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全身性疾患との関連性も見据えて
腎臓病のトータルケアを実践

国家公務員共済組合連合会 虎の門病院

(東京都 港区)

最終更新日:2022/06/13

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  • 保険診療

腎機能や腎障害が続く慢性腎臓病は自覚症状がほぼなく、気づいた時には悪化していることが多い。透析前の保存期であれば、食事制限や血圧管理、薬で進行を遅らせることも望めるが、透析が必要な末期腎不全になると、体内にたまった老廃物を除去するための腎代替療法を受けることになる。1963年に腹膜透析を行って以来今日まで多くの腎臓病の患者を支えてきた「虎の門病院」の腎センターでは、栄養管理、血圧管理、腎不全治療を3本の矢とし、あらゆるステージの腎臓病に対して診断と治療を行っている。膠原病に精通する医師がそろい、腎臓内科とリウマチ膠原病内科の両分野からのチェックにより、的確な診断と迅速な治療につなげられるのも強み。腎センター内科部長代行の長谷川詠子先生に診療の特徴について聞いた。(取材日2022年4月28日)

膠原病など関連疾患の豊富な知見と他科との連携を生かして、幅広い腎臓病の治療に対応

Qどういったことが原因で腎機能は低下するのですか?

A

腎機能低下の原因について語る長谷川部長代行

腎臓の機能の低下は、腎臓病や生活習慣、さらには生まれ持った遺伝的な要素や出生児の体重などとも関わりがあるとされ、原因は複数考えられます。男女差はそれほどありませんが、腎機能は男性のほうが若干良いとされていて、機能低下が同じように起こったとしても予備能力に多少の違いが生じる可能性があります。腎機能の低下はわかりづらく、健康診断や尿中微量アルブミン検査によって、早い段階で慢性腎臓病を見つけて適切な治療につなげることが重要です。

Q腎機能低下の進行を抑えるためにすべきことはありますか?

A

年に1度は健康診断や人間ドックを受け、腎臓の働きを表す推算糸球体濾過量(eGFR)や、尿中微量アルブミンの値などを調べましょう。腎臓は静かにバランスを取っている臓器なので、悪化しないと症状が出ず、気がつかないうちに病状が進んでしまうことがあるからです。最近では、慢性腎臓病や腎性貧血に対する新しい薬が開発され、当院でもSGLT2阻害薬やHIF-PH阻害薬などの新しい薬を積極的に取り入れて処方しています。腎臓の治療は大きく進歩し、透析の導入時期を大きく遅らせることも期待できる「攻めの時代」になりました。治療の選択肢も増えていますから、少しでも異常があれば早めに腎臓内科に相談することをお勧めします。

Q慢性腎不全に対する取り組みについてお聞かせください。

A

他科、多職種で連携し、最適な治療内容を検討する

腎生検を多く行い、管理栄養士や看護師による保存期の管理のための外来も開設しています。腎不全の後期の段階では、血液透析、腹膜透析、腎移植をバランス良く提供。看護師を中心とした事前相談のための外来で、時間をかけて各治療法のメリットやデメリットを説明し、年齢や環境に合った方法を相談しながら決めていきます。以前は極限まで透析を導入しないケースもありましたが、今は適切な段階で透析を開始します。積極的に栄養を取りながら運動プログラムをこなす腎臓リハビリテーションも取り入れ、腎臓内科・腎臓外科の医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など多職種が連携して治療をサポートしています。

Qこちらでの透析の特徴を教えてください。

A

新薬の登場で、透析導入を遅らせることも期待できるという

透析においても、トータルケアが最大の特徴です。透析導入後も定期的にエコー検査を実施し、早期に狭窄を見つけて重症にならないうちに治療をするなど、責任を持ってシャント管理を行います。オンラインHDFの導入はもちろんのこと、幅広い血液浄化療法に対応していることが強みですね。2019年4月~2020年3月の当院における透析・血液浄化療法の件数は述べ1万2527件と、数多くの症例に対応してきました。患者さんの闘病の歴史と、それに伴う先人の努力から得た治療の伝統、さらには腎臓外科をはじめとする各診療科との協力で、専門性の高い診療を実現できています。

Q腎不全以外にも力を入れている病気はありますか?

A

多発性嚢胞腎、糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病合併膠原病の診療経験は豊富で、全国から多くの患者さんの紹介があります。特に多発性嚢胞腎では巨大化した腎臓を小さくするための腎動脈塞栓術を分院と連携して行うとともに、嚢胞感染の治療や嚢胞増大抑制に向けたさまざまな取り組みを行っています。遺伝性の病気であるため、遺伝診療部と連携して遺伝に関するカウンセリングを行い、患者さんのさまざまなニーズに応える診療を心がけています。

Q腎臓病と膠原病のつながりは深いのですね。

A

腎臓病と膠原病の両分野から総合的に診療するという

腎臓病は、全身性疾患との関連が深い疾患です。膠原病もその1つで、膠原病の中に透析が必要な腎臓病を引き起こす全身性エリテマトーデス(SLE)があったり、関節リウマチや膠原病に慢性腎臓病を合併する場合があったりします。当院は膠原病に精通する医師がそろい、腎臓内科とリウマチ膠原病内科の両分野からチェックを行うことで、総合的に症状を診ることができます。採血だけでなくエコー検査を行い、関節リウマチの「見える化」にも取り組んできました。関節リウマチの治療は、生物学的製剤の登場で著しく進化し、病気をコントロールしやすくなってきています。より良い予後をめざして、今後も先進の治療を積極的に取り入れてまいります。

患者さんへのメッセージ

長谷川 詠子 腎センター内科部長代行

2004年北海道大学医学部卒業。虎の門病院前期研修医、後期研修医を経て、2009年より虎の門病院腎センターリウマチ膠原病科医員。2019年より腎センターリウマチ膠原病科医長を務め、2022年より現職。日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医。

膠原病と腎臓病が強く結びついていることは、一般の方にはあまり知られていません。腎臓病と膠原病の両方の観点で診療できることは、当院ならではの強みだといえるでしょう。 腎臓病は、昔の印象と違って、適切なタイミングで適切な治療をすれば進行の抑制が期待できる病気になりつつあります。蛋白尿、血尿を指摘された、透析と言われた、透析後のシャント管理、多発性のう胞腎をはじめとする遺伝性腎疾患など、患者さん一人ひとりの価値観やライフスタイルに応じた治療をご提案してまいりますので、お気軽にお問い合わせください。

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