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日本医科大学多摩永山病院

(東京都 多摩市)

牧野 浩司 病院長

最終更新日:2024/05/16

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地域に根差した先進的な医療の提供をめざす

京王永山駅と小田急永山駅の両駅から徒歩約3分にあるのが、「日本医科大学多摩永山病院」だ。1977年に開院して以来、約50年にわたって多摩地域の人々とともに歩み、健康を支えてきた同院。現在は急性期病院として、緊急で重篤な患者に24時間365日体制で対応する救命救急センターを備えるほか、がん診療や心疾患、脳血管疾患などの治療にも力を入れている。そんな同院の院長に2024年に就任したのが牧野浩司先生だ。先進的な治療を積極的に取り入れると同時に、患者や家族が癒やされるような空間作りにも力を入れていると言う。「診療内容は都心の病院にも負けないと自負していますので、地域の皆さまには安心してご利用いただきたいですね」と優しい雰囲気で話す牧野先生に、同院のことについて詳しく話を聞いた。(取材日2024年4月22日)

診療では、どのようなことに力を入れていますか?

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昨年の6月に手術支援ロボットを導入しました。現在は、前立腺や直腸、食道、結腸、腎臓、肝臓のがんなどに対してロボット支援手術を行っています。最近では、多くの施設で腹腔鏡や胸腔鏡などの手術がロボット支援手術に変わってきていますが、非常に精密で繊細な操作ができ、合併症も少なくすることをめざせるということで、当院にもぜひ導入しないといけないと考えていました。また、前立腺などはロボット支援手術を希望する患者さんが非常に多く、当院で対応できるようになったのは非常に良かったなと思っています。適応がある疾患には積極的にロボット支援手術を行っていますし、症例数も多くなっています。今後も対象疾患も広げながら、積極的に行っていきたいと考えています。当院は見た目が少し古いですが、中では先進的なことに取り組んでいることは、アピールしておきたいですね。

血管造影室も増えたそうですね。

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一昨年までは1室だった血管造影室を2室に増やしました。地域には脳神経外科や脳神経内科に対応している施設が少なく、当院ではこれまでも脳梗塞や脳出血など脳卒中の患者さんの救急搬送の受け入れ要請や、問い合わせを非常に多く受けてきました。また、これまで脳卒中は脳神経外科と救命救急部門が対応していましたが、2年ほど前に脳神経内科の医師が着任し、3科で血栓回収療法などのカテーテル治療を対応できるようになりました。一方で、心臓のカテーテル治療も行っていますので、1室だとどちらかが使っていると、もう一方はできなかったんです。それが2室になり、ほとんどの場合に対応できるようになりました。多摩市は高齢者もとても多く、そうなると心臓や脳の疾患、がんの患者さんも必然的に多いですから、それらにしっかりと対応できるように体制を整えておくことはとても重要だと考えています。

がん診療にも力を入れていますね。

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がん患者さんの中には、家族に都心の専門病院を勧められたという方が少なからずいらっしゃいます。ですが、治療内容は変わらないと思っていますし、もし再発して薬物療法をするときは当院で対応し、治療が難しくなって緩和ケアに移ることになったときなどに、専門病院は紹介しますので他の病院で受けてくださいということがあります。また薬の副作用などがある際に1時間以上かけて通院するのは結構大変です。都心の専門病院にかかろうと考えたときに、それらのことを想定していないと思うんです。当院はそれらに一貫して対応できるのが強みです。例えば私の専門でもある消化器外科では、ロボット支援手術や薬物療法も行っていますし、緩和ケアの際には、患者支援センターやがんを専門とする看護師と連携して在宅医療につなげることができます。遠くまで行かなくても必要な医療を地域でしっかりと受けることができるということは、ぜひ知ってほしいと思います。

診療以外のことにも積極的に取り組んでいると伺いました。

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建物が老朽化する中、癒やされる空間をなんとか作れないかということで、正面入り口の横に「グレイス・ガーデン」を作ったほか、渡り廊下には絵を飾ってギャラリーにしました。私は地域に根差した病院をかなり意識していて、地元の企業や学校とコラボできないかと調べてみたんです。その時に恵泉女学園大学で園芸療法を行っているのを見つけて、すぐに電話をして園芸療法を専門としている澤田先生につないでもらい、コラボレーションすることができました。グレイス・ガーデンでは植物に触れたり、香りを楽しんだり、花や実を育てることを通して、身体的・精神的・社会的な癒やしなどを体験できるようにしています。車いすでも園芸作業ができるようにしてありますので、患者さんやご家族には水やりや花がら摘みなどの管理もしながら、日々の花々の成長を楽しみ、癒やされていただきたいですね。

病院を運営する上で心がけていることや展望をお聞かせください。

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当院は、大学の中でも地域の病院なのか、それとも大学病院なのかということをよく言われます。私は、当院は地域の病院であり、地域の患者さんの役に立つという意識を持ってほしいとスタッフに話しています。もう一つが、スタッフのモチベーションです。医師や看護師は、患者さんやご家族から感謝のお言葉をいただく機会がありますが、事務職員はそういうことがあまりないんです。すべての職員にとってやりがいのある職場にしていきたいと考えていて、特に医師や看護師には、裏方を担ってくれている事務職員に、「ありがとう」「助かったよ」など、一言でも良いので声をかけてほしいと伝えています。そして救急はもちろん先進的なことも積極的に取り入れて、地域に役立つ病院であること。実際に行っているのは都心の有名な病院にも負けませんので、地域の皆さまには安心してご利用いただきたいですね。加えて、病院の建て替えも早期に実現したいと考えています。

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牧野 浩司 病院長

1988年日本医科大学卒業後、同医学部消化器外科に入局。Johns Hopkins大学医学部留学、日本医科大学講師、同大学多摩永山病院准教授、同外科部長、同教授、同副院長などを経て2024年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。医学博士。

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