全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,986件の情報を掲載(2024年3月28日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 八王子市
  4. 八王子駅
  5. 医療法人財団中山会 八王子消化器病院
  6. 小池 伸定 病院長

医療法人財団中山会 八王子消化器病院

(東京都 八王子市)

小池 伸定 病院長

最終更新日:2024/02/07

Main z55019 20231207 0005Main z55019 20231207 0005

地域に根差した「おなかの主治医」

新型コロナウイルス感染拡大下の息詰まるような日々が、少しずつ落ち着きを見せ始めた2022年4月、「八王子消化器病院」の小池伸定病院長は一つのアイデアを出した。「院内の壁面にホスピタルアートを描いてはどうか」。街は以前の日常を取り戻しつつあったが、同院がロビーのグランドピアノで長年開催してきたコンサートは感染症対策で休止となったまま。ホスピタルアートのアイデアは、「地域とともに歩んできた病院として、つながりを取り戻すような取り組みをしたい」「ほんのひと時でも、病院にいることを忘れて穏やかに過ごしてほしい」という小池病院長の想いの表れだった。これまでの同院の歩みや、地域で存在感を発揮する専門的な医療への取り組み、そして同院の地域への想いが紡がれた地階の壁を彩る壁画について、小池病院長に話を聞いた。(取材日2023年12月7日)

病院の沿革についてお聞かせください。

1

1983年、「医療法人財団聖仁会 中山記念胃腸科病院」として八王子市子安町に開設したのが当院の始まりです。1996年に現在の名称に改称し、2002年に現在の八王子市万町に移転しました。開設者は、消化器外科診療において数々の実績を残した中山恒明初代理事長です。中山初代理事長は、東京女子医科大学に消化器病センターを開設したほか、現在の専門医制度のベースとなる教育システムを構築するなど、若手の育成にも尽力されました。私が医師になった頃にはすでに引退されていましたが、理念である「患者様のための医療」は歴代の理事長・病院長に脈々と受け継がれ、2017年に病院長になった私も「すべての医療行為は目の前の患者を助けるために行う」という精神を継承して患者さんと向き合っています。

どのような特徴を持つ病院ですか?

2

当院の特徴を端的に表すなら、大学病院の消化器外科・内科部門が独立したような病院です。98床の入院施設と、内視鏡や大腸CTなど充実した検査機器、さらには消化器系のがんに対する早期低侵襲手術から化学療法、疼痛管理まで一貫してできる体制を備え、近隣の多くの医療機関から患者さんの紹介を受けています。他の疾患で別の病院に入院中の患者さんに消化器疾患が見つかった場合など、当院で精密検査や手術などを行い、病状が安定した段階でお戻しする連携の仕方が多いですね。地域のクリニックからご依頼を受けて内視鏡検査やCT検査を行うこともよくあります。プライマリケアを担う地域のクリニックや、専門領域が異なる病院では対応が難しい検査や治療をお任せいただき、地域医療の拠点として機能することが私たちの役割だといえます。

がんの検査・治療にも注力されていると聞きました。

20240129 3

消化器疾患で最も怖いのは”がん”です。がんのうち約半数は胃腸をはじめ食道、肝臓・胆嚢・膵臓といった消化器系のがんだといわれていますから、当院も早期発見・早期治療をミッションとして取り組んできました。日本消化器外科学会消化器外科専門医や日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を有した医師が数多く在籍しており、質の高い検査・治療の提供に努めています。検査の待ち時間を減らすため、CT診断装置を2台に増やすなど検査体制も強化してきました。内視鏡で胆管・膵管を調べられるERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、範囲の広い早期がんを内視鏡下で切除できるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も多く実施しています。また、化学療法を専門に行う外来も開設しており、診断から治療まで一貫して当院で提供することが可能です。

終末期への対応も始められたそうですね。

4

がん治療は日進月歩で、昔なら開腹手術であったものが内視鏡で対処できるようになったり、早期発見できれば治癒も望めるがんが増えたりしています。一方で、残念ながら進行して見つかり、治癒が見込めないがんについては、いつか来る最期のときまでどう暮らすか、そして最期のときをどう迎えるかについて患者さんと一緒に考えていかなくてはなりません。私たちには、医師として、また一人の人間として、関わった患者さんの人生を見届ける責任があると思うからです。治療して回復をめざす患者さんと終末期を生きる患者さんでは、時間の流れがまったく違い、院内で一緒に診ていく難しさがあるのは確かです。それでも、在宅療養やホスピス以外に当院を選んでくれた患者さんのために、より良い環境を模索していきたいですね。また、在宅医療を希望される方には、近隣にある在宅専門のクリニックと適宜連携し、患者さんの選択をサポートしています。

最後に、地域へのメッセージをお願いします。

20240129 5 012 300041

私たちは、地元の皆さんの「おなかの主治医」です。市の健康診査や、胃がん内視鏡検診、人間ドックなど、予防医療にも注力していますので、何かあればお気軽にご相談ください。なお、検査の際にお使いいただく地階の放射線科フロアには、2022年から東京造形大学の学生の皆さんと取り組んできた「癒やしの壁画」が飾られています。八王子の四季を描いたちぎり絵の原画を拡大印刷し、ちぎった色紙を重ねて完成させたもので、病院とは思えないほど優しく穏やかな空間になりました。地域に根差した消化器疾患の専門病院である当院と、地域の大学の学生さんとが一緒に取り組んだことにも、大きな意義と価値があったと感じています。病院にいる不安や悩みを一時でも忘れていただける空間になっていますから、ぜひご覧になってください。当院はこれからも、壁画に描かれた八王子の一角で、地元の皆さんのため地域医療にまい進してまいります。

Main z55019 20231207 0005

小池 伸定 病院長

1994年徳島大学医学部を卒業後、東京女子医科大学消化器病センターにて6年間の臨床経験を積む。2年間八王子消化器病院で勤務した後、アメリカの大学病院に留学。その際の論文により医学博士号を取得。帰国後に八王子消化器病院に戻り、副院長を経て、2017年4月より現職。地階のホスピタルアートが経年劣化で剥がれ始める日が来たら、「次は患者さんと一緒に色紙を貼ってみたい」とも。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/5万5000円〜

access.png