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医療法人社団 すずき病院

(東京都 足立区)

坂本 博子 理事長

最終更新日:2020/11/25

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超高齢化する時代も地域に医療を届ける

北千住駅から徒歩約8分。1932年開院の「すずき病院」は、病床数100床を有する地域密着型の病院だ。長年、地域への貢献と高齢者医療に重点を置く良質な医療の提供を目標に、地域とともに歩んできた同院。近年は、急性期後の入院患者の受け入れや在宅医療との連携、回復期のリハビリテーションの更なる充実などにも積極的に取り組んでいる。同院の地域での重要な役割の一つが、プライマリケア。「身近なかかりつけ医」として、生活習慣病からメンタルヘルスに至るまで、気軽に相談できるのも特徴の一つだ。精神科が専門の坂本博子理事長は、うつ病など精神疾患を中心に診療をし、m-ECT(修正型通電治療)を用いた特色ある治療も行っている。祖父・父から引き継いだ病院の理念や、時代や社会の変化に対応し、同院が地域で果たすべき役割など、坂本理事長の地域医療にかける想いを語ってもらった。
(取材日2018年3月15日)

病院の歴史についてお聞かせください。

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1932年に私の祖父が産婦人科医院を開業したのが、当院の始まりです。当初は洋館で、窓がステンドグラスになっているなど、モダンな建物だったようです。今の建物は1990年に建て直したものです。組織、診療科、スタッフ、建物、設備などは大きく変化していますが、地域医療に貢献するという精神は、開院時より変わることなく受け継がれています。私自身は「病める人の立場に立った医療、良質で安心できる医療」という理念のもと、日々の診療にあたっており、地域の方々へ良質な医療サービスを提供することがこの病院の役割だと考えています。 北千住の街は下町のイメージがありますが、最近では大学ができたり、新しいマンションもどんどん建って「住みたい街ランキング」に選ばれるなど、街の雰囲気は様変わりしています。地域や社会の変化に合わせて、近年は診療科を新設するなど、より幅広いニーズに対応できる体制づくりに注力しています。

新設された診療科の狙いや特徴を教えてください。

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近年、大学病院や急性期病院での治療が一段落した患者さんの受け入れが多いことから、2017年1月に 整形外科・リハビリテーション専門の外来を開設しました。リハビリテーション科は主に入院患者を対象に、神経内科に付随する脳血管疾患等のリハビリや骨折後などの運動器リハビリを行います。リハビリルームは広く、機材も充実しています。理学療法士や作業療法士などのスタッフも増員しました。また、リウマチ科は、日本医科大学付属病院よりリウマチ性疾患・膠原病の診療を専門とする医師を招致しました。これまで北千住地区にはリウマチ専門医師がいなかったため、大学病院から転院して治療とリハビリを受ける方や、外来で通う方も増えています。2016年8月に開設した皮膚科はさまざまな肌のトラブルに対応します。もともとは入院患者の褥瘡ケアを目的に開設しましたが、最近は美容皮膚科にも力を入れており、美容目的の方も増えつつあります。

メンタルヘルス部門で新しい治療が始まったと伺いました。

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うつ病、うつ状態などで職場を休職・離職した方を対象に、職場復帰のための復職支援「リワークプログラム」を開始しました。うつ病などのメンタルヘルス不調によって休職した場合、症状がある程度落ち着いた時点で焦って復職すると、急激な環境変化から病気を再発させてしまい、再び休職、離職となってしまう方が少なくありません。そこで注目されるのが、通勤や業務のストレスに耐えられるように、心と体を少しずつ整えることで社会生活や就労への適応を促していく「リワークプログラム」です。決められた時間に通所し、テキスト等を用いた事務作業や、課題について考えて発表するグループワークなど職場復帰を意識した活動に取り組んでいただきます。また、休職前や離職前の自分や周りの環境を振り返り、休職や離職に至った要因を分析して自分自身の課題を見つけたり、病気や自分の症状について知り、復職後の再発予防のための対策を立てていきます。

病院全体として力を入れている部分は何でしょうか。

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どの科の医師もスタッフも、患者さんには「身近なかかりつけ医」の感覚でご利用いただきたいと考えています。私は精神科が専門ですが、メンタルヘルス以外のご相談もよくお受けします。例えば、「他の病院でこんなこと言われたけど、この薬は本当に飲んでいいの?」「ここが痛いんだけど、何科にかかったらいいの?」などの質問をはじめ、病気とは直接関係のない、家族の相談を受けることもよくあります。認知症の患者さんを支えるご家族が疲弊してしまい、うつ病になってしまうことも多いですから、「一人で抱え込まないように」とアドバイスをすることは多いですね。病気の合併症でメンタル的にも悩んでいる方なども、病院内で連携した治療が可能ですから、何か困ったことがあれば、まずは相談に来ていただきたいと思います。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

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特に強化したいのがリハビリです。スタッフもさらに増員して、脳血管疾患や運動器のリハビリなど、良質なサービスを提供していきたいと考えております。 リハビリはご高齢の方はもちろん、膝や腰、肩など、体に痛みを抱えている方なら年齢を問わず気軽にご利用いただきたいですね。痛みのある部分の動かし方、ご自宅でできる体操や日々の生活に役立つ痛みの緩和法まで、マンツーマンで指導を行うきめ細かさが当院のリハビリの特徴です。私の専門である精神科では、頭皮上から電気刺激を与えて精神症状の改善を図るm-ECTという、特色のある治療も行っています。体への負担も多くないと言われる治療法で、薬が効かなくなったり、最初から薬があまり効かないという患者さんや、病状が重くなり早急に改善が必要な方に取り入れています。当院は今後も、大学病院や地域の先生方と密に連携を取りながら、地元の皆さまに親しんでいただける医療機関をめざします。

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坂本 博子 理事長

1986年北里大学医学部卒業。2007年に医療法人社団すずき病院の理事長に就任。医師と患者の壁をつくらない雰囲気が魅力の精神科医師。「地域住民が安心して医療を受けられるように」という目標に向かい、診療体制の充実やスタッフがやりがいを感じられる職場づくりに力を注ぐ。日本医科大学精神医学教室客員准教授。日本精神神経学会精神科専門医。

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