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経皮的冠動脈インターベンションによる
虚血性心疾患の治療

公益社団法人地域医療振興協会 横須賀市立うわまち病院

(神奈川県 横須賀市)

最終更新日:2021/10/21

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  • 保険診療
  • 虚血性心疾患
  • 糖尿病
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 脂質異常症(高脂血症)

胸痛や息苦しさなどの症状が出る狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患。冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、閉塞したりすることで、心筋に血液がいかなくなるのが原因である。そして、その狭くなったり、閉塞してしまったりした血管の部分をカテーテルを用いて挿入した風船や金属の筒で広げるのが経皮的冠動脈インターベンション(PCI)。「経皮的冠動脈インタベーションは、開胸して行う冠動脈バイパス術より患者の体力的、時間的な負担などが少ないことから、高齢者も含めた多くの患者さんに対して行うことが可能です」と話すのが「横須賀市立うわまち病院」の荒木浩循環器内科部長だ。そこで、荒木先生に同院で取り組んでいる経皮的冠動脈インターベンションの流れや特徴などについて教えてもらった。(取材日2021年9月7日)

事前の精密検査で病変を評価し、安全かつ有効な治療をめざす

Q経皮的冠動脈インタベーションとはどのような治療でしょうか?

A

カテーテルを用いてバルーンやステント(金属の筒)を移動させる

心臓の冠動脈が、動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなることによって胸や背中に感じる強い痛みや圧迫感、息苦しさ、冷や汗、意識障害などの症状が起こるのが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患です。経皮的冠動脈インタベーション(PCI)は、その原因となる冠動脈狭窄や閉塞に対する治療です。治療では、皮膚を通して穿刺した脚の付け根や腕、手首などの血管からカテーテルを挿入し、冠動脈の狭くなってしまったり、ふさがってしまったりした場所に持ち込んだバルーンやステント(金属の筒)、粥腫を切除するアテレクトミーカテーテルなどで拡張して開通させ、血流の再開を図ります。

Q経皮的冠動脈インタベーションのメリットを教えてください。

A

患者の負担を軽減できる局所麻酔を利用することができるという

経皮的冠動脈インターベーションは局所麻酔ででき、穿刺は小さな傷で、手技時間は60~100分程度、入院期間は2日~3日程度と低侵襲であることから、開胸して行う冠動脈バイパス術より患者さんへの体力的、時間的な負担などが少ないことがあげられます。経皮的冠動脈インタベーションは、症状が比較的軽い場合や、高齢者も含めた多くの患者さんに対して行うことが可能です。また、当院では冠動脈だけではなく、頸部から鎖骨下、腹部の腎動脈、腸間膜動脈、下肢動脈に至るまで全身の血管病をカテーテルインターベンションの守備範囲としています。

Q治療後の生活について教えてください。

A

総合病院ならではの術後のケアを実現

手首の動脈である橈骨動脈からの治療であれば、治療直後から歩けますので車いすで移動ができます。また、大腿動脈からの治療であれば2〜3時間の安静ののち、歩くことが可能です。当日から入浴も可能なほか、退院したらすぐに通常の日常生活に戻ることができます。ただし、治療で冠動脈に留置したステントに血栓ができ血管を閉塞してしまうステント血栓症を回避するために、激しい運動やアルコールは数週間控えていただき、しばらくはいわゆる血液をサラサラにするための薬を飲んでいただくほか、定期的に検査を受ける必要があります。また、動脈硬化の原因となる糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病のコントロールも重要です。

Qこちらの病院ならではの特色はありますか?

A

緊急時でも迅速に治療にあたることが可能に

急性心筋梗塞の救命率を上げるためには、発症から治療開始まで90分以内をめざす必要があります。当院ではドクターカーを運用しており、かかりつけ医から当院まで迅速に患者さんを搬送するシステムを整えてます。そして、治療前には冠動脈CT、治療中は血管内超音波(IVUS)、光干渉断層診断(OCT)などの画像診断を用い、病変が石灰化で硬いのか、やわらかすぎて血管の目詰まりであるコレステロール塞栓を起こしそうなのかなどを評価し、必要なら回転性アテレクトミーカテーテルやコレステロール塞栓予防のためのフィルターワイヤなどのデバイスを駆使するなどの準備をして、治療に臨んでいます。

Q治療の際に、心がけていることはありますか?

A

治療について語る荒木浩循環器内科部長

どんな簡単な手術でも「100%成功で合併症ゼロ」ということはあり得ません。ですから、どんな病状なのか、なぜ治療が必要なのか、治療には経皮的冠動脈インターベンションのほか、薬物療法や外科的冠動脈バイパス術などの選択肢がありますが、それぞれのメリットやデメリット、起こり得る合併症や使用する造影剤の副作用などについて、同意書やイラストなどを用いて丁寧に説明するよう心がけています。その際には本人だけでなく家族の方にも同席してもらっています。また、「自分自身の大切な家族にしてほしい治療」を目の前の患者さんに、できる限りの準備をして、最高の結果になることをめざして取り組んでいます。

患者さんへのメッセージ

荒木 浩 循環器内科部長

1994年自治医科大学卒業後、熊本赤十字病院での初期臨床研修の後、同地で循環器内科を中心に地域医療に従事。昭和大学横浜市北部病院勤務などを経て2017年より現職。日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会総合内科専門医、医学博士。専門は循環器全般、カテーテルインターベンション。

循環器疾患の症状は動悸や息切れといった慢性の症状から、突然の胸痛で緊急な検査・処置が必要な症状、倦怠感やめまいなど非典型的な症状まで実に幅広いです。ですから、まずは普段からなんでも相談できるかかりつけ医を持つことをお勧めします。かかりつけ医を受診して判断を仰ぐことで、循環器疾患が疑わしければ当科へ紹介していただけますし、緊急を要すると判断されればドクターカーで迎えに行きます。また、急な症状であれば紹介状なしで直接当院を受診することもできます。そして、冠動脈インターベンションが必要な病状であることが明らかになったら、できる限り最善の治療を行ってまいりますので安心して受診してもらえればと思います。

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