全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,985件の情報を掲載(2024年3月05日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 北区
  4. 北赤羽駅
  5. 医療法人社団博栄会 浮間中央病院
  6. 新型コロナウイルス感染症の後遺症 倦怠感が続く場合は相談を

新型コロナウイルス感染症の後遺症
倦怠感が続く場合は相談を

医療法人社団博栄会 浮間中央病院

(東京都 北区)

最終更新日:2023/06/13

Main z51006 20230518 0024Main z51006 20230518 0024
  • 保険診療
  • 味覚障害
  • めまい

猛威を振るった新型コロナウイルスもワクチン接種や経口薬の開発により対処しやすくなっている中、新たに注目されているのが、いわゆる後遺症と呼ばれる、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状だ。頭痛や関節痛、味覚障害、 不眠症、自律神経失調症など症状はさまざま。中には職場や学校に行けないほどの全身の倦怠感が1年以上続くこともあるが、周囲からはただ怠けているだけと理解されず苦しむ人も多い。こういった全身の疲労感は副腎機能と大きな関わりがあることから、「浮間中央病院」の腎臓内分泌代謝センターでは新型コロナウイルス感染症罹患後に長引く症状を専門に診る外来を開設した。そこで同院の病院長であり内分泌を専門とする福田昇病院長に新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について詳しく聞いた。(取材日2023年5月18日)

全身の強い倦怠感はウイルスが脳や視床下部に障害を与えている可能性が。内分泌内科で専門的な検査と治療を

Q新型コロナウイルスの罹患後症状にはどんなものがありますか?

A

症状について語る福田病院長

咳や息切れといった気道系の症状や、味覚障害、めまいなどが主な症状です。気道系の症状は長く続くこともありますが、対症療法で改善が見込めます。新型コロナウイルスは神経を好んで感染する傾向があり、その症状の1つがめまいですが、こちらも薬を使用すれば1ヵ月ほどで快方に向かうことが期待できます。味覚障害は亜鉛を補っていくことで、時間経過とともに自然と回復していくことが望めます。これらに比べて注意が必要なのが全身の倦怠感です。日常生活に支障が出るような強い倦怠感がある場合、視床下部性副腎不全と筋痛症性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)が疑われるため、内分泌専門の医師による検査が必要になります。

Q視床下部性副腎不全とはどんな病気ですか?

A

明るい雰囲気の院内

健康な人の場合、脳の視床下部下垂体から副腎皮質刺激ホルモンを放出し、副腎から副腎皮質ホルモンを作り出します。副腎皮質ホルモンには血圧や血糖の上昇、食欲亢進、抗炎症作用などがあり、私たちの体をストレスから守ってくれています。新型コロナウイルスが脳視床下部に感染すると、視床下部から脳下垂体への命令が伝わらなくなることで副腎皮質ホルモンの分泌が減り、視床下部性副腎不全の状態に陥りやすくなると考えられています。副腎皮質ホルモンが不足すると、一日中横になっていなくてはいけないほどの倦怠感に襲われたり、運動や発熱などのストレスから回復しにくくなるほか、自律神経症状、微熱、吐き気が残るなどの症状も現れます。

Q視床下部性副腎不全にはどのような検査や治療を行いますか?

A

患者一人ひとりに合った治療を提供している

当院では、2泊3日の検査入院を実施しています。入院1日目に6時、12時、18時、24時に採血し、ホルモンの日内変動を確認します。入院2日目には、下垂体四者負荷試験で体内のホルモンのバランスを、入院3日目には副腎直接刺激試験で視床下部、下垂体、副腎のどこにウイルスが感染しているかを調べます。治療法は、視床下部性副腎不全の場合、ホルモンが足りていないことが明確なので、副腎皮質ステロイドを漢方薬とともに服用していただきます。退院時に予測して必要な薬を出すほか、退院後1週間で検査のデータが出るのでそれをもとに処方します。

Q筋痛症性脳脊髄炎・慢性疲労症候群とは何ですか。

A

遠方からも患者が訪れているという

筋痛症性脳脊髄炎・慢性疲労症候群は、激しい疲労感で体が動かなくなる難病で、倦怠感、筋肉痛、関節痛、自律神経症状と内分泌障害、立ちくらみなどで寝たきりになることもあります。脳の神経組織のさまざまな所にウイルスが感染することで、脳は細分化された命令を出すことができなくなりこのような症状が出るのではないかともいわれています。特徴的なのは、運動した後、時間がたっても運動機能のエネルギーが許容量まで回復せず筋肉痛や全身倦怠感が続き、動けなくなることです。とても重篤な病気ではありますが、この病気は神経変性疾患のように進行性ではなく、治療をすれば改善が期待できるので、安心していただければと思います。

Q筋痛症性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の治療法を教えてください。

A

開放的なリハビリテーション室

慢性疲労メカニズムは不明とされていますが、この病気の患者さんは視床下部性副腎不全を合併し、なおかつ他の場所もウイルスの攻撃を受けていることがあるため、個々の症状に合わせて、漢方薬や抗うつ剤、向精神薬、ビタミンB12の筋肉注射、睡眠障害を改善するための薬などを組み合わせて治療します。また当院では、理学療法士が知覚障害と運動障害の程度を把握しながら、筋力向上のためのリハビリプログラムを実施し、回復が見込める人にはご自宅で取り組んでいただき定期的に状態を確認します。治療期間は、使用する薬や筋力の低下具合にもよりますが、入院が続く場合もあれば、2〜3ヵ月で終わることが期待できる場合もあります。

患者さんへのメッセージ

福田 昇 病院長

1981年日本大学医学部卒業。Montreal Clinical Research Institute研究員、モントリオール大学付属研究所研究員を経て日本大学医学部教員。2003年日本大学医学部専任講師、2005年同大内科学系腎臓高血圧内分泌内科分野助教授、2009年同教授。浮間中央病院では開設当初から非常勤医として勤務。2021年9月より現職。

内分泌系の異常は患者さんにとって耳慣れない言葉も多いため、図やグラフを使って、原因や検査、治療について丁寧に説明をすることを心がけており、罹患後症状のある患者さんには30分ほど時間をかけてお話しするようにしています。新型コロナウイルスの感染後かどうかに関わらず慢性的に疲労している人は、自己免疫性副腎不全など副腎が他の原因で機能していない可能性もあるため、倦怠感などの症状があるときは、内分泌内科を受診してください。副腎機能障害だと診断された人は、負荷がかかると炎症を抑えるホルモンが十分に分泌されないため、お薬が出た場合は必ず服用しましょう。

access.png