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社会医療法人社団森山医会 森山記念病院

(東京都 江戸川区)

松尾 成吾 院長

最終更新日:2024/03/28

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24時間365日頼れる地域救急医療の柱へ

「森山記念病院」は1982年開業。脳神経外科を中心に、地域の救急の柱の役割を担ってきた病院だ。2016年6月に新築された建物は免震構造であり、外部からの電気・水の供給がなくとも通常の病院機能や透析を3日間維持し得る規模の自家発電装置や受水槽を完備し、有事に備えている。広く開放的な1階ロビー正面には、フランス画家の代表作として知られる絵画が飾られている他、館内のあちこちに絵画や休憩スペースがあり、入院患者や訪れる人の心を和ませる。診療では「24時間365日の救急医療」を掲げ、常に専門の脳神経外科医師による血管内治療ができる他、消化器外科・整形外科・内科など幅広い症状に対応。リハビリテーションや入院患者の口腔ケアも充実し、患者の早期社会復帰、在宅復帰に向けた体制も整えている。同じ森山医会グループで、脳神経疾患の治療に特化し回復期リハビリテーションの機能も併せ持つ「森山脳神経センター病院」とも連携する。院長で脳神経外科部長でもある松尾成吾先生に話を聞いた。(取材日2017年12月16日/情報更新日2023年12月7日)

まず、こちらの病院の成り立ちと概要について教えてください。

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当院は1982年開院の「森山病院」に始まり、2002年、急性期医療に特化した病院となりました。脳神経外科・脳卒中部門を軸に「24時間365日断らない」救急医療をめざしています。現在、脳神経外科には8人の日本脳神経外科学会脳神経外科専門医が在籍。消化器外科、整形外科、内科の救急体制も充実し、急性期疾患にも24時間対応中です。その他、骨折等の整形外科疾患や内科疾患の救急受け入れも行い、近年新設した乳腺外科では乳がんの早期発見・治療にも努めています。2016年には西葛西から現在地に新築移転し、275床に増床。広いリハビリ室を有し、多くのスタッフが急性期段階からリハビリ介入する他、人工透析室では入院透析治療も行っています。急性期病院からの転院やレスパイト入院先としての地域包括ケア病棟を有し、急性期後の医療提供も充実しています。また、高齢者の通院負担軽減のため最寄りの駅から送迎バスも運行中です。

脳神経外科はどのような体制なのですか?

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8人の日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の他、看護師などのメディカルスタッフが24時間体制で急性期の脳血管障害に対応しています。先進のマルチスライスCTやMRI、血管撮影装置を使って脳血管病変の位置や状態を即座に見極め、開頭手術などの治療を行います。手術に関しては、脳腫瘍手術で広く知られる福島孝徳先生が毎月執刀に来られていますし、超急性期のt-PAの点滴治療、カテーテルによる血栓回収療法といった開頭せずに治療を行う脳血管内治療部門の医師も24時間体制でバックアップしています。また、同じ森山医会グループで、脳神経外科医療と回復期リハビリに注力する「森山脳神経センター病院」との密な連携体制も大きな特色です。森山医会が目標とする「世界水準の医療を地域に」を体現するにあたり、両院の脳神経外科はグループ内でも中核的な存在。毎週水曜には合同カンファレンスを行い、常に研鑽しながら治療に臨んでいます。

リハビリや入院中のケア、在宅復帰にも注力されていますね。

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リハビリは科を問わずに行っています。例えば、脳卒中や脳血管障害、骨折、肺の術後や運動器全般、あるいは長期間使わないことによって筋肉が衰えてしまう廃用性萎縮などですね。「早期の離床をめざし、寝たきりをつくらない」という方針で、リハビリ専門の医師が監督し、作成したプランに沿って、帰宅や仕事への復帰など一人ひとりのゴールに必要な機能を回復していきます。また、病院の移転を機に歯科口腔外科を新設したことで、入院中の患者さんの口腔ケアや歯科治療もできるようになりました。脳卒中後のリハビリで重要な嚥下についても積極的に相談できますし、誤嚥性肺炎の予防のためにも、治療の幅が広がったと思います。

診療において、先生が最も大事にされていることは何ですか?

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外来診療は喜んで帰っていただくこと、満足して帰っていただくことですね。患者さんが多く来られると気力がもたないときもありますが、診察・治療を求めてきた人に満足して帰っていただけることが基本だと思っています。手術は、私個人の感覚では一つのアートであって、重要なのは「スピーディーに、きれいに、美しく」できること。どうすればより早くきれいにできるのか、どうすればもっと良い結果が残せるのかを常に考え、より美しく、患者さんへの負担が少ないスマートな方法を模索しています。「一流の手術をしたい」とは外科医なら誰もが思うことですが、一流とはどういうものなのか、私の恩師には哲学がありましたし、私もそれを受け継いでいきたいと思います。今は自分自身で執刀するより、若い人の指導をすることが多くなってきているんですが、そういうスピリットは伝えられたらいいなと思っています。

最後に今後の展望と、読者に向けてメッセージをお願いします。

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わが国の医療政策の流れをくむと、今、病院機能の分化が求められていると感じます。ですが、この流れを当グループの患者層と照らし合わせると、病院機能を分散し偏りをつくるより、急性期病院としての機能とかかりつけとしての機能の両方を充実させる必要があるのではないかと考えました。そこで、地域医療へのさらなる貢献をめざし、2024年の夏頃、当院の隣に一般外来の診療を中心とした新しいクリニックを開業する予定です。診察室の数を充実させ、幅広い診療科の導入を考えています。また、クリニック開院後は法人内でさらに連携を強め、地域の患者さまへスムーズに医療を提供していきたいですね。その他、地域の医療機関の先生方からのご依頼やご紹介にも、専門性の高い外来診療・検査でお応えする体制をめざします。患者さまからは「アクセスを向上してほしい」というお声もいただいていますので、より通院しやすい環境の整備にも尽力していきます。

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松尾 成吾 院長

1980年信州大学医学部卒業。同大学脳神経外科にて、脳神経外科の分野で知られる杉田虔一郎教授、小林茂昭教授に師事する。1989年より2年間、米国・メイヨークリニック脳神経外科へ留学、サント教授のもとで研鑽。帰国後、2001年に獨協医科大学脳神経外科講師、2003年より森山記念病院脳神経外科部長を務める。主に脳血管障害を中心に診療。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。

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