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閉塞性動脈硬化症
その症状と具体的な治療法とは

医療法人社団博栄会 浮間中央病院

(東京都 北区)

最終更新日:2022/04/28

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  • 保険診療
  • 下肢静脈瘤
  • 閉塞性動脈硬化症

歩き続けていると足のしびれや痛みを感じるが、少し休むと楽になって、また歩けるようになる――。もし、日常生活でそうした症状を感じているなら、それは足の動脈硬化のために血管が細くなったり、詰まったりする「閉塞性動脈硬化症」を発症しているからかもしれない。放置すると安静時も疼痛に悩まされたり、足が壊死したりする可能性もあるため、ちょっとした変化や不調を見逃さず、早期に治療を開始することが肝心だ。閉塞性動脈硬化症や下肢静脈瘤など、末梢血管疾患の診断と治療を数多く手がけてきた前田英明先生に、疾患の概要や治療法について聞いた。(取材日2022年3月24日)

早期治療・診断が鍵となる「閉塞性動脈硬化症」。歩きにくさやむくみは放置せず受診を

Qまずは、閉塞性動脈硬化症について詳しく教えてください。

A

末梢動脈疾患が専門分野の前田先生

閉塞性動脈硬化症は、全身の血管のうち、手足に血液を循環させる抹消動脈に動脈硬化が起こり、動脈が細くなったり、詰まったりすることによって起こる病気です。歩行時に足が痛み、休憩を挟むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」はその代表的な症状ですね。血液が流れにくくなっているので、冷えや、長く正座をしたときに似たしびれを感じる場合もあります。発症者の80%以上は男性で、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症といったリスク因子を持っている方、70歳前後の方に多く見られます。経験上、ほとんどの方に喫煙習慣があるのも特徴です。

Qどのような検査を行いますか?

A

足の血圧を測定する検査の様子

閉塞性動脈硬化症の診断には、手と足の血圧を測って比較する検査が有用です。健康な方は足の血圧が手の血圧の1倍以上になりますが、足に血行障害が起きていると0.9倍以下になり、1つの目安になるでしょう。併せて、血管の詰まり具合を正確に診断するため、超音波検査やCT検査を行います。当院では、すべての検査で患者さんの負担を軽減できるよう、横たわったまま、または腰掛けたままで楽に検査が受けられる機器と設備を備えています。また、閉塞性動脈硬化症の方は、全身の血管にも動脈硬化が起こっている可能性が高く、頸動脈の狭窄がよく見られます。そこで、頸動脈エコー検査も同時に行って、脳梗塞のリスクヘッジに努めています。

Q治療法についても教えてください。

A

症状に合わせて多様な検査を実施

症状が軽度であれば、薬物療法や運動指導で経過を観察することになるでしょう。疼痛が和らぎ、歩行障害も改善につながれば、こうした保存療法を継続します。症状が改善しない場合、もしくは受診した段階で進行が認められる場合は、血管内治療である「カテーテル治療」もしくは外科治療である「バイパス手術」を行います。カテーテル治療は狭くなった血管に有用で侵襲が少ない治療法ですが、長い血管にはバイパス手術のほうが適しています。当院ではどちらの治療も行っているので、対象部位が広範囲にわたる場合や、部位によって適切な治療法が異なる場合は、血管内治療と外科治療を組み合わせたハイブリッド手術で対応することも可能です。

Qカテーテル治療について、詳しく教えてください。

A

広々とした手術室の様子

局所麻酔をして動脈内にカテーテルを通し、狭くなった血管をバルーンで広げたり、再び狭くなるのを防ぐためにステントを留置したりします。物理的に血管を広げることによって、足の血流の回復・維持を図る治療法です。外科手術に比べるとかなり侵襲が少なく、高齢の方でも体への負担が少ないでしょう。入院期間も短く、だいたい2泊から3泊で退院していただくことが可能です。

Qバイパス手術についても教えていただけますか。

A

患者の状態、血管の状態に合わせた治療を心がける

患者さん自身の血管や人工血管を用いて、詰まりや狭窄のある血管を橋渡しする形で新しい血液の流れを作ることが目的の外科手術です。治療を要する血管が長い場合や、曲げ伸ばしを伴う関節部分の血管などステントを留置することができない場合などに有用ですね。全身麻酔での外科手術なので、1~2週間の入院が必要です。侵襲性の観点から、近年は低侵襲なカテーテル治療が盛んですが、すべての症例でカテーテル治療が最善であるとは限りません。場合によっては、動脈を傷つけて予後を悪化させることもあります。患者さんの状態、血管の状態をよく見極め、前述したハイブリッド手術を含めて、その人にとって適切な治療を選択することが重要です。

患者さんへのメッセージ

前田 英明 先生

1987年日本大学医学部卒業。1998年より板橋病院外科2科外来医長。ドイツHegau Klinikumへの留学を経て、板橋病院外科2科科長、超音波検査室室長、血管外科部長を歴任。2021年より現職。日本外科学会外科専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医。特に末梢血管疾患に対する診断治療を得意とし、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼却術、胸部・腹部大動脈瘤へのステントグラフトも行う。

閉塞性動脈硬化症は、足のしびれや痛みなど、最初に症状が出る範囲は限定的です。しかし、足にこうした症状が出た場合、無自覚のまま全身の動脈硬化が進んでいる可能性が高いことを知っていただきたいと思います。動脈硬化が進めば、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など、命に関わる疾患を引き起こしかねません。しかし、早期に治療を開始すれば、歩きにくさなどの改善を図って生活の質を向上させ、他の病気を予防することがめざせます。早期診断・早期治療のため、足のむくみやしびれ、歩きにくさなどの症状がある方は、閉塞性動脈硬化症の診断・治療経験が豊富な専門の医師がいる施設や、専門性の高い血管外科を受診することをお勧めします。

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