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日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院

(東京都 江戸川区)

臼杵 二郎 病院長

最終更新日:2023/05/30

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地域の基幹病院として「最後の砦」をめざす

開設以来、基幹病院として地域との連携を強化してきた「東京臨海病院」。江戸川区で400床を有し、二次救急医療機関として、かつ小児科・産婦人科のそろう病院として、24時間体制で対応し、多くの患者を受け入れている。患者の「たらい回し」を防ぐために設けられた「東京ルール」の区東部エリアの幹事病院を務めるほか、三次救急医療機関がない江戸川区において、重篤患者や受け入れが難しい症例の患者のための救急医療機関としても存在感を強めている。さらには、地域で求められている医療を提供すべく、29の診療科を掲げ幅広く対応し、がん診療の分野にも注力。こうした取り組みについて「すべては患者さんのため、そして地域のためです」と話すのは、病院長の臼杵二郎(うすき・じろう)先生。「断らない医療」を合言葉に区民の「最後の砦」として専門性の高い医療を追求し、現状に甘んじることなくさらなる地域のニーズに応えようと努力を重ねる同院。その取り組みや診療の特色、強みについて、臼杵病院長にじっくり聞いた。
(取材日2022年3月24日)

まずは病院の歩みと特徴について教えてください。

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当院は、2002年4月に日本私立学校振興・共済事業団運営の職域病院として開設し、今年でちょうど20周年になります。職域病院として私学共済の加入者やご家族に高機能な診療を提供する役割を担うとともに、地域に開かれた総合病院として、今日まで患者さん本位の心の通う医療を展開してきました。さらに、患者さんやご家族、地域医療機関の方々、そして職員にも「選ばれる病院」をめざし、さまざまな時代のニーズに応える努力を続けています。江戸川区には大きな病院が少ない中、当院は400床を有する総合病院であることが特徴です。また、開設以来一貫して「救急医療」と「がん診療」に注力してきました。24時間体制で内科系、外科系、そして小児科と産婦人科の救急医療に対応しています。コロナ禍においても、当院は早くから新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制を整え、感染の疑いがある救急患者を断らない姿勢を貫いています。

感染症流行下での、病院の対応について伺います。

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現在、世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症に対しては、当院はクルーズ船での発生以降継続して診療を行ってきました。江戸川区をはじめとする地域住民の方たちを中心に、外来と入院の患者さんを積極的に受け入れ、なるべく早く多くの患者さんに医療を届けられるよう、全職員の協力のもと、一丸となって対峙してきました。これまで当院が受け入れたCOVID-19の陽性入院患者数は、2020年2月~2022年3月の間で約1300人に上ります。そのような状況下でも、大きなクラスターを出さずにこれまで診療を継続できたことは、多職種連携に基づくチーム医療を積み重ねてきた成果だと思っています。今回の経験を生かし、地域と協力しながらこれからも新興感染症対応の分野で地域医療に貢献できるよう努めていきたいと思います。

主力の一つであるがん診療について詳しくお聞かせください。

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誰もががんに罹患する可能性がある現代ですので、がん診療における地域の医療機関の役割は増大しつつあります。当院は地域のがん診療において中核的な役割を担い、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肝がん、前立腺がんをはじめ各種のがんに対し、適切な診断と集学的な治療を心がけています。各種がん検診から外来化学療法など先進の放射線治療、緩和ケアまで、診療科や職種をまたいだチーム医療で診療を行っています。日本看護協会がん看護専門看護師や、日本看護協会緩和ケア認定看護師など専門スタッフもそろっており、より長期化するがん治療の中で、常に患者さんの気持ちに寄り添う全人的医療を大切にしています。地域の医療機関から放射線治療が必要な患者さんをご紹介いただくなど、病診連携、病病連携にも力を入れています。いわゆる「がん難民」をつくらないよう、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合っていきたいです。

2022年4月に2つの新たな部門を開設されるそうですね。

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「脊椎脊髄・人工関節センター」と「脳卒中センター」を開設します。脊椎脊髄・人工関節センターでは、経験豊かな脊椎脊髄外科を専門とする医師と人工関節を専門とする医師に加え、脊椎外科や人工関節手術に精通した看護師などの専門スタッフをそろえており、「安心・安全・確実」な手術の提供を目標としています。可能な限り低侵襲で、かつナビゲーションシステムを使った精度の高い手術を行っていく体制となっています。一方、脳卒中センターではより専門性の高い医療をめざし、救急科、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション科の医師がタッグを組んで治療を行います。医師だけでなく、脳卒中に関わるすべての医療職種が連携し、多職種構成のチームとして集約的な脳卒中診療を展開していきます。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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団塊の世代が後期高齢者となることで、医療や介護、経済などでさまざまな問題が起こるとされている2025年問題を間近に控え、各医療機関がそれぞれの役割を担い、地域全体で患者さん支える体制づくりが求められています。病院、診療所、介護、福祉など多機能・多職種間の連携を一層深め、紹介・逆紹介の関係を築きやすい病院をめざしていきたいですね。当院は医療のさまざまな分野で重責を担っていますが、その中で最も重視しているのはやはり「医療の質」です。医療の質には、診療内容や患者満足度などが含まれており、常に改善をめざさなければなりません。患者さんの声に真摯に耳を傾け、多職種の力を結集したより良質な医療で、一人でも多くの患者さんに喜んでいただけたら本当にうれしいですね。

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臼杵 二郎 病院長

1987年日本医科大学卒業、1995年同大学大学院修了。同年、米国国立衛生研究所 (NIH)・国立心肺血液研究所(NHLBI)に留学。帰国後、日本医科大学第四内科医局長、日本医科大学武蔵小杉病院呼吸器内科部長、東京臨海病院副院長などを経て、2021年東京臨海病院病院長に就任。座右の銘は「狭き門より入れ」。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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