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社会福祉法人賛育会 賛育会病院

(東京都 墨田区)

賀藤 均 院長

最終更新日:2026/06/25

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墨東地区の小児科医療の中心的存在に

100年以上の長い歴史を持つ「賛育会病院」。産院としてスタートし、産婦人科・小児科を中心に、地域のニーズに応える形で、総合病院へと活動の幅を広げてきた。現在は「周産期・小児医療」を柱に、内科や外科が担う「成人・老年期医療」、緩和ケア部門が担う「終末期医療」とライフステージごとの包括的な医療を提供。2024年に就任した賀藤均院長は、小児循環器を専門とする。その経験を生かし、同院を墨東地区の小児医療の中心にと考え、医療的ケア児のレスパイト入院のさらなる充実や小児の訪問診療も視野に入れている。また、生涯を通じた包括的な医療の提供をめざす同院では、退院後も患者が安心して暮らせるよう精力的に在宅医療にも取り組んでいる。「原点である産科・小児科を守るとともに、今後は在宅医療や医療連携の強化など、超高齢社会に対応できる体制も強化していきます」と話す賀藤均院長に、病院の担う使命や、地域での役割、今後の展望について、思いを聞いた。(取材日2026年3月27日)

長い歴史のある病院だそうですが、その歩みを教えてください。

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当院は東京帝国大学キリスト教青年会(東大YMCA)の有志が、困窮する庶民のために始めた無料診療が原点です。1918年に「賛育会妊婦乳児相談所」、翌年の1919年には一般を対象とした本所産院を開設しました。戦火をくぐり抜け、町の歴史とともに歩んできた西館外来棟は2024年に取り壊されますが、当院で生まれた患者さんの中には、高齢になった今も通い続けてくださる方も少なくないと聞いています。時代とともに地域のニーズに応える形で、総合病院へと姿を変え、現在は、産科・新生児科の領域を担う「周産期・小児医療」、内科、外科、整形外科、耳鼻咽喉科、婦人科などを受け入れる「成人・老年期医療」、住み慣れた土地で最期を迎えたいという方を支える緩和ケア科などの「終末期医療」を軸に、患者さんが安心して受けられる医療を提供できるよう、取り組んでいます。

原点である「周産期・小児医療」の特徴について教えてください。

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産科・小児科は当院の大きな柱です。本所産院の開設以来、地域の分娩、妊産婦ケアに注力してきました。今も、医師も助産師も十分な人数を配置し、より良いお産をしていただけるよう、古くなった病棟を時代に即して整備していこうとしています。また、24時間365日体制で、夜間においても地域の医療機関などからの緊急母体搬送を受け入れています。最大の強みはNICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児回復室)を設置していること。呼吸管理を必要とする乳児や1500g未満の低出生体重児など、出生後すぐに専門的なケアが必要な赤ちゃんにも対応しています。2023年からはご希望の声に応え、無痛分娩も始めました。今後さらなる充実を図っていきたいと考えています。

先生のご専門である小児科では、どのようなことをお考えですか。

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常勤の小児科医師が10人所属している病院は、都内でも少ないとされています。小児の救急を断ることなく受け入れ、きちっとケアし、隅田川以東の区部の小児科医療の中心的存在となっていきたいですね。また少子化が注目される一方で、医療的なケアを必要とするお子さんは増加しています。そのご家族をサポートするために、今も医療的ケア児が一時的に入院するレスパイト入院を行っていますが、これを拡大し、ゆくゆくは車で往復30〜40分ほどの範囲で、小児訪問診療を実施できればと考えています。産科・小児科医療の不足している地域に人は住もうとしません。産科・小児科医療をきちんと守っていくことは、この病院の大きな使命であり、それが一番の地域貢献につながると思っています。

高齢者医療についてはどのようにお考えでしょうか。

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高齢化による疾病構造の変化に伴い、内科では一般内科疾患の診療に加え、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科をはじめとする各専門領域の診療にも注力しています。そのため、肺炎や心不全など高齢者に多い疾患にも24時間体制で対応しています。一方、重度の脳梗塞などについては、近隣の三次救急病院と連携して適切な治療へとつないでいます。さらに、急性期治療後は再び患者を受け入れ、自宅や施設にスムーズに移行できるよう退院支援も行っています。周辺に高度急性期病院がいくつも並ぶ地域だからこそ、他院との役割分担を通じ「生活を支える」役目を担っています。

在宅医療についてはいかがでしょうか?

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生涯を通じた包括的な医療の提供をめざす当院では、退院後も患者が安心して暮らせるよう精力的に在宅医療に取り組んでいます。大きな特徴は、高齢者だけでなく小児の訪問診療にも対応していること。昨今、医療的ケアが必要な子どもが増えていますが、医療の受け皿は決して多くありません。そのため墨田川以東の区部の小児科の中心的存在として、こうした子どもたちに対する医療と生活支援の充実をめざしています。併せて、家族の負担軽減を図るレスパイト入院に関しては、地域のニーズが非常に高いため、今後人員体制を強化しさらに対応していく予定です。今後も、地域の皆さんのご期待に応えられるよう、安心できる医療の充実をさらにめざしていきたいですね。

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賀藤 均 院長

1981年新潟大学医学部卒業後、東京大学医学部小児科学教室入局。トロント大学医科学研究所留学 、東京大学医学部小児科講師などを経て、2008年国立成育医療研究センターに赴任。2014年から2021年度まで院長を務めた。定年退職後、2022年より賛育会病院副院長を務め、2024年院長に就任。専門は小児循環器病学で世界水準の医療の推進に努めてきた。

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