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武蔵野陽和会病院

(東京都 武蔵野市)

長倉 和彦 理事長

最終更新日:2022/12/28

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患者と家族、職員が尊重し合う医療を大切に

武蔵野市民公園のすぐ隣という緑あふれる環境で、地域密着の医療を展開しているのが、「武蔵野陽和会病院」だ。1961年に「西窪病院」として開院し、2006年に現在の場所に移転したのを機に現在の名称に変更した同院。泌尿器科とリハビリテーション科を中心に、内科や外科、整形外科など地域に必要とされる診療科を備え、関連のクリニックや訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、介護つき有料老人ホームなどと連携しながら、急性期から回復期、在宅療養のサポートまで地域完結型の医療の提供をめざしている。そんな同院の理事長で、「患者さんと一緒になって病院を作っていきたいですね」と話す長倉和彦先生に、同院のことについて詳しく話を聞いた。(取材日2022年11月15日)

まずは、病院を紹介していただけますか?

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当院は内科と外科、整形外科、泌尿器科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、総合診療、訪問診療まで、地域に必要とされる医療に幅広く対応しています。内科では、内科一般のプライマリケアに加え、消化器内科、腎臓・膠原病部門、循環器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、神経内科などは専門の外来も行っています。外科では、胃がんや大腸がんなど消化器の悪性疾患に加え、胆石・胆嚢炎、鼠径ヘルニア、肛門疾患、虫垂炎などの良性疾患にも対応しています。リハビリテーション科では、入院患者さんの早期離床をめざしベッドサイドからリハビリテーションを開始しているほか、50床の回復期リハビリテーション病棟も備え、脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などの四肢・骨盤骨折、そのほかの急性期治療を終えた患者さんが後遺症としての障害を克服し、家庭や社会に戻れるようリハビリテーションを提供しています。また、地域包括ケア病棟も運用しています。

先生が専門の泌尿器科の診療についても教えてください。

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尿路結石や前立腺肥大をはじめとする良性疾患に加え、前立腺や膀胱、尿管、腎臓などのがんの手術も行っています。尿路結石には、体外衝撃波砕石治療や内視鏡レーザー治療のほか、腎臓の大きな結石に対する経皮的内視鏡手術など、あらゆる部位やタイプの治療が困難な結石にも対応しています。尿路がんの治療では、一部の進行がんを除いて内視鏡や腹腔鏡を用いた手術を行っており、低侵襲で早期回復、機能温存を最重点として、特に腎がん、腎盂尿管がん、前立腺がんでは腹腔鏡による手術を、ほぼ全例に行っています。 前立腺肥大症には、レーザー核出法(HoLEP)で手術しています。当院の泌尿器科は、杉並区や西東京市、清瀬市、保谷市、三鷹市などの泌尿器を専門とする医師からの紹介も多いですね。また、非常勤の女性医師による外来も週に数回、行っています。

貴院の特徴はどんなところでしょうか?

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初診の患者さんに対し一般的な病院では、まずは診察をして、次に検査は何日、その結果は何日、次の検査は何日、その結果はいつというように時間がかかってしまうことが多いかと思います。そこで当院では初診で来た患者さんの検査をして、診断をして、必要なら手術の予約までを当日の午前中に終える体制を整えました。放射線診断の医師が常勤でいて、CTやエックス線撮影、生化学やがんマーカーなどの血液検査の結果も数十分から1時間程度で、結果が出せるような体制にしています。よほど診断の難しい患者さんや、あるいはいきなり腎臓がんだと言われて本人が驚いて、家族と相談しますというようなケースを除けば、多くの場合で当日午前中に手術のスケジュールまで決まります。また、回復期リハビリテーションでは、武蔵野赤十字病院や杏林大学医学部付属病院などからも多くの患者さんを受け入れています。

病院を運営する上で心がけていることはありますか?

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病院の存続意義というものを、すごく考えています。病院は、地域の人たちに役立つ施設でないといけない。一方で、それはわれわれの施設でなくても、ほかの医療機関でも良いわけで、もし当院がなくなっても、それに代わるものがあれば良いのです。ならば、われわれでないといけない理由は何なのかと考えると、当院で働いている職員と患者さん、そのご家族の協調関係があって、お互いに尊重し合う中で医療を提供することなのではないか。そのためには、職員が当院で働くことに幸せを感じることが大事ですから、それができる職場づくりは、私としては非常に重要視しているつもりです。そして、その結果として患者さんのためになることが一番大切ではないかと考えています。そういう意味では、病院の一番の財産はスタッフです。ですから、一人ひとりのスタッフが育つための努力には、できるだけ応援して、積極的にサポートするよう心がけています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当医療法人では、当院に加えて介護老人保健施設、健診施設、人工透析クリニック、介護つき有料老人ホームの運営や、訪問看護なども行っています。当院を長年ご利用いただいている人たちは、若い頃から体調が悪い時には来ていただいて、透析が必要になったら透析クリニックを利用してもらって、高齢になったら老人ホームなどに入っていただくというような地域に根ざした形はこれからも変わりませんので、引き続き努力していきたいと思います。そして、当院の患者さんや地域の皆さまへのお願いですが、医療は施すものではなく、患者さんとわれわれ医療者が協調してつくっていくもので、それをご理解いただきたい。患者さんには自分の思っていることを正直に伝えていただき、こちらの話も聞いて理解していただく。お互いがお互いのことを尊重することが大切だと思います。そうすることで、一緒になって当院をつくっていってほしいと、ぜひお願いしたいと思います。

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長倉 和彦 理事長

1976年慶應義塾大学卒業後、同医学部泌尿器科学教室に入局。関連病院勤務、琉球大学医学部助手、防衛医科大学校講師などを経て同院。泌尿器科医長を経て2001年より現職。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。東京泌尿器科医会会長。医学博士。

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