
プロフィール1984年帝京大学医学部卒業。1998年平塚胃腸病院副院長、2002年から院長を務める。2010年に医療法人社団卓秀会を設立し、理事長に就任。日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医。思いやりのある医療、信頼される質の高い医療の実践をめざしている。豊島区医師会で医療全体の体制整備にも力を注いだ。
国内でも早くから内視鏡を導入した専門病院

1958年に私の父が、東京厚生年金病院の外科に勤務をしながら、夜間だけ診療を開始したのが始まりです。そして、1963年にまだはしりだった内視鏡に出会い、内視鏡の診療を始めたそうです。当時は日本に数台しかなく、多くの先生方が当院で研究をし、学会で発表することで消化器と内視鏡の専門病院としてだんだんと成長していきました。また、1972年からは、当時はまだ新しかった人間ドックも始めております。現在、当院で消化器専門の検査や治療を行い、分院として池袋の平塚胃腸クリニックで人間ドック、池袋藤久ビルクリニックでも消化器専門の検査や治療、そして新宿センタービルクリニックで人間ドックと内科・消化器の外来診療と、合計4院で役割を分担して、健康のサポートを行っています。

現代は技術進歩により治療で開腹手術までする必要が少なくなり、ベッド数が40床となった今でも十分対応できるようになりました。また、早期胃がんや早期大腸がんも内視鏡や腹腔鏡で治療ができるようになり、入院しても長くて10日間、短ければ3日間程度で退院できますので患者さんへの負担はかなり軽減されたと思います。当院の患者さんで多いのは、胃の定期検査を受ける方です。ピロリ菌除菌治療を受けても胃がんになることはあるので、定期的な検査は必要です。逆流性食道炎や、これといって病変は見つからないのに胃腸の不調を訴える機能性ディスペプシア、腸では過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病なども多いです。消化器系においては幅広い症状で当院に来院いただいております。最近は肛門疾患にも注力しており、大腸肛門病学会大腸肛門病専門医の医師3名が診療にあたることにより、あらゆる肛門疾患にもさらに対応できるようになりました。

病気を早期に見つけ、できる限りお待たせしないで適切な治療を行っていることです。一番の特徴は内視鏡ですが、遅くてもおよそ2~3週間で検査が行えるよう体制を整えており、症状の緊急度に応じてすぐに検査できるようにしています。また、早期の胃がん・大腸がんなどが発見された場合は、当院で内視鏡による切除も行います。超音波やCTでの胆嚢、肝臓、膵臓の検査や、腹腔鏡での胆嚢摘出や虫垂切除、大腸切除、胆石の手術も行っています。当法人の健診施設で要精密検査、要治療という結果が出たときは当院でスムーズに治療を受けられるようになっていますし、地域の医療機関とも連携しておりますので、ご紹介いただいて来院される方も多いです。また、地域の病院として皆さんのお役に立ちたいという考えから、一般的な生活習慣病などにも対応し、通院されている方も大勢おりますし、肛門疾患でも毎日の診療を提供できる体制を整えております。

これをやっておけば必ず病気にならないというものはないのですが、まず一度はピロリ菌の検査を受けておいたほうが良いですね。そして暴飲、暴食、早食い、朝食を抜く、食べてすぐに横になることは、消化器への負担になりますから控えたほうがいいでしょう。アルコールを飲まれる方は、週に1回は休肝日を設け、量は1日1合半程度に抑えていただきたいですね。大腸がんに関しては、野菜不足と高脂肪食が原因の一つといわれていますから、野菜の摂取の重要性は普段から患者さんに伝えています。あとは年に1回、便の潜血反応検査を受け、陽性であれば大腸内視鏡検査を受けたほうが良いです。胃の検診では、国の進める”がん検診”に胃内視鏡も近年導入されました。当院でも積極的に内視鏡による胃がん検診に取り組んでおりますので、ぜひ検査に来ていただければと思います。他にも膵臓や胆嚢の超音波検査やCT検査も一度は受けていただきたいですね。

小学校の高学年くらいから、なんとなく医者になりたいという思いがありました。父は帰ってくるのが毎日遅くて、日曜日はいつも原稿を書いているか学会に行っているか、仕事一途な人でした。私はそんな父を尊敬していました。だから継ぎたいと思ったのです。そんな家庭環境で育ったので、医者になるイコール、消化器の医者だったんです。読者の皆さんで、おなかの調子が悪い、何か体の具合が悪いと感じる方は、気軽にご相談ください。実際に当院を受診される方で、話をするだけの方もいらっしゃいます。無症状であっても検査はぜひ定期的に受けてほしいです。当院では痔の治療も積極的に行っていますが、病状によっては放置しては重篤化することもあります。痛みや出血の自覚症状がある場合は恥ずかしがらずにご相談していただければと思います。