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医療法人社団清智会 清智会記念病院

(東京都 八王子市)

横山 智仁 理事長

最終更新日:2022/12/22

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救急とリハビリに注力し、安心できる医療を

八王子駅から歩いて6分の場所にある「清智会記念病院」は、中等症の患者を受け入れる2次救急医療を行う一方、リハビリにも力を入れている。救急医療は24時間365日体制で、また重症患者を地域一体で支えていくために、3次救急病院からの転送依頼も迅速に受け入れる。リハビリスタッフは年々増えており、現在、3職種で計29人が在籍。特に、言語聴覚士によって飲み込みの障害の改善を図れることが特徴だ。救急や消化器内科の分野で研鑽を積んできた横山智仁理事長は、患者が安心できる地域の実現をめざしている。「外来診療では丁寧にご説明して患者さんの不安を払しょくし、また救急や開業医との連携などの体制面も整え、両面から地域の方が安心して暮らせるようにしていきたい」と話す。病院のあり方への思いや取り組みについて聞いた。(取材日2017年5月9日)

まずは病院の成り立ちについてお聞かせください。

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当院は僕の父が1987年に「横山記念病院」として開院し、2002年に現在の院名に改めました。今でこそ八王子市には東海大学医学部付属八王子病院と東京医科大学八王子医療センターがありますが、当時は東海大学がなく、また一般的に大学病院は救急医療を行わない時代でした。その一方、地域の方は緊急時に診てくれる病院がいないと不安ですから、父が「駅に近くて救急医療に力を入れる病院をつくろう」としたわけです。当院は中等症の患者さんを受け入れる2次救急医療機関として、24時間365日体制で救急医療を行っています。重症患者さんに対応する3次救急病院からの転送依頼を迅速に受け入れることも大切にしていますね。3次救急病院のベッドが満杯だと一刻も早く治療を行わないといけない人を助けられなくなり、また慢性期病院は満床のところが多く転院しづらいので、当院がクッションになりたいと考えているのです。

救急のほか、リハビリも重視しているとお聞きしました。

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一般の方からすれば相反するイメージを持たれやすいかもしれませんが、救急とリハビリは密接に関連しています。救急で運ばれて入院した場合、特にご高齢の方は適切にリハビリをしないと状態が悪化しやすいのです。例えば片方の脚を骨折して手術を行う場合、早期にリハビリスタッフが介入して健康な足を鍛えておくことで、術後の離床やリハビリがスムーズになります。また開院以来、リハビリスタッフを年々増やしていて、現在は理学療法士19人、作業療法士6人、言語聴覚士4人の計29人が在籍。3職種がそろっている病院は少なく、特に言語聴覚士がいることで飲み込みの障害も改善をめざせることが特徴と言えるでしょう。また当院は一般病棟、ハイケアユニット、地域包括ケア病棟を備えるケアミックス病院であり、病状のステージが変わっても、入院から在宅復帰まで同じ主治医が担当することができます。ケアミックスと救急を両立させていることも特徴です。

地域連携としてはどのような取り組みを行っていますか?

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地域のクリニック、つまり開業医との連携を大切にしています。ご高齢の方の軽度な肺炎など、大学病院で対応するほどではない、または開業医にとっては大学病院に紹介しづらいケースについて当院に入院を依頼されることが多いのですが、当院で対応できる診療内容については基本的にお断りしないようにしています。救急医療もそうですが、クリニックをバックアップしないと結果的に市民の方が安心できないと考えているんですね。また、市民とのつながりという観点で言えば、無料の市民公開講座を定期的に開催して、病院や救急の役割などについてお伝えするようにしています。病院と市民の相互理解が大切だと思うんです。例えば、当院は24時間365日体制で救急を行っていますが、人員にはどうしても限りがあり、病気や症状によっては対応の難しいものもあるので、一度電話で問い合わせていただきたいなど、医療の利用の仕方を知っていただけると幸いです。

先生は救急と消化器内科が専門。運営にも生かしているのですね。

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そうですね。当院では消化器内科・外科ともに診療科として力を入れていて、内科で言えば、吐血や下血、胆のう炎や虫垂炎の診断・治療、内視鏡治療を積極的に行っています。救急隊の方に困っていることがないかとお尋ねした時に、吐血や下血の搬送先が少ないことを嘆かれていたのです。消化器内科の医師として僕自身が熟知している分野でもあるので、そうであるならばと、できる限りお断りしないようにしています。消化器外科では東邦大学医療センター大橋病院の医師に外科部長を務めてもらうなどして連携を図っています。また、僕の専門ではありませんが、耳鼻咽喉科を標榜し、毎日診療しているのも病院としては珍しいのではないでしょうか。東京医科大学八王子医療センターの医師が日替わりで担当してくれています。市民の方の「耳鼻咽喉科が少ない」という声を受けて昨年開設しました。

理念である「初診時の不安を取り除く」意味をお聞かせください。

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初診時に患者さんはどんな医師なのかわからないので、大きな不安を抱えています。ですから、患者さんの性格なども踏まえながらコミュニケーションを図っていき、退院までどれくらいかかるかなど、疑問に思われやすいことを一つずつお答えして、不安を解消してもらえるように努めています。といっても、僕も普段は人見知りなので緊張しているんです。何度かお話をする中で「先生がこんなにお話される方だとは」と意外に思われることもあります(笑)。当院の役割は、八王子市の人が安心して暮らせるようにすることだと思います。「初診時の不安を取り除く」をモットーとした診療、救急や開業医との連携など病院の体制の両面からアプローチしてトータルで患者さんの不安を取ってあげたい。労力の必要なことであってもそれらを進んでやっていくことが、他院にはない当院の特徴になっていきます。これからも患者さん、市民の声に耳を傾けて進化していきたいですね。

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横山 智仁 理事長

2003年に東京医科大学を卒業。同大八王子医療センター、杏林大学の救命センターで救急・麻酔分野を学んだ後、消化器内科に転科して研鑽を積む。2012年に父が開院した清智会記念病院に戻り内視鏡治療を中心に勤務、2014年に理事長に就任。日本救急医学会救急科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医などの資格を持つ。

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