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医療法人社団済安堂 井上眼科病院

(東京都 千代田区)

井上 賢治 理事長

最終更新日:2023/08/16

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広い眼科分野それぞれを専門の医師が治療

明治初期に創設され、140年余の眼科診療の歴史を持つ「井上眼科病院」。その第11代院長であり、2つの病院・3つのクリニックからなる井上眼科病院グループを束ねる井上賢治理事長は、「当院グループは『目の総合病院』をめざし、多様な症状・病気に対応した診療を、それぞれ専門の医師が診ていく体制を整えています」と話す。同じ敷地内の「お茶の水・井上眼科クリニック」と一体となり、クリニックが外来診療を担い、同院では手術など入院・日帰り入院に特化した診療を行う点も特徴だ。また、見えづらさにより生活に支障を来たしているロービジョンの患者に対し、20年以上前から医療と福祉の両面でサポートに取り組んできた。視力に障害があってもなくても気持ち良く過ごせるよう、院内はユニバーサルデザインの考えをもとに、適度な照明と明瞭な院内案内、使いやすいトイレや家具など各所に工夫がされている。「当院での受診を望まれる大勢の患者さんのためにも、高度な診療内容を次世代につなぐ使命を感じています」と話す井上理事長に、同院での診療の特徴や診療方針を詳しく聞いた。(取材日2023年7月6日)

病院創設から140年を超えた今の思いをお聞かせください。

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1881年に創設者の井上達也が駿河台に済安堂医院を開設した後、「井上眼科病院」は1981年に現在地へ移転し、しばらくして同じ敷地にお茶の水・井上眼科クリニックを設けました。加えて、首都圏に西葛西・井上眼科病院、大宮・井上眼科クリニックを開設。2019年には札幌・井上眼科クリニックもオープンさせるなど、現在は2病院・3クリニックを持ち、井上眼科病院グループとして広範な地域で診療を行うようになっています。各院の専門性を高めることはもちろんですが、このような長い歴史と実績を持つグループを、さらに次世代に引き継ぐことも私の使命だと感じています。診療面でも当グループは密接に連携し、特にお茶の水・井上眼科クリニックと当院とは一体的に診療を行っています。このほか、当院には地域の大学病院などからご紹介のあった難症例の方も多く、患者さまが日本全国から来院されるのも特徴の一つでしょう。

診療面ではどのような特徴があるのでしょうか。

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当院では手術などで入院・日帰り入院が必要な方の治療を担当します。治療で最も多いのは、白濁して見えづらくなった水晶体を人工の眼内レンズと置き換える白内障手術です。2022年度(2022年4月〜2023年3月)の当院の手術実績6235件のうち4738件を占め、これには難症例や糖尿病などの合併症がある方の手術も含まれます。このほか緑内障、眼瞼下垂、斜視、角膜移植の手術なども行っています。また、当院では患者さまの選択の自由度を高めるため、例えば白内障手術では保険適用の単焦点眼内レンズのほか、選定療養の多焦点眼内レンズ、自由診療となる多焦点眼内レンズまで広くご用意しています。より精緻な手術が期待できる多焦点眼内レンズとフェムトセカンドレーザーによる手術も選択可能で、一人ひとりの生活スタイルに適した見え方を実現し、単に見えるだけでなく「より快適に見える」ための治療をめざしています。

専門的に対応される症状・病気も幅広いと伺いました。

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当院および隣接するクリニックでは一般的な眼科の病気のほか、多様な症状・病気に対応した専門の診療を行っています。その対象は白内障、緑内障、眼瞼、視神経の病気、網膜硝子体、ドライアイ、ロービジョン、小児などで、屈折矯正では角膜を極力削らず眼内にレンズを入れる有水晶体眼内レンズ挿入術など、新たな技術を用いた治療も行っています。それぞれの分野に専門性を持つ医師を配置し、例えば私は緑内障、副院長は白内障の難症例などに対応。角膜や屈折矯正手術についてはお茶の水・井上眼科クリニックの院長をはじめ複数の医師が治療を担当します。ただ、当院では手術だけをお勧めする訳ではありません。患者さまの症状、現在の生活、ご希望に応じた治療がご提供できるよう、各治療法のメリットとデメリットをきちんと説明することを心がけ、ご本人が納得された上で治療法をお選びいただいています。

こちらの診療方針について教えてください。

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当院グループは患者さまの立場を考えて診療を行う「患者さま第一主義」のほか、「実証医学(EBM)に基づいた検査と治療」「眼の総合病院の確立」を基本理念としています。「患者さま第一主義」は接遇面だけでなく、医師が専門的知識や技術を患者さまのニーズに合わせて提供することなども含み、当院グループが時代に即した高度な医療をご提供するのも、この基本理念に沿ったものといえます。さらに今後は、AIによる高精度な診断などが眼科分野にも普及するとを期待し、EBMを重視しながら新たな技術も積極的に導入したいと考えています。このほか「目の総合病院」として、糖尿病網膜症など内科と関係の深い病気の患者さまにも対応します。当院の医療連携室がご紹介元の医療機関と連携し、患者さまの詳細な情報を受け取り、ご紹介後の状況についてこまやかに連絡し、手術後はご紹介元の医療機関に診ていただくことを基本としています。

ロービジョンケアにも以前から取り組まれていますね。

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私の専門である緑内障のほか、目の病気や加齢によって視力低下や視野の狭窄などが起き、例えば「メガネを使っても手元の文字が見えにくい」「まぶしさで生活に支障が出ている」といった症状の人は増えています。こうした方が、残された視力を使って生活の質を維持・向上させるロービジョンケアは、超高齢社会での大きなテーマと私は考えています。当院ではロービジョンを専門とした外来診療に加え、ロービジョンの方やそのご家族から相談を受ける「目の相談室」も1999年に開設。医療ソーシャルワーカーが就業や生活の相談を受け、社会福祉制度の情報提供を行い、視能訓練士が補助具選定のお手伝いをしています。ご希望があればPCのトレーニングなどもご紹介します。140年以上も眼科診療を行ってきた医療機関として、ロービジョンの方の社会参加を後押しする活動にも力を入れたいと考えています。

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井上 賢治 理事長

1993年千葉大学医学部卒業後、1998年東京大学大学院医学系研究科修了。東京大学医学部附属病院分院(現・東京大学医学部附属病院)眼科医局長、名戸ヶ谷病院眼科部長、井上眼科病院附属お茶の水・眼科クリニック(現・お茶の水・井上眼科クリニック)院長を経て、2008年に同院母体である医療法人社団済安堂の理事長に就任。2012年から井上眼科病院院長を兼務。日本眼科学会眼科専門医。専門は緑内障ほか。

自由診療費用の目安

自由診療とは

フェムトセカンドレーザー白内障手術+多焦点眼内レンズ/85万円(税込)
有水晶体眼内レンズ挿入術/乱視矯正なし 35万2000円(税込)、乱視矯正あり 40万7000円(税込)

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