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社会医療法人河北医療財団 天本病院

(東京都 多摩市)

舟木 成樹 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域に密着した高齢者医療を展開

1980年に精神科の医師である天本宏先生が開設した「天本病院」。当時、精神疾患や認知症患者は郊外の病院に入院する傾向にあったというが、長く認知症の研究をしていた天本先生が開設の地に選んだのは多摩市の中心部である多摩市役所近くだった。そこでスタートした80床の病院をルーツに、現在は在宅療養支援病院として、認知症ケア、回復期リハビリテーションなど高齢者医療に特化した診療を展開。地域の急性期病院や同グループ内のクリニックとの連携で、急性期の治療が終わった患者が在宅に戻るまでの橋渡しとしての役割を担っている。「この地域の人が、年をとって病気になっても住み慣れた地域で生活できるように、あいセーフティネットの行動指針である、頭を使って行動し、愛のある医療を提供したい」と話す舟木成樹院長に、日々の取り組みについて聞いた。(取材日2019年12月2日)

病院の特徴を教えてください。

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当院は、179床のケアミックス型病院です。7月まで精神科の特殊疾患病床もありましたが、病棟再編を行い、地域のニーズに合わせて、多摩地区の急性期の後の患者を受け入れ、治療の継続やリハビリテーションを行うポストアキュート、在宅や施設の患者の急性憎悪に対するサブアキュートに対応しています。認知機能が低下した患者さんでも断らず積極的に受け入れているほか、特に回復期リハビリテーションには力を入れており、急性期の手術が終わってからすぐにリハビリを積極的に行ってきた患者さんを継続してサポートしていくため、専門の医師、理学療法士などスタッフの数も充実しています。認知症、リハビリなど高齢者を全人的に診ていることが当院の大きな特徴です。

患者は地域の人が多いですか? 外来診療での取り組みは?

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地域の急性期病院からの紹介患者さんのうち、約50%が隣接する多摩南部地域病院および日本医科大学附属多摩永山病院からのご紹介です。あとは、八王子、府中、町田の急性期病院、川崎市内の病院などからのご紹介で、急性期治療後、手術後の観察やリハビリ、骨折や脳卒中後のケアが必要な患者さんなどを受け入れています。地域包括ケアシステムの中での急性期病院の役割はなるべく短い期間で先端の医療を提供することで、その後を引き継ぐのがわれわれのような回復期を担う病院です。そのようなシステムにおいて、多摩市は急性期から回復期、療養期までが非常にうまくリンクしていると感じています。外来については、主に入院患者さんの退院後のフォローを行っているほか、高齢者のための精神科や、物忘れや嚥下機能に関する外来など専門性に特化した外来も開設しています。

地域の医療・介護の連携がうまくいっているということですね。

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同じ河北医療財団多摩事業部内の複数のクリニックとは、週に一度、オンラインのウェブ会議でクリニックからの入院受け入れについての報告会を行っており、当院の2階にある地域包括ケアシステム病床の約80%、3階の回復期病床も90%在宅の患者さんが利用されています。急性期病院との連携においても、患者さんが手術する前に行う症例検討会に当院の地域連携室のスタッフが参加し、退院がいつ頃になるかを把握した上で、患者さんの受け入れ準備を進めておくことが理想的です。それによって、タイムラグ少なく患者さんを当院に転院させてあげることができるので、患者さんやご家族にもメリットが大きいと思います。ただ、限られた時間の中ではなかなか難しいのが現状ですので、今後の課題として取り組んでいければと考えています。

理念「信頼と安心の創造」は日々どのように生きていますか?

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医療は時として押しつけがましくなることがあり、こちらが最善だと思った提案が患者さんにとってはそうではないこともあります。安心感のある医療というのは言葉にするのは簡単ですが、心から信頼していただける医療やサービスを提供し、すべての患者さんに満足していただくためには、まだまだ病院として取り組むべきことも多いと思っています。そこで、大切にしていきたいのが笑顔。笑顔が一番いいですよ。医師、看護師、リハビリスタッフ、受付スタッフをはじめとしたすべての職員の笑顔が患者さんの信頼につながればいいですね。当院の職員を見ていて感心するのは、みんなが積極的に意見を出して良い病院にしていこうと考えてくれていること。言いたいことが言える働きやすい環境は、良い医療の提供にもつながると考えています。

最後に、今後の展望についてお話しください。

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開設者の天本先生がおっしゃっていたのは、皆さんのお住まいがベッドで道路は病院の廊下だということ。つまり、昔のように病院はドンと構えて患者さんが来るのを待っているのではなく、積極的に町へ出て行く時代になったということです。当院では、回復期のリハビリ、介護予防の体操の指導を行っているほか、スタッフがおそろいのTシャツを着ての清掃活動、お祭りの手伝いやブースを設けるなど、地域との共存をめざしています。今後は、入院患者さんの診療は今までどおりに行い、さらに、訪問診療や訪問リハビリももっと積極的に行える体制を整え、地域の患者さんの健康を支えるためのサービスを広く展開していきたいです。

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舟木 成樹 院長

1977年聖マリアンナ医科大学医学部卒業、2006年1月聖マリアンナ医科大学東横病院病院長に就任。その後、2014年4月より新天本病院院長就任。2016年12月天本病院へ病院名変更後も引き続き院長を務める。専門は心臓血管外科。聖マリアンナ医科大学名誉教授。医師になりたての頃に恩師から言われた、「医者は患者のそばに居るから、居る者、すなわち、医者だ」という言葉を胸に、患者に寄り添う医療を心がける。

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