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社会福祉法人 仁生社 江戸川病院高砂分院

(東京都 葛飾区)

青井 東呉 院長

最終更新日:2020/11/25

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患者の幸福と地域医療への貢献をめざして

中川の水辺に面し、緑豊かな環境が魅力の「江戸川病院高砂分院」。養護老人ホーム高砂園に併設する診療所としてスタートし、以後、60年以上にも及ぶ歴史を紡ぎ続けてきた。現在地への移転後、施設を大幅に改築。現在は高齢者を中心とする慢性期医療だけでなく、急性期の疾患にも広く対応するなど、地域医療に大きく貢献している。青井東呉院長は「高齢化が進み、地域包括医療の重要性がますます問われる今後の社会において、当院の果たすべき役割はますます大きくなるでしょう。長く高齢者医療に携わってきた責任から、介護と医療の相談窓口としても機能したい」と話す。敷地内には特別養護老人ホームやショートステイなどの施設も併設。施設間の連携を生かしたケアにも特徴がある。福祉と医療が一体となったサービスについて、青井院長に話を聞いた。(取材日2016年5月13日)

現在の診療スタイルに至った経緯を教えてください。

Cs1

当院の起源は、1951年。養護老人ホーム高砂園に併設する診療所としてはじまりました。入所されていたお年寄りの中には結核を患った方が大勢おり、それに対応するために開設されたのです。1953年に増床して「高砂養老園病院」となり、1955年には87床に増床。併せて「江戸川病院高砂分院」と改称しました。そして1964年に高砂園が現在地へ移転したのに伴い、1965年には当院も移転。当初は、高砂園に入所している方の健康管理や治療を中心に行ってきましたが、時代の流れや地域の声をうけ、1981年に全面建替えの工事が完成。ベッド数を大幅に増やし、地域の方々の受け入れにも積極的に応じられるようになりました。さらに、1996年には第二期工事を実施。外来診療部門を充実させるなどして、来たるべき高齢化社会に対応する体制を整えました。現在、病床数は99。3人の常勤医師と、約10人の非常勤医師で診察にあたっています。

自然豊かな周辺環境が魅力的ですが、移転当時はいかがでしたか。

Cs2

移転した当時、私は3歳でした。ちょうどその頃、母が当院で医師として勤務しており、母と一緒に病院に来ていましたが、周りはすべて空地ばかりだったことを覚えています。病院は木造平屋の建築で趣きがあり、高砂園も昔の兵舎のような造りで、独特の雰囲気を漂わせていたのが印象的でした。空き地を利用して院内運動会を開催するなど、とてものどかな時代でしたね。現在では、同じ敷地内に特別擁護老人ホーム中川園や、デイサービスセンターの「かつしかケアセンター」が開設されています。さまざまなタイプの施設が併設されていますので、患者さんやご家族の利便性は非常に高いのではないかと考えます。そして、中川や大場川の水辺に面し、水と緑に恵まれた豊かな環境は当院最大の魅力。地の利も生かしながら、大勢のお年寄りに快適で安心な毎日を過ごしていただければと思います。

貴院の方針やモットーを教えてください。

Cs3

常に「みんなのしあわせ」を追求し、思いやりを持って行動するということです。長らく高齢者医療に貢献してきた歴史から「いかにして、人生の終わりを充実したものにしていただけるか」という終末期医療にも積極的に取り組んでいます。患者さん一人ひとりにそれぞれのライフスタイルや生活習慣があり、さらに「こんな治療がしたい」「こういう人生の最終章を迎えたい」といったご希望があります。患者さんをケアするご家族の方にも、それぞれの事情があるでしょう。このような背景をしっかり理解することは、患者さんとご家族にとっての「本当のしあわせ」を考える上で、とても重要です。慢性期医療においては時として高度な先進医療も必要になりますが、私はそれ以上に、患者さんとスタッフが心を通わせ合うような、全人的な治療が大切だと考えています。

他施設との連携体制や、院内設備についてうかがいます。

4

葛飾区の中で当院のような形態の病院は珍しく、地域における高齢者医療の中核的役割を担っているという自負があります。院内設備としては、MRIや全身CTスキャン、腹部エコー、電子内視鏡などの検査機器導入に注力。近隣のクリニックから検査を依頼されることもあり、地域医療のハブとしての役割も果たしています。今後も江戸川病院をはじめとした同系列の施設との連携を深め、相互利用を積極的に展開していきたいですね。検査結果の共有や術後治療の引継ぎなどがスムーズになれば、患者さんの心理的な負担軽減にもなるでしょう。元来、慢性期医療からスタートした当院ですが、現在では急性期から慢性期まで幅広く患者さんを受け入れるようになりました。今後は、高齢化社会のさまざまなシーンに迅速に対応できる「即応力」が重要視される時代。人材の交流なども踏まえ、日々研鑽に努め、患者さんの声に応える医療を提供していければと思います。

読者の方へメッセージをお願いします。

5

住み慣れた地域で自分らしい最期を迎えることができるよう、住まいや医療、介護などが一体的に実現できる「地域包括医療」の構築が国をあげて推奨される現代。福祉と医療を一体化させたサービスを提供する当院の役割は、ますます大きくなると予想されます。現在、多くの方が在宅医療を望んでいますが、すべての方にご自宅でのケアが当てはまるとは限りません。専門家の支援によりご家族の負担が減るケースもありますし、認知症などは専門の施設で早期治療を行えば悪化を防ぐことも可能でしょう。しかし、現在の複雑な医療保険制度では「どの施設を選んだらいいのか」「制度はどれを選ぶべきか」「どこへ相談したらいいのか」などを理解することができず、悩みを抱え込んでしまう方もたくさんいらっしゃると思います。長きにわたり高齢者医療に従事してきた立場からアドバイスさせていただきますので、お困りのことがあれば、どうか遠慮なくご相談ください。

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青井 東呉 院長

1985年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学医学部第1外科入局。太田総合病院、江戸川病院などを経て2010年より現職。幼い頃から、母である青井禮子江戸川病院高砂分院名誉院長が医師として同分院で診療にあたる姿を間近に見て育つ。長く高齢者医療に携わり培ってきた知識と経験を生かし、患者やその家族と親身に向き合い続ける。

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