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医療法人社団恵仁会 府中恵仁会病院

(東京都 府中市)

仁木 久照 院長

最終更新日:2025/09/03

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救急・急性期・専門医療でニーズに応える

1955年の開業以来、70年以上の歴史を歩んできた急性期医療の担い手「府中恵仁会病院」。東京都指定の二次救急医療機関として「24時間365日断らない救急医療」をめざすとともに、地域医療支援病院としてクリニックなどの各医療機関と連携を深め、円滑な紹介・逆紹介に努めている。内科・外科ともに幅広い分野に対応しつつ、専門に特化した5部門を有しているのも同院の特徴だ。ハートセンター、脳卒中センター、消化器センター、スポーツ医学・人工関節センターに加え、新たに足の外科センターも立ち上げられ、専門性に一段と磨きがかかった。2025年4月に院長に就任した仁木久照先生は、「地域のニーズにしっかりとお応えし、患者さんと先生方の満足度の向上に努めることが私自身にとって大きなやりがいであると感じています」と意欲を語る。取材では仁木先生に、同院が地域で果たしていく役割や各専門の部門などについて詳しく聞いた。(取材日2025年6月10日)

貴院の地域における役割についてお聞かせください。

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大きな役割の一つは、二次救急医療の提供です。軽症から重症までの患者さんを幅広く受け入れる東京都指定の二次救急医療機関、また急性心筋梗塞などに迅速に対応する東京都CCUネットワークに加盟する施設として「24時間365日できる限り断らない救急医療」を目標に掲げております。府中市内はもちろん、隣接する多摩市や日野市、稲城市、調布市、国立市、国分寺市などから患者さんが数多く搬送されてきており、応需率の向上を使命と感じています。加えて地域の先生方にとって 、利便性の高い病院であることが求められているとも実感しております。クリニックなどで患者さんに入院加療や手術が必要だとご判断された際に、どこに紹介するのがスムーズかと迷われるケースも多いのではないでしょうか。その際に当院ができる限り断らず受け入れ、先生方と患者さん、双方にとって満足度の高い医療へとつなげたいと考えています。

ハートセンターや脳卒中センター、消化器病センター併設ですね。

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患者さんを適切な医療につなげるには、専門性の可視化が大切です。ハートセンターでは心筋梗塞をはじめ虚血性心疾患のカテーテル治療、ペースメーカーによる徐脈性不整脈治療、先進の高速回転アテレクトミーを用いた治療などの他、慢性心不全治療にも注力しています。脳卒中センターは脳梗塞の血栓溶解剤(t-PA)療法や血栓回収術、内視鏡下手術や血管内治療(コイル塞栓術)などに対応します。消化器病センターは、上部・下部内視鏡をはじめ、消化器がんに対する内視鏡手術や腹腔鏡手術といった低侵襲治療が得意分野です。集学的治療としてがんの化学療法も施行し、放射線治療は他の医療機関と連携して行います。排便に関連する神経を継続的に電気刺激し、便失禁の改善を図る仙骨神経刺激治療法(SNM)にも取り組んでいます。

足の外科センター、スポーツ医学・人工関節センターもあるとか。

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2025年4月に新設した足の外科センターは、整形外科の中でも足首からつま先までの疾患や外傷が専門です。大学病院で長らく足の外科に携わってきた私の専門性を生かし、外反母趾や足首の変形性関節症、病的な扁平足といった疾患の他、アキレス腱断裂を含む外傷、踵やくるぶしの骨折などに対応しております。当院では従来より、スポーツ医学・人工関節センターにて、膝関節や股関節、肩関節の人工関節置換術などに対応してきましたが、足の外科センターにおける足の人工関節置換術が加わり、現在は、下肢すべての人工関節置換術を行える数少ない医療機関の一つとなっています。軟骨再生医療などの先端治療も取り入れていますが、 治療においては運動療法など保存療法を第一の選択肢としています。当院周辺には足の外科の専門施設が十分とはいえないかと思いますので、患者さんの紹介先としてお力になれれば幸いです。

病院運営にあたって特に注力されていることは何ですか?

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当院は信頼していただける医療の提供をめざし、日本医療機能評価機構より病院機能評価認定を受けましたが、引き続き医療安全と患者満足度の一層の改善に注力しています。その一環として医療安全の成果を測る指標に、インシデント・アクシデントレベル指数を用いています。事故が起きそうになったが未然に防げた場合はレベル0、何らかの事故が起きた場合は患者さんへの影響度に応じレベル1~5に分類し、その平均をレベル指数とします。発生事象を各部門代表の集まる医療安全管理委員会で検討、臨床に反映し、レベル指数1未満が現実的な水準になってきました。患者満足度については、丁寧な説明を含めた質の高い医療の提供、定期的な満足度調査の実施、患者さんからのご要望やご意見を積極的に取り入れる努力も行っております。また、職員のモチベーションや働きやすさも患者満足度に直結しますので、誇りを持って働ける職場づくりにも重きを置いています。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

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地域医療支援病院として、クリニックや在宅療養後方支援病院の皆さんとの連携をさらに強固にしていきたいと考えています。そのために当院では、地域の先生方と合同で症例検討などを行う医療連携の場「コーレアの会」を毎月開催したり、紹介元の先生に患者さんの診療内容や経過などをできる限り詳細に共有したりと信頼関係の醸成につながる取り組みに努めております。また、私が院長に就任してすぐに50施設ほどの連携医療機関にごあいさつに伺い、ニーズをヒアリングする機会をいただきました。先のお話と重なりますが、やはり地域の先生方は、大学病院とは役割の異なる「困ったときにすぐに頼れる病院」であることを当院に求めておられると感じています。私の大学病院での経験を生かしながらも、この地域における各医療機関の役割や近隣の市の医療状況までしっかりと把握することで、一歩一歩、よりニーズに応えられる病院へと改善を図ってまいります。

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仁木 久照 院長

1984年聖マリアンナ医科大学卒業。1990年同大学大学院博士課程修了。米国留学を経て、同大学の整形外科学主任教授、整形外科部長、副病院長、人工関節センター長などを歴任。2025年より現職。人工関節手術や足の外科、スポーツ医学をはじめ多分野に高い専門性を有する。日本整形外科学会整形外科専門医。日本足の外科学会理事長、日本関節病学会理事長。聖マリアンナ医科大学名誉教授。医学博士。

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