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医療法人社団苑田会 苑田第三病院

(東京都 足立区)

星野 雅洋 院長

最終更新日:2020/11/25

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脊椎脊髄病に特化。低侵襲の脊椎手術に注力

足立区内に10ほどの医療関連施設を持つ法人苑田会は、それぞれに専門を生かして役割分担をしながら、協力して地域医療に取り組んでいる。その中で苑田第三病院は「東京脊椎脊髄病センター」を持ち、脊椎脊髄病の診療に特化した施設となっている。星野雅洋院長はセンターの開設以来センター長として組織を率い、2019年に院長に就任。低侵襲の脊椎手術、圧迫骨折の手術、骨粗しょう症の治療に多くの患者が訪れ、また後進の育成にも当たっている。リハビリテーションに力を注ぎ、脊椎手術後をはじめ、脳血管障害、運動器のリハビリの他、心疾患のリハビリも専門的に行っている。十分な数のスタッフをそろえ、密度の濃いリハビリを実施しているのは大きな特徴だ。今後は回復期リハビリテーションの病床数を増やし、よりニーズに応える病院になろうとしている。広い視野を持ち、医療に取り組む院長にその思いを聞いた。(取材日2019年12月19日)

病院の特徴を教えてください。

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苑田会という法人が経営する病院関連施設が足立区内に10ほどあり、それぞれに専門性を生かし、役割を分担しています。その中で、私たちの第三病院は第一病院の内科の後方支援病院であるのと同時に、脊椎の部門に特化した施設です。2005年に病院がオープンした当初は循環器を全面に押し出した施設をめざしていたのですが、翌年「東京脊椎脊髄病センター」ができ、こちらを中心にしていこうということになりました。私はセンター設立と同時にセンター長に就任し、2019年に院長に就任してから、脊椎脊髄に特化した病院づくりを進めています。私たちの規模の病院ではジェネラルにすべてを診るのは現実的ではありませんが、高齢化社会において地域の内科は大切にしたいと考えています。内科は振り分け外来として、きちんとした診断をくだし、その次のステップに関しては専門の先生のところにお任せするというスタンスをとっています。

低侵襲の脊椎手術で多くの患者さんを受け入れているそうですが。

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10年ぐらい前から、仲間と一緒に脊椎の再建を行う低侵襲の手術について研究会を立ち上げ、中心的な役割を果たしてきました。このセンターはその実践の場とも言えます。腰椎すべり症、腰部脊椎間狭窄症、腰椎看板ヘルニアなど腰椎変性疾患や、頸椎椎間板ヘルニアなどの頸椎変性疾患が対象です。これまでの手術に比べ、傷が小さくて済み、筋肉へのダメージも少ないので、退院も早まります。すべての症例に適応するわけではありませんが、患者さんの負担は減っていると思います。一方、医師の立場から言えば、プラモデルに例えると、普通に作るのではなく、瓶の中で船を組み立てるような困難さがあるんですね。そういった技術を身につけるためにはやはりトレーニングが必要で、当センターでは低侵襲の手術だけではなく、通常の手術に関しても若手医師を受け入れ、研修を行っています。

骨粗しょう症の治療とリハビリについてお聞かせください。

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昔は安静にして治療するのが主流だった圧迫骨折も、一部は積極的に手術をするようになってきました。背骨の手術を行う際、そのもろさは大敵になり、術前術後の骨粗しょう症の治療に力を入れてきましたが、最近は骨粗しょう症だけの患者さんも増えています。基本は薬物治療ですが、筋力維持も大事な要素で、骨密度以外に筋量を定期的に測定し、それに合わせてリハビリテーションを行っています。当院のリハビリテーションは、病床117床に対して20名のスタッフが在籍し、さらに2020年4月からは30数名に増える予定です。人数が充実しているので密度の濃いリハビリが行え、その規模と内容については自信を持っています。脊椎手術後や脳血管障害、運動器のリハビリの他、心不全や心筋梗塞後の心疾患のリハビリにも一部屋をとっています。大学でサイエンスとしてのリハビリを学んできた、勉強熱心で優秀なスタッフがそろっているのは心強いですね。

病院として大切にしているのはどのようなことでしょうか。

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リハビリテーションを含め、いわゆるコメディカルのスタッフを十分に活用したいと考えています。医師一人で何かするということではなく、チーム医療のさらに先をめざし、その場を任せきれるようなスタッフを育成していきたいですね。特にわれわれは背骨に特化して専門性を高めていますから、ナースやリハビリのスタッフにも専門性が求められます。実際そういった力を持ったスタッフに安心して頼める状況がつくれているのではないかと思います。個人的には昭和の「働かざる者食うべからず」的な考え方からなかなか抜け出せず(笑)、スタッフにも若いうちに働く習慣を身につけるよう言ってしまいがちなのですが、スタッフはみんなよく働いてくれていると思いますね。地域との連携については、当院単独でというより、苑田会全体でトータルに地域を守り、地域と連携していくその一員と考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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地域の整形外科や内科に相談しても調子が良くならないとき、専門の医師に診てもらうことをお勧めします。専門の医師というのは、大きい病院の整形外科という意味ではありません。ご自分の痛い部分、つらい部分の専門家、例えば膝なら膝、股関節なら股関節の専門家を探して訪ねるということです。大学病院でもパーツによっては専門家がいない場合もあります。内科が循環器、呼吸器など専門に分かれているように、整形外科もパーツによって専門性が高く、良い治療を受けたいと思ったなら、それぞれの専門家を探すことです。もし脊椎脊髄に関してお困りなら、ぜひ当院をお訪ねいただけたらうれしいです。最先端ではありませんが、その次の段階でリスクの低い、低侵襲の治療法を実践し、広めていく立場です。それだけのことはさせていただけると思っています。

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星野 雅洋 院長

1983年日本大学医学部卒。1991年日大学医学部付属練馬光が丘病院脊椎診療チーフ、1992年東松山市立市民病院整形外科医長、1998年同部長、2002年同院診療副部長を経て、2006年苑田第三病院東京脊椎脊髄病センター長就任。2019年同院院長となる。脊椎を専門に選んだのは「動物が初めて見たものを親と思うのと同じで、医師になって最初に配属されたのがそういう班だったんです」と話す。

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