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医療法人社団玲瓏会 金町中央病院

(東京都 葛飾区)

栗原 英明 病院長

最終更新日:2024/02/06

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良質な医療の提供と地域連携で地域を支える

葛飾区金町を通る水戸街道の郵便局前交差点から少し入ったところにあるのが、「金町中央病院」だ。駅前の商店街や続く街並みに下町の雰囲気が強く残る地域で、60年以上にわたって人々の健康を支え、寄り添ってきた同院。現在は、内科や外科、整形外科、婦人科やリハビリテーション科などを備え、人工透析や内視鏡検査・治療、乳がん検診にも対応し、訪問診療や訪問看護も提供するなど、地域に必要な医療を提供する体制を整えている。そんな同院の院長を務め、「地域の皆さまに信頼され、愛される病院であり続けることが私たちの使命です」と親しみのこもった笑顔で話す栗原英明院長に、同院のことや地域医療にかける思いなどを聞いた。(取材日2023年12月12日)

最初に病院を紹介していただけますか?

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開設から60年以上にわたり、地域の皆さんの暮らしの安全を守りたいという思いで、「誰もが安心してかかれる病院」をめざして診療を続けてきた病院です。現在は、急性期医療に加えて、回復期や慢性期の医療も提供することで、地域医療の中心を担っていくことが当院の役割だと考えています。病床数は99床とそれほど大きな病院ではありませんが、私の出身である東京慈恵会医科大学や日本医科大学、東京大学、順天堂大学など近隣の医学部からも医師を派遣してもらいながら、近年の医学や医療の進歩に遅れることなく、安全に配慮された良質な医療を提供することをめざしています。この地域には、さまざまな生活背景のある方がいます。その中には、例えば積極的医療を希望しない人もいますが、逆に大切な家族にできる限りの治療を受けさせてあげたいという方もたくさんいますので、病院の規模に関係なく、良い医療が提供できる体制を整えることを心がけています。

特徴はどのようなところでしょうか?

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今も少し話しましたが、当院の医師の多くは大学から来ていて、外科ではほぼすべての手術を腹腔鏡で行うなど、大学病院にも劣らないレベルの診療をめざしています。当院で対応できないのは、食道がんや膵臓がんなどICUでの管理が必要なケースで、それは医療のレベルというよりも設備の問題です。消化器内視鏡でも大学から専門の医師が来ていて、総胆管結石に対するERCPなど、高度な治療も提供しています。また、胃や大腸の内視鏡検査は、鎮静剤を使い眠っている間に苦痛が少ない状態で検査を受けることができますし、入院ができるので大きめの大腸ポリープの切除なども可能です。整形外科では、高齢者の骨折が多いですが手術も積極的に行い、車いすではなく自分で立って帰ってもらえるよう努めています。内科についても、かかりつけとしての総合的な診療に加え、糖尿病や肝臓疾患については、それに特化した診療も行い、専門的な治療にも対応しています。

他に力を入れていることはありますか?

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一つは、血液透析医療です。当院には入院の設備がありますから、例えば、骨折をしてしまった透析患者さんは整形外科の治療やリハビリテーションを受けながら、人工透析も受けることができます。このように複合的な理由で利用している患者さんが多くいます。また、入院していた患者さんが、退院してからも極力、当院で人工透析を受けられるよう車いす対応の送迎サービスも行っています。次に、乳がん検診のマンモグラフィ検査にも力を入れています。葛飾区の検診ではマンモグラフィ検査が含まれていますが、以前は保健所など決められた施設でしか受けることができず、その利便性の低さから23区内でも受診率が低いのが問題でした。そこで当院では、マンモグラフィの装置を新しくして、以前より行っていた健診と一緒に受けられるようにしました。マンモグラフィ検査を担当するのは女性の放射線技師ですので、安心して受診していただきたいと思います。

地域医療連携も大切にしていると伺いました。

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当院は小さい病院ですから、歩いて来られる範囲の患者さんがメインです。それに、歴史のある病院でもあり、古くから通ってくださっている患者さんも多く、そういう部分は継承していかないといけないと思っています。そう考えると、当院には高度な専門性は必要なく、先進医療については近隣の大学病院にお任せしています。一方当院が行うべきは、地域包括ケア病棟を活用しながら、もう少し入院加療やリハビリテーションが必要な患者さんを大学病院からお引き受けする病院同士の連携「病病連携」や、地域の開業の先生から、検査や治療が必要な患者さんを紹介していただく病院と診療所の連携「病診連携」。この2つの側面から地域医療に貢献することが大切だと考えています。私自身も地域の病診連携の会に積極的に参加し、顔が見える関係を構築できるよう心がけています。実際葛飾区では、多くの病院の先生が互いに顔見知りだと思います。

病院の運営で心がけていることや今後の展望を教えてください。

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職員の意見を尊重することです。職員が一丸となって地域医療に取り組めば、それが患者さんへも還元されると思うからです。バラバラの状態では、いくら良い医療を提供しようと思っても難しい。そのため、職員からアンケートを取り、アイデアや要望などを書いてもらっていたのですが、そこから訪問看護がスタートしました。このように良いアイデアがあればすぐに実行できるのは、コンパクトな病院の良さですし、アイデアを実際に実行することで職員に当事者意識が芽生え、やりがいにもつながる。このような風通しの良さは大切にしていきたいですね。現在当院は、建物の老朽化に伴い新病院への移転などを検討中です。ただ、場所が遠くになるとご高齢の患者さんたちが通えなくなってしまうため、この近辺で良い場所がないか探しているところです。これからも「誰もが安心してかかれる病院」をめざし頑張っていきますので、金町中央病院をよろしくお願いいたします。

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栗原 英明 病院長

1987年東京慈恵会医科大学卒業。神奈川県衛生看護専門学校付属病院副院長、神奈川県立汐見台病院病院長、東京慈恵会医科大学准教授などを経て2017年より現職。2019年より医療法人社団玲瓏会理事長を兼務。日本外科学会外科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。医学博士。

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