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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立墨東病院

(東京都 墨田区)

足立 健介 院長

最終更新日:2021/07/16

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地域ニーズに応えながら専門的に医療を提供

2021年に開設から60周年を迎えた「東京都立墨東病院」。墨田区、江東区、江戸川区の約150万人の健康を支える病院として、重症患者を受け入れる三次救急医療、ハイリスク妊娠にも対応する周産期医療、精神科の救急医療などで重要な役割を担っている。がん診療連携拠点病院として、診療科の垣根を越えて複数の診療科が連携をとった集学的治療を提供しているほか、難病医療、障害者歯科医療、心臓病医療、脳血管疾患医療にも注力し、各診療がそれぞれ専門性の高い診療を行っているのが特徴だ。地域の医療機関との連携にも力を入れ、2020年には「患者・地域サポートセンター」を開設。入院前から退院までを円滑に支援する体制を整えた。2021年4月に院長に就任した足立健介先生は、「これまで以上に地域の医療機関の先生方や多職種の方たちと協力して地域の皆さまを支えていきたい」と展望を語る。コロナ禍においては、感染者の専用病床を拡充し、人員体制を整えることで多くの重症患者の治療にあたっている同院。地域のニーズに応え続ける病院としての使命について足立院長に聞いた。(取材日2021年4月9日)

病院のあゆみと特徴を教えてください。

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当院は、1879年にコレラへの対処のために建てられた「本所避病院」をルーツに、1961年に現在の「東京都立墨東病院」へと名称が変わりました。感染症の専門病院だった前身の開設から数えると、135年の歴史がある病院です。墨東病院としては2021年に60周年を迎えました。1978年に精神科救急の事業が始まり、2017年には救命処置が必要な妊産婦を受け入れる母体救命対応の総合周産期母子医療センターとなりました。都内に4つある高度救命救急センターのうちの1つとして、重症患者を受け入れる三次救急医療で「最後の砦」としての役割も担っています。そのほか、脳卒中や急性心筋梗塞などの5疾病、救急医療や小児医療などの5事業はもちろん、感染症医療、障害者歯科医療、災害医療などでも地域を支える役割を担います。

がん診療にはどのように取り組んでいらっしゃいますか?

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当院はがん診療連携拠点病院として、複数の診療科が連携し、化学療法を含む内科的治療、外科的治療、放射線治療に対応しています。地域にはがんの専門病院もありますが、重症の糖尿病、心疾患などのさまざまな基礎疾患を有する患者さんに対応できるのは総合病院である当院の大きな強みだと思います。婦人科、乳腺外科、形成外科、放射線科にはそれぞれ女性の医師が在籍しており、女性特有のがんの患者さんにとっても受診しやすいのではないでしょうか。私は消化器外科が専門ですが、外科医の立場からも当院での外科系診療をさらに強化していきたいと考えています。例えば2021年度中には手術支援ロボットを導入する計画です。そしてロボット支援手術を胃、大腸、前立腺の領域で治療をスタートさせます。さらに低侵襲な腹腔鏡手術を発展させていくことも改革の一つです。より一層、充実したがん治療を提供できるよう体制を整えていきます。

地域連携にも力を入れていらっしゃると伺いました。

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2020年10月に「患者・地域支援センター」を開設しました。患者(Patients)と地域(Regions)に根差したコミュニケーションの場(Public Relations)を意図することから、PRセンターとも表現しています。急性期治療を終えた患者さんの中には、筋肉が萎縮してしまって自宅に戻れない方や、リハビリが必要な方たちがいらっしゃいます。これまで急性期病院と在宅医療に携わる医療機関との狭間でお困りだった、そうした患者さんたちをサポートしていくのも当センターの役割です。最近では地域の調剤薬局の薬剤師さんたちとウェブ会議を行うなど、多職種交流の場としても機能しています。これからは、加齢にあらがうのではなく、「withエイジング」の時代。高齢者が地域で生活していくために、当院のような急性期病院も積極的に地域に働きかけていく必要があります。

コロナ禍における医療の提供でも力を発揮されています。

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この1年間で病院を取り巻く状況は大きく変わりました。729床のうち最大140床を新型コロナウイルス感染症対応病床とし、第一種および第二種感染症指定医療機関として多くの患者さんを受け入れています。通常診療への影響を極力抑えながら、コロナ重症患者対応病床を14床までに拡充し、積極的治療を行ってきました。高度救命救急センターでの豊富な経験に基づき、重症呼吸不全患者に対してもECMOを用いた集中治療を数多く行っています。新興感染症のパンデミック時に最重要となるのは、病院の総力をあげた感染症対策です。医療従事者だけではなく、事務職員、医療作業補助者や清掃スタッフなどを含む全病院職員への弛まぬ教育、啓発も求められます。高度急性期基幹病院として、今後も十分な感染管理対策に基づいた安全で信頼される医療の実践をめざしてまいります。

最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

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一つは患者さんに選ばれる病院にすること。さらに医療従事者にとっても「墨東病院で働きたい」と思ってもらえるような選ばれる病院にするのが目標です。そして新型コロナ感染症の対応など、その時、その時で必要とされる医療を提供することで、時代に選ばれる病院をめざしていきたいと思います。今後ますます需要が高まる救急医療や重症患者さんの手術に対応するために、24時間365日体制で集中治療を行うことができる集中治療科も開設しました。当院は近くを流れる隅田川の東側から千葉方面までの、墨田、江東、江戸川の区東部医療圏をカバーしていますが、錦糸町駅から徒歩7分というアクセスの良さを生かして、さらに範囲を広げた葛飾区や台東区の皆さまにも利用していただきたいと考えています。これからも「困ったときに頼られる病院」として、地域に根差した医療を提供してまいります。

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足立 健介 院長

1984年自治医科大学卒業。東京都立府中病院、自治医科大学附属大宮医療センター(現・さいたま医療センター)、東京都立多摩総合医療センターでの勤務後、荏原病院副院長を経て2020年に東京都立墨東病院の副院長、2021年4月に病院長就任。地域の医療機関や多職種との連携強化の取り組みに尽力。専門は消化器外科、救急医療。日本外科学会外科専門医。日本消化器外科学会消化器外科専門医。

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