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医療法人社団大坪会 北多摩病院

(東京都 調布市)

万代 恭嗣 病院長

最終更新日:2023/03/14

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地域の人が安心できるよう医療を提供

1977年の開設以来、地域住民の健康を守り続けてきた「北多摩病院」。開設当初から透析治療や一般内科など慢性期疾患を中心に対応。現在はそれに加えて循環器内科、腎臓内科、神経内科、整形外科など、地域のニーズに合わせた治療体制を整えているほか、二次救急を受け入れる救急病院として夜間も当直医を配置し24時間体制で対応している。このように急性期病院として医療を提供する一方で、大規模病院での急性期治療後の回復期や療養期の患者の入・退院支援も積極的に行っている。まさに「地域に根ざしたより良い医療と安心を提供します」という理念を掲げている同院について、2018年4月に病院長に就任した万代恭嗣先生に話を聞いた。(取材日2018年7月23日/再取材2022年1月11日)

地域における役割をどのように考えておられますか?

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当院では急性期病院として、自宅や介護施設から入院される人が多い一方、急性期治療が終わった後の回復期や療養期の患者さんも積極的に受け入れています。急性期病院が平均在院日数をできるだけ短くする傾向にある中、当院では患者さんを受け入れた後、そのまま退院していただくのか、または療養病棟へと移行するのかを適切に見極める機能も果たしています。リハビリテーション等が必要で退院までもう少し時間が必要な患者さんなども受け入れ、退院後のより良い生活やご家族の受け入れ態勢なども加味して対応にあたっています。私も以前は高度急性期病院と言われるような病院に勤務していましたが、この病院はその次の段階の人を診る役割を担っており、それはまさに日本の医療の縮図の中で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。的確な療養や治療が受けられないということがないように支えることが北多摩病院の大きな役割だと感じています。

地域連携、病病連携が円滑に行われているとお聞きしています。

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地域での連携はもちろん、病院間での関係性もこれまでさまざまな交流を通じて築いてきました。杏林大学医学部付属病院、武蔵野赤十字病院、慈恵医大第三病院、東京都立多摩総合医療センターなど近隣の大規模病院とは顔の見える関係で、お互いに業務をうまく分担できています。また患者さんの住まいはこの地域になくても、ご家族が近隣にお住まいであることから遠方の病院よりご紹介いただくこともあります。私は20年ほど病棟からは離れていましたが、病棟にいると総合的に診療できる医師の重要性がよくわかります。当院のような中規模の病院では、総合診療の機能と相談室とが連携し、患者さんをいかにうまく引き受けるかが大切なので、紹介状を見て、人工呼吸器管理の患者さんなども含め、一定程度の重症患者であっても問題がない場合には迅速に受け入れるというスタンスで対応しています。また病院ごとの得意分野を互いに理解し相談し合う関係でもあります。

看護師をはじめスタッフとはどのように連携されていますか?

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当院は看護師たちが主体となって極めて働きやすい環境をつくってくれています。各階に看護師長や主任とは別にリーダーが配置されているのですが、このリーダーに指示をすると病棟全体に情報が共有され、またリーダーのところに集まった情報が集約されこちらの耳に入ります。患者さんのそばにいる看護師が情報を得て、それに合ったアイデアも出してくれるので、お互いに相談し合い今後の方針を立てることができます。他のメディカルスタッフについても同様で、コンパクトにまとまっている当院の中で、看護師を中心とした機敏性が感じられます。そういったスタッフの働きもこの病院の特徴だと思います。リハビリテーションスタッフもとても意欲的で、患者さんとともに互いにモチベーションを高め合いながら進めています。また必要性を感じたらみんなでさっと協力し比較的短期間で実践に移すような機動力にもあふれています。

院長として感じていることはありますか?

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院長に就任し約5年。リハビリテーションや慢性期医療に対する見方・考え方が固まってきました。当院には肺炎で入院されても心臓病や糖尿病など複数の疾患をお持ちの方も多いので、常勤の医師、非常勤の医師、看護師、メディカルスタッフをはじめ病院全体で力を合わせて、患者さんを総合的に診ていけるよう、お互いにカンファレンスなどを通じて相談しながら取り組んでいきたいです。当院には各科の専門医師がそろっていますので、どの患者さんにも必要最低限のことには適応できるように、各医師の専門性を生かしつつも総合的診療の内容をより一段とレベルアップさせていきたいと思っています。高齢化社会は今後も続きますが、私たちのような地域の病院は急性期病院では扱いにくい整形外科手術などを積極的に担うべきと考えているので、さらに強化していきたいところです。

地域の方へのメッセージをお願いします。

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当院では電話をする際必ず「お忙しいところすみません」と一声かけます。私の好きなリスペクトという言葉は、日本語では尊敬するという意味になりますが、私は相手をおもんばかる、思いやるという気持ちも含まれていると思っています。ただ尊敬するだけではなく、相手の立場や仕事を尊重し、互いにプロとして相手を受け入れた上で自己主張する。そういった雰囲気が当院には根づいています。それが患者さんへのこまやかな心遣いや安心・安全な医療のための姿勢にもつながっているのです。もし入院されたら、適切な医療を提供しお手伝いしながらご自宅等へお帰りいただけるよう、そしてより良い生活を取り戻していただけるようお手伝いします。北多摩南部地域の急性期後、あるいは地域包括ケア病棟のような役割を担う病院として、何か起こった際には「北多摩病院に」と言っていただければうれしいですし、そういう実感を得られる病院にしていきたいと思います。

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万代 恭嗣 病院長

1974年東京大学医学部卒業後、同大学医学部付属第二外科学教室入局。社会保険中央総合病院(現・東京山手メディカルセンター)外科部長・副院長・病院長を歴任し、2018年4月より現職。日本外科学会外科専門医、日本超音波医学会超音波専門医、日本臨床外科学会会長など。休日には贔屓の蕎麦屋での一杯を楽しみにしている。

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