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要町病院

(東京都 豊島区)

吉澤 孝之 院長

最終更新日:2020/11/25

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多分野における先駆的治療に豊富な実績

東京メトロ有楽町線要町駅から徒歩すぐ。開院して55年以上にわたり地域医療に貢献してきた「要町病院」はある。病院の役割を地域のかかりつけ医と大学病院や総合病院をつなぐ“中継地”と位置づけ、患者一人ひとりと向かい合いながら、きめ細かな医療サービスを実践。院長を務める吉澤孝之先生は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療や睡眠時無呼吸症候群治療の専門家として研鑽を積んできた医師だ。副院長を務める吉澤院長の弟、吉澤明孝先生は緩和ケアが専門であり、また腹水治療では松崎圭祐先生を迎え、がん治療も提供。「高度な専門分野を持った医療スタッフと強力に連携しながら、地域の方々のニーズにあった医療をこれからも提供していきたい」と語る吉澤院長に、日々の診察にかける想いを熱く語ってもらった。
(取材日2014年5月14日)

要町病院を開院されたのは、お父さまだそうですね。

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父は北海道の生まれで、北海道大学を卒業後、東京に移り当院を開院しました。産婦人科の医師で、夜中でもお産があれば出かけていくことが多かったですね。そんな環境で育ちましたから、私も弟も物心つく頃には自然と医学の道を志すようになりました。父は私が28歳のときに突然亡くなり、急遽後を継ぐことになったため苦労もありましたが、地域の方々や、事務長をはじめ病院のスタッフに助けられながらここまで継続してきました。当院の基本理念は「和顔愛語(わげんあいご)」。柔和な顔つきとやさしい言葉遣いを指す仏教用語です。この言葉にのっとり、穏やかで親しみやすい振舞いを大切に、きめ細かなサービスを提供したいと考えています。また、医療の道は日々の勉強が大事ですから、スタッフ全員が常に謙虚な姿勢で、研鑽を積むことも重要です。研究会や学会への参加・発表など、学ぶ環境づくりを後押ししています。

地域医療に貢献する病院としての役割についてどうお考えですか。

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隣接する板橋区には、日本大学や帝京大学の付属病院など高度医療を提供する病院が複数ありますが、残念ながら豊島区内にはそうした病院がほとんどありません。そこで私たちは当院を、地域のかかりつけ医と高度医療施設をつなぐ“窓口”と位置づけました。大学病院の病床が空くまで当院で入院治療を行いながら待機していただいたり、急性期の治療後に再び入院して症状が落ち着いたらかかりつけ医にお戻ししたりと、医療の中継地として地域に貢献したいと考えています。当院の診療科目は多岐にわたり、副院長でもある私の弟は、麻酔科の医師としてがん末期患者の緩和ケアに尽力するほか、腹水治療専門の松崎圭祐先生を中心にがん治療や肝硬変治療を提供するなど、各分野のスペシャリストと幅広い医療を展開しています。私自身は呼吸器科にて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対する呼吸リハビリテーションを行っています。

COPD治療の特長について教えてください。

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COPDは生活習慣病の中でも増加傾向にあり、日本の潜在的な患者数は2001年実施のNICEスタディと呼ばれる大規模な疫学調査研究では500万人とも言われています。原因は主に喫煙習慣で、有害な空気を吸い込むことで気管支や肺胞が炎症を起こし、空気の出し入れがうまくいかなくなり、息切れなどの症状につながります。多くの患者さんが診断や治療を受けておらず、当院ではこの状況を改善すべく、呼吸リハビリテーションや禁煙治療に力を注いでいます。合わせて、喫煙をニコチン依存症という病気として捉え、保険による禁煙治療も展開。医学に携わる私達の責任として、禁煙治療に対する喫煙者の関心を高め、タバコの害について啓発していくということも重要な課題だと考えています。いったん治療を終えた方が再び外来へ戻って来られた時でも、患者さんの「禁煙しよう」という動機を後押しし、患者さんの立場に立った治療を心がけるようにしています。

睡眠時無呼吸症候群治療の専門家としても活躍されていますね。

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睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中にいびきとともに呼吸が止まり、日常生活に支障をきたしたり、健康障害を発生したりする病気。睡眠時無呼吸症候群が原因となって交通事故が発生するケースもあり、この病気に対する社会的注目度も高まっていますよね。治療には、CPAP(シーパップ)というマスクで鼻に空気を送りこみ、一定の圧力を気道にかけて狭窄や閉塞を防ぐという方法が行われています。私が日本大学病院に勤務していた時に所属していたチームで、この治療を早期から取り組んでいました。自力では立ち上がれないくらい太ってしまった患者さんに対し、利尿剤と併用してCPAP治療を実践したことが印象に残っています。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を合併し、重症例では心不全から突然死の原因になることもあります。なにより早期の治療が肝心ですから、これからも知識の啓発に努めていきたいと思っています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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現在、睡眠障害を患っている方が非常に増えています。睡眠は人間の健康にとても大切で、心身の疲労を回復したり、記憶を定着させたりと、さまざまな役割を担っているんですね。でも、「夜になかなか眠れない」という不眠症をはじめとして、日中に眠気が止まらなかったり、朝早く目覚めてしまったりなど、健康的な睡眠が取れていない方が少なくありません。日本人は忍耐強い性格のためか、睡眠障害に悩んでいても我慢をしてしまい、治療を受けずに一人で抱え込んでしまうことが多いんです。もし、今そうした障害で悩んでいる方がいらっしゃったら、ぜひ一度、診察を受けていただきたいと思います。特に、1ヵ月以上症状が続いていて、日常の生活に不自由を感じていらっしゃる方は、症状や診察結果から、その原因となる疾患に応じた治療を受けることが大切になってきます。早目の受診をお勧めします。

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吉澤 孝之 院長

1983年日本大学卒業。専門は呼吸器科。COPD(慢性閉塞性肺疾患)や禁煙治療、睡眠時無呼吸症候群に対する先駆的な取り組みを多数実践する。趣味は自宅での読書。特に日本の小説家の作品を好み、作者や登場人物の人生観に触れることで自身の人間的な成長に役立てているという。若いスタッフに「どんどん小説を読みなさい」と勧めることもしばしば。

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