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一般社団法人衛生文化協会 城西病院

(東京都 杉並区)

笠原 督 病院長

最終更新日:2020/11/25

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専門的な糖尿病治療で地域の健康を支える

荻窪駅から歩いて10分ほどの青梅街道沿いにある「城西病院」。環状8号線と青梅街道が交差する四面道交差点からはすぐの場所だ。1949年に開設されてから、地域に根差した病院として長年医療を提供してきた同院。特に力を入れている糖尿病治療では、杉並区における糖尿病診療の基幹病院の一つとして年間1500人以上の患者を診療している。糖尿病治療のエキスパートでもある病院長の笠原督先生は、「健診での早期発見で、できるだけ早く治療をスタートさせることが合併症など症状の悪化を防ぐことにつながる」と、予防を呼びかけている。急性期治療を終えた患者を受け入れ、リハビリテーションで在宅復帰までをサポート。さらに復帰後は、訪問診療や緊急時の受け入れ体制を整え、一貫した医療が受けられるのが特徴だ。地域に密着した病院として住民たちとのつながりを大切にしている同院が、今後どのような医療をめざすのか、笠原病院長に話を聞いた。(取材日2017年11月8日)

まず病院のあゆみについて教えてください。

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当院が開設されたのは1949年。地域に密着した病院として、住民の皆さんの健康を支えてきました。1975年には主に企業への巡回健診に対応するため健康管理部を整えるなど、予防に対しても早くから取り組みを開始。2005年に現在の場所に新築移転し、急性期治療を終えた患者さんを受け入れて在宅医療へとつなぐ役割を果たすケアミックス病院として、機能の充実を図りました。現在、診療科は内科・眼科・整形外科・リハビリテーション科で、一般病棟50床と療養病棟49床があり入院にも対応しています。当院では40年以上にわたって糖尿病治療に力を入れてきましたが、当初はあまり知られていなかった糖尿病が外来をスタートさせてから10年ほどで増加。今では年間を通して多くの患者さんの入院治療を受け入れており、医師だけでなく各専門スタッフがチームを組んで治療にあたっています。

糖尿病治療ができる病院として果たす役割は大きいですね。

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当院では血糖値、インスリン値、ヘモグロビンA1cの値が測定できますので、その場で結果が分かります。外部の検査機関に依頼をした場合、結果が出るまでに数日かかるのに比べると、リアルタイムで数値を測定し、すぐに診断できることで症状に応じた迅速な治療が可能になります。治療においても、薬の開発が進み、良い状態で管理しやすくなってきています。インスリン療法についてはほとんど外来で対応。早くに治療をスタートすることができれば、症状の軽いうちに薬で抑えることもできますからね。以前は糖尿病の薬で太ってしまうケースがありましたが、現在は薬の進化によってそれも抑えられます。外来では糖尿病を専門とする医師が診療するほか、糖尿病の専門的な知識を持つ管理栄養士が食事について指導を行っています。薬はあくまで補助的なものとして、食事療法と運動療法で自己管理をしながら改善させるのが基本です。

高齢化でニーズが高まる診療にも力を入れられているそうですね。

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整形外科では変形性関節症や変形性腰椎症、脊柱間狭窄症の治療など需要が高いものを扱っています。高齢者に多いリウマチに対してはリウマチ科を開設。痛みが伴う疾患ですので、近くの病院で治療を受けることができれば、患者さんにとって大きなメリットとなると思います。以前は骨が変形するまで診断がつきませんでしたが、検査によって初期の段階でも診断が可能になりました。痛みがあればすぐに検査をして、早めに治療を始めましょう。神経内科では認知症の診断、治療を行っています。認知症は診断が難しい病気ですので、専門の医師による診療が重要です。また、糖尿病に関連して眼科での眼底検査、内科での尿アルブミン検査、身体所見から神経障害をチェックするなど、合併症の治療にも病院全体として取り組んでおり、足の壊疽(えそ)を治療するフットケアの外来も月に2回開設しています。

地域の中ではどのように連携をとられていますか?

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2015年に一般病棟のうち25床を地域包括ケア病棟に移行し、在宅復帰までの流れをスムーズにさせるとともに、訪問診療で急変があった場合に患者を受け入れられるよう体制を整えました。医師会とも連携をとりながら、この地域の中で患者さんを診ていけるような医療の実現をめざしています。当院は急性期治療を終えた患者さんを受け入れ、回復期治療やリハビリテーションで在宅復帰までの支援を行っています。そのためリハビリテーション科には専門の医師を配置し、各種リハビリスタッフが手厚くサポート。一方で訪問診療にも力を入れ、患者さんが退院後にも一貫性のある治療が継続できるのが特徴です。もし在宅復帰後に急変があれば、当院に入院していただくことも可能ですし、緊急のショートステイにも対応しています。在宅医療だけでなく、近隣の介護施設とも連携をとっていますので、患者さんやご家族のニーズに合わせた医療を提供できると思います。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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当院の特徴でもある糖尿病治療では、院内で患者さんやご家族に向けて月に2回の糖尿病教室を開催しているほか、地域住民に向けて年に一回、区民健康講演会を開催するなど、予防のための活動にも力を入れています。特に重症化を予防するために、杉並区の保健所や開業医院と協力する体制も整えました。そうした活動を続けながら、地域のニーズに応える医療を提供していく。最近では「できるだけ自宅で暮らしたい」と希望する患者さんが増えていますので、在宅診療の機能はますます求められていくと考えています。地域に密着した病院として、在宅の患者さんを支えていくことが大きな使命です。まずは城西病院の存在を地域の皆さんに広く知っていただきたい。そのために毎朝「挨拶通り」と称して、病院が面する通りにて看護部長、事務長が率先して挨拶運動をしています。病気のときだけでなく、健康なときにも病院の存在を身近に感じてもらえればうれしいですね。

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笠原 督 病院長

1968年に鳥取大学を卒業。同大学の第一内科に入局し、恩師である平田幸正教授のもとで糖尿病を専門に研鑽を積む。1975年に東京女子医科大学糖尿病センターが開設されたことを受けて移籍し、同年から城西病院で週に1回の糖尿病を専門とする外来をスタートさせる。1986年に副院長に就任し、1993年から現職。糖尿病の重症化予防のために杉並区との連携にも注力。日本糖尿病学会糖尿病専門医。

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