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社会医療法人財団大和会 武蔵村山病院

(東京都 武蔵村山市)

稲冨 滋 院長

最終更新日:2024/12/09

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医療から福祉までを担うケアミックス型病院

北多摩西部保健医療圏で暮らす、およそ60万人の地域住民の健康を支える「武蔵村山病院」は、内科、外科、小児科、産婦人科、眼科、泌尿器科など豊富な診療科をそろえ、一般・回復期リハビリテーション・地域包括ケア・医療療養病棟、さらにはPET-CTや放射線治療装置、手術支援ロボットなどの高度医療機器も備えている。2024年7月に院長に就任した稲冨滋先生は、地域の人々に信頼される医療や福祉をめざすという理念に沿って、さまざまな取り組みをしている。急性期と慢性期医療に対応し、リハビリや自宅復帰のサポートまでを地域の中で完結させるケアミックスや、医療や介護など多職種が連携するチーム活動などがそれだ。「何より、地域の方に必要とされる病院でありたいと考えています。そのためには、当院に与えられた役割をしっかりと実行していくことが大切です」と語る稲冨院長に、同院の強みや地域の医療機関との連携、院内の連携などについて話を聞いた。(取材日2024年10月1日)

病院や地域の医療体制について教えてください。

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北多摩西部医療圏には6つの大きな病院があります。新型コロナウイルス拡大時に各病院の感染管理を担当する医師が集まり、情報交換や患者さんの受け入れについて話し合いをし、ネットワークを構築しました。それは現在も継続しています。私は当時から感染管理室長をしていたので、人脈を築くことができました。また、地域のクリニックには「当院の発熱時の外来で患者さんを受け入れます」とアナウンスするなどしてつながりを強めました。その絆をこれからも大事にしたいですね。なお、大和会では東大和病院が超急性期医療を提供する役割を担っており、当院は急性期や回復期の患者さんをケアミックスという形で診療する、つまり、医療、リハビリ、自宅復帰のサポートまでを地域の中で完結させるための病院と位置づけています。そのことを地域の他の病院も理解して「この患者さんは入院が必要だから」「レスパイト入院もできるから」と紹介してくださいます。

御院の強みは何でしょうか?

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泌尿器科では、前立腺がんや腎臓がんに対してロボット支援手術を積極的に行い、実績を積み上げています。さらに、尿管結石や尿路感染症の治療の選択肢として、レーザー治療や体外衝撃波結石破砕術にも対応しています。また、東京都からの指定を受けて設置した認知症疾患医療センターでは、認知症治療のさまざまな取り組みをしています。物忘れの外来はもちろん、医療や介護など多職種で構成される認知症のケアチームをつくり活動しているんです。アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが、脳内に蓄積しているかを調べるアミロイドPET検査も導入しました。さらに、認知症の方やご家族、認知症について知りたい方、地域で支え合いたい方などが、お茶を飲みながらゆったりと楽しく交流や相談ができる場として認知症カフェも開催しています。

多職種が連携するチームについて詳しく教えてください。

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当院では、認知症に限らず、多職種が連携するチームがさまざまな分野で活動しています。例えば、口腔ケアチームには、病院としては珍しく常勤の歯科医師がおり、麻酔科の医師やリハビリの専門家らとチームを組んでいるんです。多職種チームの活動については、医局会や会議の際に、各チームの成果をきちんと報告し、病院として、その努力を認めていることを、本人にもほかの職員にも伝えるようにしています。先日も、「お互いさま体操」を地域の人々に普及させたリハビリチームの功績をたたえ、臨時院長賞を出したんですよ。また、自分の所属部署だけでは決められない患者さまの権利や義務、身体拘束、いわゆる終末期への関わりを含む人生会議(ACP)などに関する病院としての基本的コンセンサスについて、臨床倫理委員会で議論できるように院内の改組も行いました。

先生が医師として大切にしていることはありますか?

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一人の医師としては、苦しい顔で来院した患者さんも、帰る時は笑顔になっていることを目標に診察しています。診療が終わった後、スッキリした顔をしているとうれしくなるんです。私は、話を聞くのも好きなのですが、突き詰めると人間が好きなんだと思います。なお、患者さんには、原因を知りたい人と、原因なんかどうでもいいから症状を軽くしてほしい人がいます。また、治療法を医師に決めてほしい人と、自分が決めたい人がいます。それらを見誤ると、話がうまく伝わらなくなりますので、患者さんが求めるものを見極めながら接することが大切ですね。私は産婦人科医なのですが、「誕生に立ち会わせてくれてありがとう」という気持ちで接するようにと教育されてきました。それは、すべての医療従事者に共通することだと考えています。常に感謝の気持ちを忘れず、患者さんに接するべきだと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

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当院の理念は「生命の尊厳と人間愛」です。地域社会の皆さまに信頼される保健・医療・福祉をめざしています。何より、地域の方に必要とされる病院でありたいと考えています。そのためには、当院に与えられた役割をしっかりと実行していくことが大切です。ただ、当院が良かれと思って行っていることにも、地域の皆さんにとっては必要がないことがあるかもしれません。もし、私たちが皆さんのニーズに即さないような行動をした場合は、ぜひ教えてください。当院には院内に目安箱「院長へのお手紙」が設置してありますし、ホームページからも病院への要望や意見を送ることができます。真に地域に必要とされる医療とケアをめざしていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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稲冨 滋 院長

1990年九州大学医学部卒業。沖縄県立八重山病院産婦人科、福岡市民病院婦人科、別府医療センター産婦人科を経て、2010年に武蔵村山病院に入職。2015~2024年まで副院長を務める。2024年7月に院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医。

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