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独立行政法人地域医療機能推進機構 東京城東病院

(東京都 江東区)

中馬 敦 病院長

最終更新日:2020/11/25

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総合内科診療を主とした包括的ケアに強み

2014年4月に旧社会保険病院から独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO:ジェイコー)に移行し、再スタートを切った「東京城東病院」。取材陣が訪ねた朝9時半には、既に多くの患者が待合室を埋め尽くし、受付スタッフや看護師の張りのある声が響いていた。待合室に漂う空気が陰鬱なものではなく、どこか明るく希望を感じさせるのは、「スタッフが楽しく、元気に働けてこそ患者さんに優しくできる」という中馬敦院長のポリシーが息づいているからだろう。多忙な院長職の傍ら、股関節を専門とする整形外科のドクターとして手術も行う中馬院長は、そのにこやかな笑顔で現場の士気高揚をも担っている。併設の老人保健施設との密な連携、総合内科診療や地域包括ケアへの取り組み、病院独自の強みまで、じっくり話を聞いた。
(取材日2016年2月5日)

JCHOへの移行に伴って、病院名が変更になりましたね。

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2014年4月、全国の社会保険病院や厚生年金病院、船員保険病院の計57病院が、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO:ジェイコー)運営の公的な病院へと移行しました。当院も時を同じくして、「城東社会保険病院」から「JCHO東京城東病院」へと名称を変更しています。「城東」という部分が残ったことが幸いして、患者さんはスムーズに現体制になじんでいただけたようです。当院は江東区の東側に位置し、近くの中川を渡れば江戸川区があります。来院される患者さんの8割は半径2キロ圏内にお住まいの方で、江東区と江戸川区がほぼ半々。小児科がないこともあって、外来では70歳以上の方が大半を占めている印象です。当院の理念は「皆様に信頼される安全な医療の提供に努めます」というもの。地域の人に必要とされる病院として医療の提供に励み、「困ったらここに来れば大丈夫」と思っていただける存在でありたいと願っています。

老人保健施設はもともと併設されていたのでしょうか。

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当院の前身は、1954年にできた「亀戸診療所」です。1950年代後半に社会保険城東病院となり、1996年にこの場所に移転するまで、100床ほどの小さな施設で地域の患者さんを診ておりました。併設する老人保健施設ができたのは移転の1ヵ月後。今でこそ珍しいものではなくなりましたが、当時は江東区待望の老人保健施設で、注目されたようです。この歴史や経験を生かし、現在は当院と一体になって患者さんをご紹介したり、入所者の医療面でのバックアップを担ったりと、連携体制を構築しています。老人保健施設は原則として高齢で健康な方の体力維持を目的として、入所・通所を通じた在宅復帰を支援するものですが、「病状は改善して退院できるが、退院後の生活に不安がある」「身寄りがなく帰る場所がない」というような方も入所されています。特別養護老人ホームへ移られたり、時には施設で看取りまで行ったりというケースもあるのが現状です。

2015年4月からは、総合内科診療を開始されていますね。

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総合内科的な技術を学ぶ総合診療プログラムを行い、総合内科診療を開始しました。指導医6名、研修医7名で、教育しながら診療にあたっています。近年は医療の細分化で医師が専門分野のみを診療するスタイルが増えました。良い面もありますが、例えば「おなかが痛い」という患者さんをどの診療科で担当するのかが不明瞭で、治療を始めるまでに時間がかかってしまう場合もあります。「何科かわからないけど、東京城東病院に行けばなんとかなる」と足を運んでくださる方の期待に応えるために、総合内科診療は非常に重要な役目を果たせると考えます。また、地域包括ケアにも力を入れており、豊洲の「地域包括ケアセンター」にて老人保健施設のスタッフが相談や支援を行っています。地域の包括的、継続的なケアを行うべく、開業医の方と患者さんの事例を共有する取り組みも計画中。住み慣れた自宅や地域で暮らしていけるような仕組みを整えていきたいですね。

他に力を入れている点があればお聞かせください。

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外科の取り組みの一つに、肛門三大疾患といわれる「痔核(じかく)」「痔ろう」「裂肛」のうち「痔核」の治療があります。主な治療方法には軟膏や座薬、内服薬を使った保存的治療、痔核を根元で切除する結紮切除などがありますが、当院が注力しているのは硬化療法です。注射を打って血流を遮断し、痔を硬くして固定・退縮させる方法で、切らずに治していくため患者さんへの負担が少なく、多くの方に喜んでいただいています。また、当院では手外科に関する治療も非常に多いと思います。 東京都・千葉県を中心に、遠方からも患者さんが来院されます。高度な専門医療を要する疾患については、千葉大学医学部附属病院などの提携機関と連携しながら対応しますので安心してお任せください。マンパワーの問題で厳しい部分もありますが、救急はできる限り断らない体制を整えて、地域のお役に立つべく尽力しています。

最後に、病院経営において大切にしていることを教えてください。

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私は代表の立場にいるだけで、職員みんなで頑張っている、つくっている病院だという意識が強くあります。そんな中で私たちがめざしているのは、院内のすべての人材が1つになって取り組む「チーム医療」です。そのため「コミュニケーションを大切にしよう」という声かけは常に行ってきました。また、職員が常に明るく、楽しく仕事に取り組める環境づくりも大切です。働いている人が幸せでなければ、患者さんに優しく接することはできませんから。今後は内科、外科、整形外科の三本柱で一般急性期を診ていく上で、大規模な病院にはできない医療を模索していく必要があるでしょう。比較的長期間の入院が必要な急性期疾患を積極的に受け入れたり、周辺クリニックとの連携も強化したりして、地域全体で患者さんを幸せにしていく仕組みを整えていきます。これからも「東京城東病院に来て良かった」と思ってもらえる、地域に必要な病院でありたいですね。

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中馬 敦 病院長

1987年千葉大学卒業。専門は股関節を中心とした整形外科。併設の老人保健施設との連携強化や地域包括ケアの充実など、地域のニーズに応じた病院運営に注力。中でも2015年よりスタートさせた総合内科診療は、症状がはっきりしない患者の訴えを幅広い視点からサポートする取り組みとして、同院独自の教育システムである総合診療プログラムとともに患者だけでなく医療者からも注目を集めているそうだ。

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