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医療法人社団 永生会 永生病院

(東京都 八王子市)

飯田 達能 院長

最終更新日:2022/05/16

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地域の回復期・慢性期医療を支える専門病院

京王高尾線めじろ台駅から徒歩8分の閑静な住宅地にある「医療法人永生会 永生病院」。高齢者医療を専門とする病院として1961年という早い時期に開設された同院は、時代の流れに伴い回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟、精神科病棟の設置。その他、同法人内には内科、整形外科のクリニック、訪問看護ステーション、通所・リハビリテーション施設を持ち、関連施設と連携しながらさまざまな機能を整えることで地域の高齢者医療のニーズに応えている。人口56万人を抱え、全国でも高齢化率の高い八王子市を含む南多摩医療圏の高齢者医療を担う同院。「医療・介護を通じた街づくり・人づくり・想い出づくり」を理念に掲げ、亜急性期から回復期、慢性期、そして在宅医療までを一貫して支援する体制を整え半世紀以上にわたって地域の高齢者を支援し続けている。地域全体が連携して取り組む高齢者医療の中心的存在として、病棟の大規模なリニューアルやそれに伴う職場環境の改善など、新たなミッションに挑む飯田達能院長に同院の特徴や今後の展望などの話を聞いた。(取材日2022年4月11日)

医療におけるこの地域の特色を教えてください。

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2022年のデータによると、八王子市の高齢化率は27.53%とかなり高く、4人に1人が65歳以上です。八王子市、町田市、稲城市、日野市、多摩市の5つの市で成る南多摩医療圏は、全国に335区域ある二次医療圏の中で、脳血管疾患、認知症、がんや心疾患、糖尿病、転倒骨折といった高齢化に伴う疾患数で上位に入っています。なおかつ、隣接する神奈川県相模原市は、高齢化に伴う疾患数の増加率が二次医療圏で上位に入る地域です。このような状況の中では、やはり高齢者に対する回復期、慢性期の医療ニーズが高く、当院が地域の中核となって注力している分野です。当院では、内科、整形外科、神経内科、リハビリテーション科、精神科の診療科に、一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟、介護療養病棟、精神科病棟、障害者施設病棟、心身合併症病棟の8つの機能548床を備え、地域の要望に応えています。

こちらの病院が持つ病棟の特徴について教えてください。

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一般病棟では、高齢者に多い転倒骨折や腰椎、脊髄の圧迫骨折などに対応しています。できる限り手術をせずに済むよう心がけていますが、どうしても必要な場合は整形外科一般病棟に入院していただくことで手術にも対応します。また、障害者施設棟は一般病棟ではありますが、歩行が困難になった身体障害者等級2級相当以上の方の入院割合などにおいて施設基準が設けられており、できる限りの治療と検査、リハビリテーションを行える体制を整えています。当院の向かい側にある「永生クリニック」の外来を受診し、緊急入院が必要との判断になった場合もこの病棟への入院が可能です。また、回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や整形外科の膝より上の手術を要する疾患など限られた状態の方のリハビリテーションを積極的に行う病棟です。できるだけ短期間で集中的にリハビリを行い自宅や施設の生活に戻ることを目的としています。

他の病棟についてはいかがでしょう。

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もう一つの回復期の病棟に地域包括ケア病棟があります。ここは60日以内の入院に限られますが、回復期リハビリテーションと異なり、入院するための病名に縛りがありません。ですから、クリニックで食思不振などと診断されれば、入院して点滴を受けて、リハビリをして家へ帰る、そういったところの受け皿になることもできます。全国には数多くの地域包括ケア病棟、病床がありますが、その8割から9割は急性期病院の中にあるとされます。当院のように回復期、慢性期の病院が地域包括ケア病棟を立ち上げるためのハードルは高く、実現している病院は少ないのが現状です。急性期病院の場合、在宅から直接地域包括ケア病棟に入院することはまずないと思いますが、当院の地域包括ケア病棟は、訪問診療や施設、クリニックなどからの紹介で入院するケースが2~3割という特色があります。地域にとって使い勝手の良い病棟が、当院にはあるということですね。

地域の高齢者ニーズにしっかりと対応されているのですね。

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療養病棟には健康保険が使える医療療養病棟と介護保険が使える介護療養病棟がありますが、この介護療養病棟を介護医療院へと転換させる取り組みを国が推進しています。当院もそのための改修をしていましたが、病棟に新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生するなど苦しい期間がありました。しかし、そのおかげで陽性者を受け入れる治療棟を2021年2月に開設することができました。回復期、慢性期の病院で、陽性者を受け入れるところは少ないと思います。たまたま改修のために空いた病棟ですが、これを活用し地域のために尽くさなくてはいけないという思いで立ち上げました。介護医療院への転換時期は遅れましたが、今年の4月に2つの病棟のうち1つを介護医療院に転換、障害者施設病棟には専門の医師によるパーキンソン病センターも立ち上げています。また、身体拘束ゼロを原則とする精神科、心身合併症棟は認知症の方に優しい病棟といえるでしょう。

最後に、今後の抱負をお願いします。

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現在、当院では認定介護士制度の立ち上げを計画しています。認知症の対応に優れ、言葉の暴力や身体抑制などを発生させないための知識や院内感染症対策や転倒骨折等の医療事故防止の知識を身につけ、当法人の理念とも関係しますが、当院に入院してよかったと「想い出」をつくれるような介護士を育て認定しようという試みです。介護保険の病棟勤務の介護士には国から処遇改善加算が付与されますが、医療保険の病棟勤務の介護士にはそれがありません。当院では、その不公平を是正するために病院の持ち出しで同様の待遇を実現しています。

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飯田 達能 院長

1984年日本大学医学部卒業後、同大学医学部第2内科(循環器科)に入局。国立循環器病研究センターの腎高血圧内科にて研鑽ののち、日本大学医学部大学院生化学教室修了、同教室での臨床経験を経て、1991年に永生病院内科に入局。同病院の医局長を経て2003年に院長就任。2018年4月の「みなみ野病院」設立と同時に院長就任。2020年6月より現職。

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