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医療法人財団慈光会 堀切中央病院

(東京都 葛飾区)

鈴木 正行 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域で困っている人たちの力になりたい

京成線の堀切菖蒲園駅を出て、大通り沿いを歩くと見えてくる「堀切中央病院」。1954年に結核病棟を含む総合病院として開設され、地域のニーズに応じて変革を遂げてきた歴史がある。2次救急に対応し、回復期から慢性期までの一貫した医療を提供しているほか、訪問診療や訪問リハビリテーションといった在宅医療にも力を注ぐ。高度急性期病院との連携で、救急治療を終えた患者を受け入れ、在宅復帰までをサポートする役割も担っている。地域の医療と介護のネットワークを支える病院だ。診療の柱となるのは認知症治療と緩和ケア。認知症の診断では週に1回の物忘れ相談の外来を開設し、気軽に相談できる環境を整えた。2017年に院長に就任した鈴木正行先生がめざすのは、“優しい医療”。患者に寄り添う温かな医療を実践しており、「気になる症状やお悩みがあれば、ぜひ気軽に来ていただきたいです」と話す。さらに地域に開かれた病院にしていくことを目標に掲げる鈴木先生に、病診連携の取り組みや運営にかける思いを聞いた。(取材日2018年6月27日)

まず病院の成り立ちについて教えてください。

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当院が開設されたのは1954年です。もともとは結核治療を専門とする病院でしたが、地域のニーズに合わせて診療科を増やし、現在は2次救急を受け入れながら回復期、慢性期までをトータルでケアしています。また、先々代の院長が訪問診療に力を入れていたこともあり、早い段階で在宅医療に取り組み始めました。往診でも当院を受診されていて通院が困難になった患者さんには、できるだけその方を診てきた担当医師が伺うようにしています。そうした「この地域でお困りの方たちの力になりたい」という思いは今の診療でも変わりませんね。リハビリテーションにも注力しており、入院中だけでなく通院や訪問でのリハビリも行っています。専門スタッフが多く在籍し、特に言語聴覚士が4人いますので、嚥下機能を回復させるためのリハビリも実施していますね。

地域の中での連携はどのようにとられていますか?

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訪問診療をされているクリニックの先生方とは緊密に連携をとり、急変時の入院に対応しているほか、ご家族の負担を軽くするために一時的に介護者を受け入れるレスパイト入院も行っています。ほかの医療機関で高度急性期治療や専門治療を終えた患者さんを受け入れ、在宅復帰までをサポートするのも当院の役割です。最近特に力を入れているのが、認知症治療とがん緩和ケアです。この2つの分野で医療の介入が必要な方を積極的に受け入れています。認知症治療に関しては、地域の先生方と定期的に症例検討会を開くなど連携を図っています。当院で提供できる医療について地域の先生方に知っていただくために、院長に就任してからたくさんの病院やクリニックを回ってお話をしました。そのかいもあって、「利用しやすくなった」と言っていただいているのがうれしいですね。ご依頼があればしっかりと患者さんを診て、またお戻しをする。そうして信頼関係を築いています。

認知症の診断、治療に力を入れていらっしゃるのですね。

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高齢化が進み、これからさらに認知症の患者さんは増えていきます。そのため、週に1回、物忘れの相談の外来を開設しました。認知症は病気の進行に伴ってせん妄、徘徊などの症状が出るため、ご家族の負担が大きくなります。相談で多いのは「物忘れが激しい」「言っていることがおかしい」といった症状です。早めの診断で治療を始めれば、薬でコントロールしていくこともできます。当院では神経内科の医師が3人在籍していますので、まずは外来でご相談ください。また、治療だけでなく介護保険サービスの利用など、ご家族の負担を軽くしていくサポートを提案しています。ほかにも、がんの緩和ケアにも力を入れており、ターミナル期のケアから、在宅での看取りまで対応しており、連携先の大学病院などでがん治療を続ける患者さんが、ちょっとした不調の際に受診できるかかりつけの病院として併診も行っています。

運営で大切にされていることは何ですか?

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常にスタッフに伝えているのは、「優しい医療を実践しましょう」ということです。患者さんに寄り添う優しい気持ちを大切にしてほしいと思っています。例えば緩和ケアの患者さんを受け入れるとき、患者さんは少なからず病院が変わる不安を抱えていらっしゃいます。その不安に寄り添って気配りすることが大切だと思います。また、医療の現場でもさまざまなことがマニュアル化していますが、必ずしもマニュアル通りでは対応できないこともあります。その時々で「患者さんのためにはどうすれば良いか」を、臨機応変に考えていく。そうした判断力を身につけて、一人ひとりが選べるようになってほしいですね。そのためには、日頃から自分で学んでいく姿勢が大事ですし、病院としてもスタッフが学べる環境を整えて、外部での勉強会にも積極的に参加できるようにサポートしています。自信をもって患者さんのために行動できる、そんな医療人をめざしてもらいたいです。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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さらに地域でお役に立てるよう努めていきたいですね。すでに在宅医療にも関わっていますが、今後はさらにサービスつき高齢者向け住宅やグループホームなどとの連携も強めていきたいです。これからはもっと、医療と介護のネットワークの中心的な役割を私たちが担っていく必要があると考えています。また、健康な方はなかなか病院に来ることはないので、そうした方々への啓発活動や予防医療にも取り組んでいきたいです。病気とまではいかずとも、身体について気にかかっている方もいると思います。私も普段診察をしていて、つき添いのご家族の方から「ちょっとほかのことで相談しても良いですか?」と聞かれることが多々あります。きっと皆さんも健康について聞く機会があまりないのではないでしょうか。だからこそ、誰でも気軽に病院で相談ができ、そして楽しいイベントが開催される、地域に開かれた病院をめざしていきたいと考えています。

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鈴木 正行 院長

1993年に島根医科大学卒業。内科を専門に北病院、等潤病院での勤務を経て、2007年から堀切中央病院に。2017年に院長就任。認知症治療や緩和ケアに積極的に取り組み、地域におけるネットワークを構築。珍しい症例を扱うこともあり、診断がつかなかった患者の病名が判明することもあるという。「診断で不安が解消される様子を見ると、医師としてやりがいを感じます。来て良かったと言ってもらえることが喜びですね」。

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