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医療法人社団三和会 東京東病院

(東京都 江戸川区)

菊地 仁 院長

最終更新日:2020/11/25

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専門の消化器治療で医療・福祉・介護を連携

小岩駅から車で10分ほどの場所にある「東京東病院」は、長年にわたって地域医療を支えてきた「菊地外科胃腸科」の入院施設として、2008年に開設された病院だ。院内はダークブラウンを基調とした落ち着いた内装で、病院というよりもまるでホテルのような雰囲気が漂う。病院のロゴマークでもある3つの輪が並んだデザインは、「医療・介護・福祉」の一体化という病院のコンセプトを表したもの。診療の中心となる消化器診療では、内視鏡や腹腔鏡を使った手術にも対応するなど、高度な医療を提供している。院長を務める菊地仁先生は国立がん研究センター中央病院で消化器外科の研鑽を積み、豊富な治療実績があるドクターだ。胃がんや大腸がんといった日本人の死因の上位を占める疾患の治療に携わってきた経験から、早期治療の重要性を説く。「治療や検査で後悔してほしくない」と話す菊地院長に、同院の診療の特徴やかかりつけ医としての地域病院のあり方について話を聞いた。
(取材日2018年1月25日)

まず病院の歩みをお聞かせください。

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もともと私の父が45年前に開設した「菊地外科胃腸科」の入院施設として、2008年にスタートしたのが「東京東病院」です。菊地外科胃腸科は19床の有床診療所として胃や大腸の手術にも対応し、開設当初から土曜日は手術を行っておりました。また、消化器に特化した診療所としての役割を担う一方で、介護老人保健施設や認知症患者のための専門施設、特別養護老人ホームなど、住民の皆さんのニーズに応えた高齢者のための施設を開設しました。入所者が増えたことでいざというときに受け入れるためのベッド数が足りなくなり、現在の96床の病院を開設する流れとなりました。今でこそ病院が運営する介護施設はありますが、当時としては珍しく、早い段階での取り組みだったと思います。病院ができたことによって、三和会の医療部門を充実させることに成功しました。

先生のご専門は消化器外科だと伺いました。

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父も消化器外科の医師で、子どもの頃に手術を手伝いにきていただいていた東京逓信病院の外科部長が消化器外科のスペシャリストで憧れていたこともあり、めざすようになりました。残念ながらその先生は私が研修に行ってすぐに亡くなられたのですが、治療技術が高いといわれる病院で技術を磨きたいという気持ちは変わらず、国立がん研究センターでがん治療の研鑽を積みました。いずれはこの地に戻って診療をするつもりで、外科の医師として早く技術を身に付けたいという思いでしたね。高度医療を提供する国立がん研究センターと、その後に勤務した東京都立墨東病院でさまざまな症例を経験したことで、地域医療の役割についても考えるようになりました。本来であれば地元の病院で、ご家族の近くで治療できたほうがいいですよね。地域の病院がしっかりとかかりつけ医の機能を果たし、診断した上で必要があれば専門機関にお送りするという連携が重要だと思います。

ご著書の中で、江戸川区の平均寿命の短さが挙げられていますね。

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大腸がんのスクリーニングである便潜血検査の受診率は、2017年3月東京都福祉保健局公表の数字では江戸川区で約10%。数年前までは6~7%という低さ、これは東京都23区内の中でもかなり低い数字なんです。さらに受診した人の陽性率が高いこともわかっています。つまり、受診するのは本人にも自覚症状があるようなケースで、要精密検査になる確率が高い。実は江戸川区の平均寿命は全国平均よりも低いといわれていますが、こうした検診の受診率の低さが原因の一つとして考えられると思います。この地域の皆さんは我慢強いので、余程の症状でなければ病院に行かないという方が多いです。がんで死なないためには、検診での早期発見、早期治療が基本ですから、まずはかかりつけ医を決めてアドバイスを受けましょう。普段から医師との信頼関係が築けていれば、いざ病気になったときの適切な診断につながります。それがこの本で伝えたかったことですね。

こちらで受けられる診療の特徴を教えてください。

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消化器分野の治療を得意としていて、レベルの高い医療を提供できるのが特徴です。早期の胃がん、大腸がんでは内視鏡を使ったESD手術(粘膜下層剥離術)や腹腔鏡手術といった患者さんの体への負担が少ない手術も可能です。すべての方に適用できるわけではありませんが、開腹手術に比べて回復までの日数も短く、非常に有効な治療法です。患者さんにとって最善の医療を選択し、提案していくことが大切だと考えます。また、連携先の病院で不幸にもがんが再発してしまった場合は、当院でお引き受けして緩和ケアを提供することも可能です。介護施設や在宅医療との連携も緊密で、いざというときの受け入れ先として当院がバックアップをしています。医療と介護ははっきり分かれているわけではなく、重なり合っているもの。患者さんの状態に合わせて切れ目なくケアしていきたいと考えています。

最後に、地域住民へのメッセージをお願いします。

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当院がめざしている医療と介護の一体化は、時代の流れとも一致しています。今後、高齢化が進む中でそうした役割を果たすことが一層求められていくのではないでしょうか。地に足を着けた医療で自分たちができることの精度を上げていく、それが地域に向けての社会貢献になると考えています。特に江戸川区はがん罹患率が高い地域。「がん治療で江戸川区の平均寿命を上げる」というのが、私の目標でもあります。がんの中でも特に多い胃がん・大腸がんの治療を進めれば効果が出る可能性は高いですし、何より患者さんやご家族に後悔をしてほしくないという気持ちがあります。例えば風邪で受診したときに何か他の疾患に気づくことや、生活習慣病を早い段階でコントロールすれば、その後の重篤な疾患を防ぐことができるなど、まずは医療機関に足を運んでいただくことが予防や治療の第一歩となるのです。何かあればお気軽にお越しください。

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菊地 仁 院長

東京医科大学卒業後、東京逓信病院に勤務。国立がん研究センター中央病院、東京都立墨東病院で消化管治療の研鑽を積む。2004年に菊地外科胃腸科で外科診療に携わり、2008年に東京東病院開設と同時に院長に就任。消化器外科専門の医師として多くの症例を診療してきた経験をもとに、著書『がんで死なないために知っておくべきこと』を刊行。江戸川区の平均寿命を上げるために日々尽力している。日本外科学会外科専門医。

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