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社会福祉法人信愛報恩会 信愛病院

(東京都 清瀬市)

越永 守道 院長

最終更新日:2024/03/22

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グループ全体で地域の医療・介護を支える

1909年に設立された社会福祉法人「信愛報恩会」を母体に、1940年に開業した「信愛病院」。その後、地域ニーズに応える形で診療の幅を広げ、急性期病院から慢性期病院を経て、現在は回復期リハビリテーション病院、緩和ケア病棟(ホスピス)、療養型病棟、一般病棟によるケアミックス型の病院として地域の高齢者の健康を支えている。グループ内に病院、特別養護老人ホーム、グループホーム、サービスつき高齢者向け住宅などの施設を持つことから、各事業者間が積極的に連携することで、グループ内での地域包括ケアを確立。医療から介護、福祉までシームレスに提供することで患者や家族にも安心感を与えている。「社会の高齢化が進む中、キリスト教精神のもと、困っている高齢者の方に向けて満足度の高い医療・介護を行っていきたい」と話す越永守道院長に話を聞いた。(取材日2018年7月31日)

介護療養型病棟をリニューアルされたそうですね。

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国の方針により2018年3月末で介護療養病棟が廃止される流れの中で、2016年の6月に当院では、一つの病棟を医療療養型病棟に変更しました。医療療養型病棟は医療的介入の必要な患者さんが9割入院されており、今年の11月には医療療養型病棟と回復期リハビリテーション病棟を拡張する予定です。これからの時代、高齢者が増えることはわかっていること。でも、高齢者の中にもいろいろな人がいらっしゃいますよね。裕福な人もいればそうでない人もいる。この病院は困っている人を助けるという理念のもと、経済的余裕のない高齢者の方や老老介護、独居といった困っている人を助けるために医療の体制を整えています。

法人内での地域包括ケアシステムはどのように進めていますか?

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グループ内の事業所すべてが集まり「信愛包括ケア連絡会」を月に一度開催し、情報共有システムで患者さんや利用者さんの情報を共有しています。それによって、病院の患者さんも介護施設の利用者さんも“信愛の利用者”という一つのくくりになり、切れ目なく対応できるようになりました。患者さんがどこかにいて急に具合が悪くなったり家に帰れなくなったとしても、情報共有ができていればすぐに駆けつけられます。本来、地域包括ケアシステムというのはそういうもので、それをある程度グループ内で形にできました。また新たに「患者サポートセンター」を設置し、ソーシャルワーカーと地域連携室、入退院支援の看護師が一人ひとりの患者さんの状況を総合的に判断して、適切な病棟や施設へ移行しています。病棟の患者さんがグループの施設に移った際には訪問診療で治療を継続しています。具合が良くなってもつながりはずっと続いている、それが理想ですね。

地域に根づいているからこそできる取り組みなのでしょうか?

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私が院長になる前から、既にケアシステムのインフラは整っていたと思います。しかし、横のつながりが弱かったのです。そこで各事業所を回り、一緒にやっていきましょうと声をかけ、情報共有できるようにし、皆が同じ意識でやっていけるようになりました。当院は一般病棟、緩和ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、医療療養型病棟のそろったケアミックス型です。急性期病院が在院日数に縛られる中、当院のような体制であれば、十分に療養でき、患者さんを送った側にも安心感を与えることができます。地域のクリニックも同様で在宅に戻られた患者さんのすべてに対応できるわけではありません。そういったときに当院であれば入院して次のステップへという選択ができる。闘病生活は始まりよりもその先が長いです。うまく救急病院、地域の診療所とお付き合いしながら、グループの層の厚さを強みに地域の方々をサポートできる体制を作り上げていきたいです。

院長として大切にしていることはどういったことですか?

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医療も介護も人が人に接する仕事ですので、患者さんとの関係性を大切にしています。どんなに社会が発展してAIが発達しようともそこは変わらず、機械に置き換われる部分はそれほど多くないと思っています。ですので、心から満足できる病院であること、ここにいたいと思える病院だったり事業所をめざしたいです。そのような医療を提供するためにはスタッフの満足度も重要だと考えています。スタッフが業務に対して満足度が高くなければ、誰かのために何かをしようとなかなか思えなくなります。誇りを持って前向きに常にみんなで同じ方向に向かっていくことができれば、良い病院、良い法人になると思っています。

最後に地域の方へのメッセージをお願いします。

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当院は緩和ケア病棟もあり、最期を病院で迎えられる患者さんがいらっしゃいますが、最期はそこに私たちに共感があるかが大切だと考えています。最期がどうだったかは残されたご家族の記憶に必ず残ります。満足のいく最期を迎えられたら毎年の命日にはその時の話題になっても、良い思い出話になりますが、不満足な最期であれば、不幸な思い出になってしまいます。最期の時は悲しい出来事だからこそ、少しでも満足のいく瞬間にする、それが緩和ケア病棟にもほかの病棟にとっても大きなテーマに思います。私自身も両親が亡くなったときにそのように感じ、今でも良い記憶として残っています。だからこそ日頃から人と人とのつながり・患者さんの感情に共感を持ちながら、同じ方向を向いて患者さんや利用者さんと接することができているかにこだわっています。それができたら良い病院となりますし、満足感を与えることも大切な仕事の一つだと考えています。

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越永 守道 院長

1991年日本大学大学院修了後に渡米し、米国マイアミ大学医学部脳神経外科研究員に。練馬光が丘病院副院長を経て2016年3月より現職。自身の両親を同院で看取った経験を持つ。埼玉県立大学非常勤講師、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、認知症サポート医。趣味は義父から勧められて始めたゴルフ。それ以外の休診日には、妻と小学生の2人の子ども、愛猫のメインクーンと一緒に過ごしてリフレッシュ。

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