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医療法人 啓仁会 吉祥寺南病院

(東京都 武蔵野市)

藤井 正道 院長

最終更新日:2024/04/15

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救急からリハビリまでを包括した地域医療を

若者やファミリーでにぎわう吉祥寺駅周辺から、南に約10分歩くと見えてくるのが「吉祥寺南病院」だ。15年ほど前、古くから地域にあった個人病院を医療法人啓仁会が引き継いで現在の体制となったという同院。以来、吉祥寺に暮らす人々の「安心」を守るため、武蔵野市に3つある二次救急医療機関の一つとして、地域医療を支えてきた。藤井正道先生が院長に就任した2022年からは救急対応にさらに力を入れ、より多くの患者の受け入れができる体制を整備。急性期治療後も手厚いリハビリテーションを通じ、早期の社会復帰をサポートしている。「良い結果につなげるには、医療従事者と患者さん双方の力が欠かせません。チーム医療を通じ、皆さんができるだけ早く住み慣れたわが家に戻れるよう支えていけたら」と藤井院長。今回は、そんな院長に同院の特徴や力を入れていること、地域への想いなどについてじっくり語ってもらった。(取材日2023年12月1日)

こちらはどんな病院なのでしょうか?

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一言で言うと、吉祥寺地域を支える二次救急医療機関です。二次救急とは、けがや病気で入院や手術が必要な人を24時間365日体制で診る医療のこと。消防署や警察署のない町に住みたい人はいませんよね。同じように当院も町の構成要素として、地域の方が安心して暮らせるよう「断らない救急」をめざしています。実際、2022年11月から2023年11月までの受け入れ数は、約2350件でした。これは市内でも多く、100床規模の病院としてはかなりの実績だと自負しています。それが実現できるのは、スタッフの力があってこそ。救急病院の役割を全うしようと、試行錯誤しながら一緒に取り組んでくれることに感謝しています。当院はこうした救急体制に加え、急性期治療と回復期リハビリを一貫して行うことで、患者さんができるだけ早く住み慣れた地域に戻れるよう支援しています。

診療面で力を入れていることを教えてください。

2

整形外科と脳神経外科です。整形外科は僕の専門分野でもあり、当院では2022年12月から2023年11月までの間に約550件の整形外科手術を行いました。多いのは骨折や外傷、膝・肩・股関節などの関節疾患で、関節疾患では各種関節鏡視下手術、肩や膝・股関節の人工関節手術を主に行っています。一方、脳神経外科では救急対応が多いのが特徴。先進のMRI やCTを導入しており、脳血管障害や頭部外傷などの1分1秒を争うケースでも迅速な判断ができるのがメリットですね。また治療後は早期退院をめざしたリハビリも行います。というのも整形外科や脳神経外科の疾患は、いくら良い治療をしてもそれだけでは完結せず、治療後の機能回復をめざしてトータルで診ることが結果につながると考えています。そこで、当院では多職種と連携しながら退院後の生活を見据えたプログラムを組み、術前・術後のリハビリを行うなど手厚いサポートをしています。

退院後の生活を見据えたサポートも行っているのですね。

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僕たちの役目は、できるだけ早く患者さんがこれまでと同じような生活を送れるようにすること。ですが、この辺りは独居の高齢者も多いので、患者さんが退院後に困らないよう、その方の普段の暮らしを踏まえた治療・ケアを提供することが欠かせません。その際に必要なのが、多職種の力。医師とともに、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らがそれぞれの専門性を生かして取り組んでいます。チーム力を上げるために、月1回、僕が講師となって勉強会を実施し、全員の知識・技術の向上も図っています。勉強会では教科書と臨床現場をつなげられるような実践的なアドバイスを心がけていますね。実は僕が入職した13年前、整形外科の患者さんは非常に少なかったんです。それが現在では当院の特徴の一つになるほど、地域の皆さんに頼っていただけるようになったのは、急性期治療後のサポートを含め包括的な支援を行ってきたからだと思います。

先生が診療において心がけていることがあれば、教えてください。

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患者さんに「ご自身の状態について理解してもらうこと」、これに尽きます。例えば、膝が痛いという方に、湿布と痛み止めを出して「はい、終わり」では、治療とは言えないのではないでしょうか。満足していただける結果を出すには、医師やスタッフの力に加え、患者さんご自身の頑張りが必要です。そこで、診療時はご自身の体に何が起きているのか、それはなぜ起こったのか、治すためにはどうしたらいいのかを必ず伝えていますね。その際、絵を描くなどしてわかりやすく説明することも心がけています。近年「チーム医療」が叫ばれるようになりましたが、チームを構成するのは医師やスタッフだけでなく、患者さんもその一員なんです。だからこそ、理解を深めてもらえるようなアプローチをすることが大事だと感じますし、僕だけでなく当院のスタッフ全員に同じ気持ちを持ってほしいと思っています。

最後に今後の展望と地域住民に向けたメッセージをお願いします。

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まずは、建物や設備の老朽化が進んでいるので、病院の建て替えを少しでも早く進めたいですね。以前から計画はあったのですが、昨今の世界情勢の影響もあって資材の高騰が進み、足踏みしている状態。もうしばらくお待ちいただければと思います。完成した暁には、より快適な診療環境を整え、これまで以上に質の高い医療の提供をめざしていきます。また診療内容に関しては、脳神経外科の診療に今まで以上に注力したいですね。というのも、救急に関しては市外から運ばれてくる脳疾患の患者さんも多く、地域の皆さんの安全を守るためには、さらなる受け入れ体制の強化が必要だからです。こうしたニーズに応えることが、地域に根差した二次救急医療機関としての僕たちの使命でもあります。今後も吉祥寺に暮らす人々の安心と健康を守っていけるよう、スタッフとともに力を尽くしていきたいと思います。

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藤井 正道 院長

2001年昭和大学医学部卒業。救急病院である福岡県の福岡和白病院や佐賀県の武雄市立武雄市民病院に勤務し、救急と外科分野の研鑽を積む。キャリアとしては形成外科からスタートし、脳神経外科、整形外科を経験後に日本整形外科学会整形外科専門医を取得。2010年吉祥寺南病院に入職、2022年より現職。数多くの執刀経験を生かして幅広い外傷治療に関わりながら、地域に根差した救急病院を作るため日々邁進中。

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