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医療法人社団直和会 平成立石病院

(東京都 葛飾区)

大澤 秀一 理事長

最終更新日:2024/02/02

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救急医療、災害医療に力を注ぎ地域に貢献

京成線お花茶屋駅から車で約5分、徒歩で約15分。東京都葛飾区の救急医療を担う病院の一つである「平成立石病院」は、「断らない救急」をモットーに年間多数の救急車を受け入れる。東京都災害拠点病院にもなっており、病院全体で地域住民を交えた災害訓練にも積極的に参加するなど、災害医療への備えにも心を配る。幅広い診療科目の中でも、脳神経外科については急性期の治療に力を入れており、血管造影装置による治療をはじめとした専門性の高い医療を提供。日本医科大学附属病院神経内科との連携も強化し、専門医療の提供に尽力する。理事長の大澤秀一先生は泌尿器科が専門で、レーザーを用いた尿管結石治療を得意とする。2017年春、院内の増床工事と管理棟の新設工事が完了し、全203床の病院へとリニューアルした同院。大澤理事長に、診療の特徴や今後の展望などについて聞いた。(取材日2019年12月11日)

こちらの病院の強みについて、教えてください。

01

一つは、救急医療です。当院は東京都葛飾区の救急医療を担う病院の一つとして救急車を積極的に受け入れており、その数は都内の民間病院の中でもかなり多い件数でしょう。2016年に救急科を開設以来、平日の日中は日本救急医学会救急科専門医1人がERに常駐する体制を構築し、救急車の受け入れ体制を強化してまいりました。もう一つは、災害医療です。救急科で災害医療に携わってきた大桃副院長が2017年から当院のスタッフに加わり、災害医療の土台が培われたと思っています。当院では、町内会や患者さんなど地域の方々を巻き込んだ防災訓練を行っています。葛飾区内においても、区の保健所、防災課、医師会、歯科医師会、薬剤師会と力を合わせ、災害訓練に参加していただいております。国内の自然災害発生時には、DMAT(災害派遣医療チーム)やAMAT(災害時医療支援活動班)、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の派遣も行っています。

どのような診療分野を得意とされていますか?

02

当院は、開院当初から脳神経外科に力を入れており、地域の基幹病院としての役割を意識しています。救急の外来も、365日24時間体制で診療を受け入れており、特に脳卒中の患者さんを多く診させていただいております。頭部の血管に造影剤を入れてエックス線撮影を行う血管造影装置を導入し、脳卒中だけでなく頭部外傷、未破裂脳動脈瘤の血管内も含めた手術や治療を行っています。このエリアには脳神経外科を専門的に診る病院が少ないため、この分野の治療には今後も力を注いでまいります。私が担当する泌尿器科も、救急疾患をはじめ可能な限り受け入れ体制を整えています。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)に加え、レーザーを用いた経尿道的尿管砕石術(TUL)を導入し、さらに幅を広げた尿路結石治療が可能になりました。

救急医療や災害医療のスタッフの体制は?

03

当院のドクターは、26人と少数精鋭で救急医療を担っています。夜間などは非常勤の先生の力を借りながら、常に常勤医がいる体制を保ちながらいつでもバックアップできるような体制を整えています。救急医療の充実のためにはスタッフの協力が欠かせませんが、当院の場合、救急医療に対して意欲のある看護師がいること、救急救命士の国家資格を持つスタッフが12人いることなどが受け入れの増加につながっていると思います。脳神経外科、泌尿器科に加え、消化器においては緊急内視鏡、緊急手術にも対応し、2019年4月からは、形成外科の医師も新たに加わりました。形成外科というと「美容」のイメージがありますが、やけどによる皮膚移植、寝たきりの高齢者の床ずれなどにも対応させていただくことで、守備範囲もより広がったと思います。

隣接する「平成立石ペンギンクリニック」との関係は?

04

当院が、災害拠点病院になるためには、入院のためのベッド数を増やすことが必要でした。そこで、当院の外来だった場所の一部を病床にし、これまでの180床から203床に増やしたのです。これを受け、2016年9月、外来診療の部門を「平成立石ペンギンクリニック」として独立させ、より多くの外来患者さんを受け入れるための体制を整えました。外来診療の中でも、医療機器の配置の都合上、耳鼻咽喉科は当院で対応しています。「平成立石ペンギンクリニック」は、外来としてだけでなく、院内のソファーが災害時にはベッドになり、1階のフロントはトリアージがしやすいようガラス張りにするなど、災害拠点病院としての役割を果たせるような設計にも配慮しています。2017年春、院内の増床と管理棟の新設が終わり、203床の病院へとリニューアルオープンしました。

今後の展望について教えてください。

05

これまでの救急医療をより強化していきつつも、地域における中核病院として、紹介患者さんをもう少し増やしていくべく働きかけを行っていきたいと思います。救急、災害医療については、先ほども申し上げましたが、看護師や救急救命士などスタッフの充実がなければ、ここまで地域医療に貢献できなかったと思います。しかしその反面、救急受け入れや災害派遣がスタッフの過剰労働につながるリスクも大きいと考えています。私は現在、厚生労働省が掲げる「医師の働き方改革」に関する検討会のメンバーの一人として、今の医療体制の現状やさまざまな課題について話し、問題提起をさせていただいています。議論を重ね、スタッフ全員が働きやすくなる環境を少しずつ整えていきたいと考えております。

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大澤 秀一 理事長

1991年日本医科大学を卒業し、日本医科大学附属病院泌尿器科に入局。約10年勤務した後、荒川区の病院で総合的診療に1年携わり、2002年の同院開院と同時に入職。泌尿器科部長、副院長を経て、2016年9月に院長就任し、2023年4月理事長へ就任。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。災害医療にも尽力し、国内の自然災害地への災害医療派遣も積極的に行う。医師の「働き方改革」プロジェクトにも携わる。

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