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医療法人社団玉栄会 東京天使病院

(東京都 八王子市)

別役 徹生 院長

最終更新日:2021/12/02

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地域医療を支え 睡眠時無呼吸の治療で特色

JR西八王子駅から車でおよそ20分。豊かな自然が残る八王子市北西部の河岸に建つ「東京天使病院」は開設から60年近い歴史を持ち、現在は介護老人保健施設も併設した地域密着型の病院として信頼を集めている。この地域唯一の救急医療機関として急性期の患者を受け入れる一方、睡眠時無呼吸症候群の治療にいち早く取り組み、八王子市街地に設けた専門のクリニックと一体で実績を上げている。病院の現況と特徴を、別役徹生院長に聞いた。(取材日2016年12月27日)

まず、病院の概要を教えてください。

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内科・循環器内科を中心とした病床数122床の病院で、八王子市の北西部で唯一の救急医療機関です。1960年の発足時は精神科単科で、長らく療養型の病院でしたが、1993年に新病棟を建設したのを機に地域密着型の病院へと転換。以来、入院を要する急性期医療や生活習慣病の予防と治療、さらに回復期のリハビリテーションにも力を入れてきました。入所・ショートステイ・デイケアに対応するグループの介護老人保健施設と直結しており、さらに隣接地には有料老人ホームがあるため、これら施設に対する医療面のケアも担当しています。また、検査設備を充実させていて、MRIによる脳ドックにも八王子市内で先駆けて取り組んできました。現在は1.5テスラのMRIや64列マルチスライスCTを備え、人間ドックも週4回実施しています。冠動脈CT、大腸CT、胃内視鏡、大腸内視鏡などの検査も行っており、手術が必要であれば、他院にお願いしています。

病床の内訳はどうなっていますか。

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看護基準10対1の一般病床が37床、脳卒中や骨折などからの回復期リハビリテーション病棟に47床、2014年に新設した地域包括ケア病棟が36床、さらに睡眠時無呼吸症候群の検査用の2床です。回復期リハビリテーションでは入院生活が半年間にわたることもありますので、なるべくゆったりお過ごしいただける環境を整えています。風景画が得意な老健施設長の作品を院内の随所に掲げているほか、棚やテーブルには生花のアレンジメントを絶やしていません。また当院は、上から見ると3棟がY字型に集まる構造になっていますが、その真ん中は吹き抜けの中庭になっているため光がよく差し込み、病院の建物らしくない開放感があります。建物外に出ても、敷地のすぐ裏手に北浅川が流れるという水と緑の豊かな場所で、リハビリ中の方がスタッフと近隣の散歩を楽しむ姿がよく見られます。

慌ただしさを感じさせない、アットホームな雰囲気ですね。

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当院からおよそ10kmの範囲に中核病院が2つあり、中でも東海大学医学部附属八王子病院からは非常勤医師の派遣を受けるなど緊密な連携を取っていることから、高度医療が必要な場合には、大学病院にお願いしやすい環境です。一般病棟への入院は、この近隣の開業医の方からの依頼が多く、在宅療養中の患者が肺炎を起こして点滴が必要になったケースや心不全が悪化し全身管理が必要になったケース、終末期を迎えて病院で看取るケースなどを受け入れています。また、ご自宅で酸素吸入などを続けていても身近に介助者がいない例が少なくないため、このほど訪問看護も開始しました。なるべく慣れ親しんだご自宅で療養いただけるよう、当院のリハビリスタッフもADLの回復と入院期間の短縮に努めているところですが、さらに訪問診療の実施や入所施設の紹介など、病院外での生活をサポートする機能を強化していく必要があると考えています。

疾患別では、睡眠時無呼吸症候群の治療に力を入れていますね。

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当院では1泊2日の入院で就寝中に数十個のセンサーを使って脳波や呼吸、心電図などを測定する本格的な検査「ポリソムノグラフィー(PSG)」が受けられ、この病気の治療実績では八王子でも特に多いと自負しています。2016年12月現在、月に1000人を超える睡眠障害の患者を診ており、本院にPSGの設備を備えるほか、交通の便がよい京王八王子駅前の「東京天使病院附属駅前クリニック」でも週4回の外来診療を行っています。具体的には、初診後にご自宅での簡易検査と、本院でのPSGを実施。治療を要する方にマウスピースや鼻に装着する「CPAP」と呼ばれる呼吸器を使って、眠っている間の気道を確保します。睡眠時無呼吸症候群の主要な症状としてはいびきや夜間の頻尿、日中の眠気が知られますが、就寝中の血圧上昇に伴って脳卒中や心臓病のリスク上昇や認知症の悪化も生じうるため、自覚症状がなくても重症な方には治療を勧めております。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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まずは引き続きこの地域から信頼され、満足される病院であることをめざします。それには、当組織でできることをしっかりやり、八王子の他の施設との連携を充実させ、八王子の市民の幸福増進に貢献できればと思っております。当院の強みは、私を含めて循環器内科出身の医師が多く、循環器疾患の診断、生活習慣の改善、術後のフォローアップや高齢者の全身管理を手厚く行える体制でありますが、まだまだ、地域の方の認知度は十分とは言えず当院の機能を地域の方に役立てていただくためにも情報発信をしていかなくてはいけないと考えております。当院からさほど遠くない場所には行楽地として名高い高尾山があり、また当院の敷地内には温泉が湧いています。検査設備もそろっており、今後はこうした資源を生かして、人間ドックのメニューもいっそう充実させていけたらと思います。

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別役 徹生 院長

北海道出身。1989年に北海道大学医学部を卒業、同大学循環器内科学教室に入局後、札幌市周辺の病院で不整脈や心筋梗塞のカテーテル治療に従事する。国立病院機構北海道医療センター循環器内科医長などを経て、2011年10月から東京天使病院に勤務。2012年4月から現職。循環器疾患のほか、関連が深い睡眠時無呼吸症候群の診断・治療でも多くの実績を持つ。

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