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公益財団法人 心臓血管研究所付属病院

(東京都 港区)

上嶋 徳久 院長

最終更新日:2023/10/24

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循環器疾患の高度医療と救急医療に尽力する

地下鉄六本木駅から徒歩数分の好立地にある「心臓血管研究所付属病院」は、その名のとおり心臓血管研究所に付属する病院で、循環器領域のさまざまな病気に対する専門性の高い医療を提供している。同院の診療対象は病院からの紹介に限らず、一般の患者も広く受け入れ、地域医療に長く貢献してきた。上嶋徳久院長は今後の方針として「循環器分野の救急医療にもさらに力を入れます」と話す。夜間救急では経験豊富な医師が2人で対応するなど、時間を問わず適切な診療の提供をめざしており、一般の患者も急患の場合は24時間受診可能で、急に胸が苦しくなったときなどに利用できる。診療面では循環器内科に3つの専門の部門を設け、より専門的な治療に対応。心臓血管外科との一体的な診療体制で多様な治療の選択肢を提供できるのも強みだ。「当院は循環器内科、心臓血管外科ともに、患者さんの体への負担に配慮した低侵襲治療を実践しており、患者さんのご不安を減らせるよう診断・治療も迅速です」と言う上嶋院長に、同院の特徴などを詳しく聞いた。(取材日2023年8月17日)

病院の成り立ちや特徴をご紹介ください。

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当院の母体は1959年に開設された心臓血管研究所で、臨床に立脚する研究を行い循環器医療の発展に寄与してきました。当院はそんな研究所の付属病院で、病床74床とコンパクトながら、精度の高い医療機器、先進的な治療を行えるカテーテル室・ハイブリッド手術室などの設備を備え、循環器分野に特化して医師・スタッフをそろえたことで、成人の循環器疾患全般に幅広く対応できるようになりました。例えば循環器内科は、「冠動脈疾患・構造的心疾患カテーテル治療」「不整脈」「心不全」といった専門部門に分けて、各部門に精通した医師を配置し、高度な診療技術・治療技術を提供しています。また、当院の医師の多くは研究にも従事し、臨床と研究の双方から医療に貢献しています。研究を通して、新たな知識を学び続け、そこから得た最新の知見を病院での診療に還元するようにしています。

紹介で来られる患者さんの他、一般の患者さんも受診可能だとか。

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はい。地域の医療機関から診断や治療のご依頼を多くいただきます。特に循環器内科の冠動脈疾患部門には、一般的にはカテーテル治療では難しいとされる症例のご紹介も目立ちます。例えば完全に詰まってしまった冠動脈に対して、積極的にカテーテル治療を行っています。また、不整脈部門には、放っておくと脳血管にも障害を起こしかねない心房細動の患者さんのご紹介が増加傾向で、カテーテルアブレーションの治療を提供しています。研究所付属病院という名称のせいか、一般の患者さんには受診のハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、当院は開設当初から「地域医療の向上」を理念とし、事前予約があれば紹介状なしで受診していただけます。オンライン予約も可能ですから、ぜひ多くの方にご利用いただきたいですね。受診当日には心エコー・CTを含め必要な検査を受けることができ、迅速で精密な診断・治療を心がけています。

体への負担に配慮した低侵襲治療にも注力されると伺いました。

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前述した循環器内科の各種カテーテル治療は、心臓や血管に対する低侵襲治療の代表例ですが、2021年からは、カテーテルを使って胸を開けずに心臓の大動脈弁を治療する「経カテーテル的大動脈弁留置術」、通称「TAVI」を実施しています。また、2023年からは心房細動の患者さんの脳梗塞予防に、血栓ができやすい左心耳と呼ばれる心臓の部位を閉鎖する「経皮的左心耳閉鎖術」も実施可能になりました。また心臓血管外科手術の分野では、右胸を小さく切開して、3D胸腔鏡を用いて治療部分を確認しながら行うMICS(低侵襲心臓手術)を実施しています。切開部は3cmと小さく、手術後の痛みなど体への負担が軽減できるのはもちろん肋骨を切らずに治療するので、入院期間も1週間程度と短く早期の社会復帰も望めます。大血管の動脈瘤に対しては、胸やおなかを開けずに、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を使ったカテーテル治療を行っています。

救急医療などそのほかの診療面の特徴を教えてください。

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当院は循環器分野に特化した専門病院ですが救急告示病院でもあり、循環器の救急患者さんを24時間365日受け入れています。一般の方も急病のときに電話でご連絡をいただくと24時間診療が可能です。夜間でも診療経験の豊富な医師2人が常駐し、必要なときは待機中の医師が駆けつけます。CTなどの検査は夜間でも専門のスタッフが行うため、時間を問わず適切な診断・治療ができます。今後は救急診療体制を拡充し、より多くの救急医療のニーズに対応したいですね。この他、当院は心臓リハビリにも力を入れています。心臓手術後の患者さんの回復支援に始まり、心不全などの病気を抱えながら生活するための心臓リハビリも対応しています。皆さん心臓に問題を抱えていらっしゃるので、体への負担を考慮して科学的根拠に基づく適切な運動療法を行っています。さらに退院後の通院による心臓リハビリに加えご自宅でできるプログラムもご提案します。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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当院は循環器の専門病院として地域の先生方からのご紹介を広く受け入れています。地域連携の窓口は診療連携室ですが、当院と連携登録いただいている医療機関でしたら当院の医師に直接連絡できるホットラインも利用可能です。患者さんは紹介状がない場合でも、直接お電話をいただくかホームページにあるオンライン予約で診察を受けることができます。入退院をサポートする窓口を2023年に開設した他、当院退院後の外来診療でも診療面での悩みやご不安に看護師が丁寧に対応。メンタル面でのサポートも充実させています。動悸や息切れなどがあっても、循環器の病気と気づいていない方も多いのではないでしょうか。症状は軽い間が治療の選択肢も多く、痛みが少ない治療を受けやすいですから、かかりつけの先生や当院に早めにご相談ください。診断から治療までのご不安な時間をなるべく減らせるよう迅速かつ柔軟に対応させていただいています。

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上嶋 徳久 院長

1995年東北大学医学部卒業。いわき市立総合磐城共立病院(現・いわき市医療センター)での臨床研修を終え、1999年心臓血管研究所に入職。研究とともに付属病院で診療にあたる。2009年東京医科歯科大学大学院修了後、2011年までイギリスの国立大学であるカーディフ大学に留学。2016年心臓血管研究所付属病院循環器内科心不全担当部長に就任し、2023年4月から現職。専門は心不全の診断・治療など。

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