地域包括ケア病棟、2018年には急性期治療後の身体機能や体力の回復を支援する回復期リハビリテーション病棟を開設。地域医療で必要とされる多機能な病院へと進化してきました。また、災害拠点病院として災害時の医療、感染症の治療にも尽力し、コロナ禍で地域包括ケア病棟の一時閉鎖などの時期もありましたが、2023年6月に再開し、以前のように患者さんの入院が可能です。現在も三浦半島西部には急性期の病院が少なく、急性期医療に対する地域からの期待は非常に大きい一方で、今後は回復期リハビリテーション病棟の病床数不足も懸念されるため、当院では同病棟の増床も検討しています。

救急医療やがん治療などの急性期医療はどんな特色がありますか?

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救急医療は24時間365日、急性心筋梗塞のカテーテル治療、消化管出血の緊急内視鏡治療、手術室における緊急手術が実施可能な体制です。脳神経外科の医師も毎週末は夜間救急に入り、脳血管障害の治療、脳梗塞の血栓溶解療法・血栓回収療法などが実施可能です。がん治療では、消化器内科が早期の胃がん・大腸がんに対してESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行います。患者さんの身体的負担軽減をめざした治療が可能です。消化器外科は、消化器内科と病理診断科との密接な連携のもと、内科的治療では難しい消化器がんの外科治療を行います。胃がん、大腸がん、肝臓・胆道・膵臓のがんに対しては可能な限り腹腔鏡を用いた手術を行い、患者さんの身体的負担軽減に注力しております。泌尿器科では前立腺がんなどを治療し、乳腺外科では乳腺外科専門の医師、看護師、診療放射線技師、受付スタッフを全員女性が担当する日を毎月第2第4水曜日終日に設けています。

高齢者の病気や慢性的な病気にはどう対応されていますか?

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リハビリテーション専門病院で経験を積んだ医師を招いて回復支援の体制を強化しました。整形外科ではリハビリテーション科と協力し、運動器の障害全般の予防や治療を行い、骨折の治療の翌日からリハビリテーションを開始し、早期退院とご自宅で生活可能な回復を目標にしています。膝の痛みや歩行困難を招く変形性膝関節症には、骨切り術や人工関節置換術による治療を行い、増加する脳卒中の患者さんは脳神経内科と脳神経外科が連携して対応。どちらもリハビリテーション科による回復支援を充実させています。内分泌・糖尿病内科では地域の先生方からの紹介で、患者さんの糖尿病教育入院、血糖コントロール入院などにも対応し、腎臓内科では腎不全の透析治療を行っています。当院の透析室はこの地域では規模が大きく、腎不全以外に病気をお持ちの患者さんもトータルに診られる体制で、近年はご自宅で患者さんやご家族が行う腹膜透析にも力を入れています。

診療体制や検査・治療設備などのトピックスをご紹介ください。

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当院では、看護師が医師と協力して診療体制の充実を図っています。緩和ケア、感染管理、皮膚排泄ケア、慢性心不全、認知症看護の各分野の知識を持つ看護師が活躍し、より専門的な看護を行えるのも特徴です。設備面では、ICUが4床、HCUが12床あり、2024年3月から横浜市立大学医学部附属病院の集中治療室と協力して遠隔ICUも開始しました。大学病院で集中治療を専門とする医師にリアルタイムでアドバイス等を受けることで、当院で大学病院水準の集中治療を可能にする仕組みです。泌尿器科では、前立腺肥大症の治療で患者さんの身体的負担軽減をめざし、尿道を経由させた蒸気で治療する装置も導入しています。循環器内科では高精度の病気予測に期待できる検査装置も使用しています。本年4月には、医師や多職種と連携・協働し、医師の指示のもと、一定水準の診療を行うことができる看護師を採用し、診療科の大きな力になっています。

今後の展望や地域の方へのメッセージをお願いします。

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2022年に院内にコンビニエンスストアがオープンしました。深夜に勤務する職員の満足度向上をめざして一部時間帯は職員限定で24時間営業を実現しました。職員の満足度向上が患者さんの満足度向上につながると考えています。当院の理念は「ありがとう」で、患者さんやご家族に「ありがとう」と言っていただける病院、職員同士も笑顔で「ありがとう」と言い合える病院をめざしています。もちろん医療設備や高度な治療技術も重要ですが、それにより患者さんやご家族に満足していただけ、感謝の言葉をいただけることが一番の目標です。今後もこの理念をもとに、地域に必要とされる急性期、回復期、慢性期の医療を提供し、健康管理センターでは、人間ドックや健康診断など地域の皆さまの健康管理にも取り組んでいきます。重大な病気の治療はもちろん、「病気にならずに健康で長生きしていただく」ことにも力を入れますので、気軽にご利用ください。

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関戸 仁 管理者

1983年弘前大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部病院 (現・横浜市立大学医学部附属病院)で初期研修。同院消化器外科勤務を経て、帝京大学医学部附属溝口病院助手、横須賀北部共済病院で診療。1989年から横浜市立大学に勤務し、1993年オーストラリア肝移植機構留学、1998年横浜市立大学医学部第2外科講師、2005年国立病院機構横浜医療センター外科医長、統括診療部長も務め、2021年7月から現職。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万7080円~

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