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医療法人社団新愛会 東府中病院

(東京都 府中市)

十蔵寺 新 名誉院長

最終更新日:2020/11/25

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妊婦の多様なニーズに応える産科の基幹病院

1972年に、米国式産科を地域医療に役立てるべく創設した「東府中病院」。「医は愛」を基本理念に掲げ、地域の産科および女性診療科の基幹病院として、安全・安心な医療ときめ細かな看護をめざして、長年地域医療に貢献してきた。開院当初から、産婦人科の医師による分娩、小児科の医師による新生児ケアなど、「赤ちゃんと母親のための総合医療」を提供し続けている。2019年10月からデイケアやショートステイなどの産後ケアも開始した。産婦人科のほかに内科・小児科もあり、今では地域ではなくてはならない「安心してお産ができる病院」へと成長を遂げた。少子化、妊婦の高齢化など、結婚・出産・育児を取り巻く環境はより複雑になるなか、「出生率は1.4と微増しているものの、日本の国力を維持するためには1.8~2.0が必要です。当院も21世紀の産婦人科として、妊婦さんの多様なニーズに対応すべく、努力を続けてまいります」。そう語る十蔵寺新名誉院長に、病院の特徴や診療方針、多摩地区の産科の基幹病院としての役割などについて聞いた。
(取材日2017年1月27日/情報更新日2020年2月4日)

病院の歴史や特徴について教えてください。

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当病院を開業した1972年当時は、お産は助産師さんが主導で、何か異常があった時だけ医師が介入すればよいという考え方が一般的でした。しかし、私はアメリカ式の産科学として、「お産はすべて医師が行う」ということを聖路加国際病院で叩きこまれていましたので、従来の産科の発想とは異なる、アメリカ式産科を地域に導入しようと考えました。何かアクシデントがあった時の対応力は、当然のことながら、正常産を行えば行うほど訓練できます。産科は、お産のリスクを予知し、母子の緊急事態にいつでも対応できる専門の医師がそろっていることが最も重要です。今で言うチーム医療ですが、当院は私を含め、経験豊富な産婦人科の医師3名と新生児に対応できる小児科のドクター1名の、合計4名体制でスタートしました。最初から最後まで医師が担当する、安心・安全に配慮したお産で、開業からわずか5年で数多くの出産を見届けることになりました。

貴院のモットーや強みを教えてください。

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当病院のモットーは、「医は愛」の精神です。もともとは中国の言葉ですが、僕の医療理念を一言で表す言葉だと思っています。医師はもちろん、妊婦さんに寄り添い、ケアをする助産師や看護婦も、同じ心がないといけません。産婦人科は、お母さんと赤ちゃんという、二つの生命を預かる特殊な科です。赤ちゃん誕生の瞬間から、家族関係がうまくいくようにサポートするのも我々の役目。お母さんたちが「この病院で産んでよかった」と思える環境整備にも力を入れており、職員全員が「医は愛」の心で、仕事に取り組んでいます。もう一つ大事にしているのは和顔愛語の心。これは仏教用語で、相手の顔や目を見て、優しい言葉で話しかけるなど、密なコミュニケーションが人との関係性をよくするという意味です。当院は女性医師が多いことも大きな特徴です。出産・育児経験のある女性医師も多く、親身できめ細かな医師・スタッフの対応が一番の強みでしょう。

地域の中ではどのような役割を担っていますか。

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当地区の産婦人科の基幹病院として、先進の医療機器を導入した安心・安全な医療と、きめ細かで親身な看護の提供をめざしています。40床という病床数は産婦人科単科病院としては規模が大きく、毎月多くのお産を扱っています。先日調べたところ、開業以来、実に3万2600人の赤ちゃんが当院で誕生したことがわかりました(1972年2月~2017年1月)。診療域は年々広がり、世田谷区や調布市、西東京市、立川市、八王子市、多摩市からも、当院で分娩を希望される方が増えています。緊急帝王切開や、双子の分娩が可能なほか、希望があれば無痛分娩にも対応できるなど、質の高い医療の提供に努められていることがその理由だと考えています。産後は基本的に窓のある広い個室でお過ごしいただき、提供する食事もこだわっています。ただし、リスクの高い患者さんは決して無理をせず、連携する大規模病院に搬送するなど、安心・安全なお産が第一です。

地域の医療機関との連携に、特に力を入れていると伺いました。

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病病連携は病院創設当時から重要視していました。産科というのは正常に経過してしまえば何でもありませんが、何かアクシデントが起こった時には、その対応がよほど迅速でないと時機を逸して、母体を死なせてしまうことになります。だからこそ、病病連携は非常に重要なのです。母体のリスクが非常に高いと判断した場合は、高度医療に対応できる杏林大学や多摩総合医療センター、日本医科大学多摩永山病院などに速やかにご紹介します。新生児は世田谷区の国立成育医療研究センターにお願いしています。自慢するようですが、48年間に医療事故を起こしたことは一度もありません。安心・安全を第一に考えた、地に足のつく医療をしてきた賜物だと考えています。

ママたちへのサポートでこちら独特のプログラムはありますか。

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昔は「妊娠してしまえば、3食昼寝付きで動かない」などという、誤った常識があったものですから、太ってしまい、糖尿病になる妊婦が続出した時期がありました。その認識を変えるために、楽しい雰囲気で体を自然に動かせるマタニティ・ビクスを取り入れました。妊婦にとって運動がいかに大切かを伝えることがとても大事だと思ったので、専用エアロビクススタジオまで作りました。今では、インストラクター指導のもと、産前のマタニティ・エクササイズ・フラ・ヨガにはじまり、産後のアフター・エクササイズなどまで多数開講しています。近年は出産年齢が上がっているので、マタニティ・ビクスを通じて適度な運動を心がけてほしいですね。この他、ドクターから直接話が聞ける母親学級やベビーマッサージ教室、管理栄養士によるプレママ・クッキングなども充実しています。これらのイベントをママ同志のコミュニケーションの場としてもご活用ください。

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十蔵寺 新 名誉院長

日本医科大学卒業後、京都府立医科大学医学博士学位取得。聖路加国際病院産婦人科勤務を経て、米国ジョンズ・ホプキンス大学留学。がん早期発見のための細胞診の研究を修める。帰国後、癌研付属病院産婦人科勤務を経て、1972年府中市に、産婦人科、内科、小児科の東府中病院を創設。日本産婦人科学会産婦人科専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医。

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