医療法人社団中央白報会 白報会王子病院
(東京都 北区)
井下 博之 院長
最終更新日:2026/03/09


透析・腎臓・整形外科を柱に地域を支える
1950年の開院以来、王子の地で地域医療を担ってきた「白報会王子病院」。血液透析に加えて腹膜透析にも対応し、通院が難しい患者の選択肢を広げている。体調悪化時には入院設備を生かして速やかに入院・検査・治療に移行できる点が大きな特徴。シャント狭窄に対する手術も行い、院内で一次対応を完結できる体制を整える。整形外科は順天堂大学医学部附属順天堂医院との連携を土台に、肩・腰・膝などの手術のほか、高齢者の転倒骨折から手の外科まで幅広く対応。内科系と外科系が連携し、全身管理も含めて支える姿勢も特徴だ。2025年9月には透析室と2・3階病棟の改修が完了し、パーティションや感染症対応の個室を整備し、患者が快適に過ごせる環境へと刷新した。同院が力を注ぐ透析医療や腎臓内科、整形外科について、井下博之院長に話を聞いた。(取材日2026年1月19日)
こちらの病院の歴史と地域での役割について教えてください。

1950年に「貴家(さすが)病院」として開院後、「貴友会病院」への改称を経て1988年に新築移転し、地域の医療需要に応える体制を整えてきました。2015年からは「医療法人社団中央白報会 白報会王子病院」となり、在宅療養支援病院として、地域から信頼される「患者さま中心の医療」に取り組んでいます。開院当初から連携する順天堂大学医学部附属順天堂医院からは専門性の高い医師の派遣を受けており、透析医療と整形外科を中心とした高度かつ良質な医療の提供に努めているのも当院の特徴です。さらに、グループ法人や地域の医療機関と連携し、発病から在宅まで安全性を重視した医療の提供に注力しています。日々の診療でも、紹介を受けた患者さまには可能な限り対応し、必要に応じて当院から医療機関へ足を運んで直接お会いし、連携を深めています。当院での対応が難しい場合には大学病院などと連携し、搬送を含めて次の医療へつなげます。
御院の透析医療の強みを教えてください。

当院は血液透析に加え腹膜透析にも対応しています。腹膜透析は自宅で行えるため、週3回の通院が難しい方や、仕事を続けながら治療したい方、自宅で療養したい方にとって選択肢となります。血液透析のような穿刺が不要である一方、管の接続など自己管理が必要なため、希望や生活状況、手技の可否を踏まえて一緒に方法を選んでいきます。当院では月1回の通院で腹膜透析の状態を確認し、トラブル時も迅速に対応できる体制を整え、入院設備もあるため体調を崩した場合もすぐに入院し検査・治療を開始できます。血液透析のシャントトラブルにもPTAや手術で対応し、院内で一次対応を完結できるようにしています。難しい症例は連携先へ速やかに紹介します。また腹膜透析は、窪田実名誉院長が段階的に導入するSMAP法に日本国内でも早くから取り組んできた経緯があり、経験が豊富な点も当院での腹膜透析を検討していただく際のポイントの一つとなっています。
腎臓内科の取り組みについて教えてください。

遺伝性の希少疾患「ファブリー病」にも対応しています。この病気は、発見が遅れると心不全や腎不全に至り、命に関わることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。国として新生児スクリーニングに組み込む流れがあり、導入が進めば早期に見つかる可能性が高まりますが、当院は小児科がないため直接の受診につながるケースは多くありません。一方で疑わしい症状や所見があれば検査を含めて対応していく考えです。若年期の四肢末端の痛みや発汗低下のほか、タンパク尿や心電図異常など腎・心の所見から気づくこともあり、必要時に相談できる体制を整えています。また2026年4月からは腎臓内科外来を立ち上げます。慢性腎臓病は早期発見・早期治療が重要で、腎機能の低下は心臓への負担や脳梗塞のリスクにも関わるとされています。透析に移行する人を一人でも減らし、必要になった場合でも導入までの期間をできるだけ延ばすことを目標にしています。
整形外科についてはいかがですか?

整形外科は、順天堂大学医学部附属順天堂医院との連携を土台に診療体制を築いています。肩・腰・膝など幅広い部位で手術を含めた対応が可能で、手術件数も増えてきています。非常勤ですが順天堂の教授クラスの医師が毎週来て手術を担当しており、アスリートの患者さんにも多くご来院いただいています。一方で、地域医療の現場で多いのは高齢化に伴う転倒や骨折であり、転倒による下肢の骨折など日常生活の中で起こる外傷にも幅広く対応しています。骨折は治療が遅れると活動量の低下や寝たきりにつながりやすいため、早期の治療とリハビリテーションを重視しています。また、整形外科部長は手の外科のスペシャリストで、手根管症候群や腱鞘炎など手の領域の手術にも対応しています。さらに当院では内科との連携も重視しており、整形外科単独では対応が難しい内科的な合併症や全身状態の問題についても、内科がバックアップできる体制を整えています。
読者へのメッセージをお願いいたします。

当院は2025年9月に透析室と2階・3階病棟をリニューアルし、明るく過ごしやすい雰囲気になりました。透析室はプライバシーに配慮したパーティションを設け、必要時に感染症対応ができる個室も用意したほか、更衣室を含む動線も見直し、更衣から透析室までを1フロアで完結できるようにしました。今後は外来や地下1階の手術室なども順次改修していく予定です。当院では、透析や整形外科に加えて他科領域も一定程度カバーできる体制を整えています。眼科は常勤医が在籍し、消化器内科は非常勤医が週2回、内視鏡検査を担当しており、人間ドックだけでなく入院中や外来の検査にも対応しています。透析医療と腎臓内科、整形外科を柱に、領域を越えて連携しながら対応できる体制を整え、安心して受診いただける医療の提供をめざしています。地域の医療機関とも連携しながら、必要なときに頼っていただける病院であり続けたいと考えています。

井下 博之 院長
2002年順天堂大学医学部卒業。順天堂大学腎・高血圧内科、米国ケース・ウェスタン・リザーブ留学、江東病院血液浄化センターなどで研鑽を積み、順天堂大学腎・高血圧内科准教授、同大医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター腎・高血圧内科科長を経験。2025年9月より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/5万1700円~、内視鏡検査/1万9580円~





