医療法人社団八九十会 高月整形外科病院
(東京都 八王子市)
稲見 浩平 理事長
最終更新日:2020/11/25
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整形と形成を融合させた専門性の高い医療
約40年前に「手の外科」という特殊な領域のみを専門にして開設されたのが「医療法人社団八九十会 高月整形外科病院」だ。人の手の重要性を鑑み、整形外科と形成外科を融合させることで機能と見た目の両方を回復させる治療により、これまで多くの患者を救ってきた。現在は手の外科に加えて、脊椎脊髄疾患や関節疾患、リウマチ疾患やスキンケアなど、整形外科と形成外科分野を中心に幅広い診療に取り組んでいる。メディアに取り上げられることも多い同院を率いる稲見浩平理事長は、長年研鑽を積んできた手の外科に加え、日本形成外科学会形成外科専門医として幅広く診療にあたる傍、より良い医療を提供するための病院運営にも力を注いでいる。「病院が一丸となって、困っている人を助けていきたい」と語る稲見理事長に、同院について詳しく教えてもらった。
(取材日2017年12月27日)
こちらは、どのような病院ですか?
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1991年に先代の理事長で当院の創設者でもある山口利仁先生が、手の外科の専門病院として開業したのが始まりです。整形外科と形成外科を融合させて治療にあたるというのが、その頃からの当院のスタンスです。その後に診療分野も徐々に増えて、現在は、整形外科や形成外科などの一般診療に加えて、手の外科や脊椎脊髄疾患、膝や股関節などの関節疾患、リウマチ疾患などには専用の外来診療窓口を設け、専門的な診療を行っています。常勤の医師に加えて、非常勤の先生方の協力も得ながらそれぞれ専門性の高い医師による分野別の診療を心がけています。それほど規模が大きくない病院ですが、その中でも手の外科については、24時間365日切断指や骨折などの救急疾患を全体的に受け入れるようにしています。アクセスもあまり良くありませんが、専門的な治療を求める患者さんが、遠くからもたくさんおみえになっていただいております。
手の外科について、もう少し教えていただけますか?
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肩から下の部分、腕、肘、手首、指などの上肢全体が対象です。手や指には鋭敏な知覚があり、脳との間に複雑な情報のやり取りを行っています。さらに手の骨や関節、それらを取り巻く筋肉や腱・神経・血管などがたいへん複雑な構造で配置されていますから、その再建や治療はとても難易度が高い分野です。また、手というのは、特に日本人をはじめとしたアジア人は、例えば拝んだりすることで手を見せることが多いですから、機能の回復だけでなく見た目も気になります。整形外科と形成外科それぞれの分野の利点を融合させ、機能と見た目の両方を回復させるのが当院の理念です。ケガや骨折などの急性期の治療とリウマチや神経性疾患、変形などの慢性疾患を治療しています。当院には、手の外科を専門とする医師が常勤で3人、非常勤も含めると8人おり、基本的には毎日、専門の医師による診察が受けられる体制を整えています。
脊椎脊髄の外科についても教えてください。
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腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症をはじめとする脊椎脊髄疾患の専門的な治療を行っています。整形外科領域の中でも腰痛や肩こりなど、いわゆる脊椎に関する訴えは非常に多いですから、重要な分野の一つです。当院の脊椎脊髄病部門では、メディアなどでも活躍している田村睦弘先生に部門長になっていただき、外来治療から各種検査、安静・リハビリ入院、低侵襲手術から根治手術、さらには術後診療にいたるまでのトータルな医療を提供しています。その中でも、もっとも特徴的なのが内視鏡による手術です。当院では田村先生が、先進のハイビジョン脊椎内視鏡システムを用いた手術を積極的に行っています。腰椎椎間板ヘルニアの場合、手術時間は1時間前後と短く、傷も2センチ程度で、入院も3〜4日で済むことが多いです。非常に高い技術が要求される手術なので、全国でも行っている施設が少ないのが現状です。
ほかの診療については、いかがですか?
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関節外科の分野では、肩・肘・膝・股関節などの変形性関節症や膝半月板損傷、前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷などのスポーツ外傷、骨折や脱臼など外傷全般の治療を行っています。リウマチの診療では東京女子医科大学と慶應義塾大学の内科、整形外科の先生方においでいただき、リウマチ専門の外来診療を行っています。ほかに、スキンケアにも取り組んでいます。病院は病気やケガをしたときに来るところですが、しみやしわを取るといったスキンケアは少し異なり、楽しみを持って病院にいらっしゃることができるんです。そういうことを望んでいる方たちにも、もっと当院を利用してもらえれば、痛いとかつらい思いをしながら通院をしている患者さんたちの気持ちも、少しは助かるのではないかと思っています。あと地域連携ですが、地域の先生方からの紹介の患者さんもできるだけ受け入れて、困っている部分を治療してからお戻しするということにも取り組んでいます。
今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。
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まずは先代の理事長が作り上げてきたものを継承し、継続できるように努力をすること。その中で、例えば100人の患者さんがいたら、そのうちの一人の患者さんは、医師にとっては100分の1かもしれません。でも、患者さんにとっては1分の1だということを忘れずに診療にあたらなくてはなりません。そして当院には、いろいろな分野で専門性の非常に高い先生に来ていただいて診療をする中で、困っている人に手を差し伸べると言いますか、そういうことにみんなで一丸となって取り組んで行くことが大切だと思っています。当院のことを手や脊椎・脊髄の疾患しか診療をしない病院だと思っている方もいらっしゃいますが、手に限らず、整形外科・形成外科それぞれの領域の幅広い疾患に対応し、より良い医療が提供できるようにしていますので、お困りの疾患に関してお力添えできると思います。当院でお役に立てることがあれば、ぜひご利用いただきたいと思います。
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稲見 浩平 理事長
2000年東邦大学医学部卒業後、同大学形成外科学講座入局。同大学附属病院勤務、同大学特任講師、東京臨海病院の医長を経て、2013年に高月整形外科病院形成外科部長を務める。2016年8月より現職。専門は手の外科。日本形成外科学会形成外科専門医、身体障害者福祉法第15条指定医。