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乳腺外科、形成外科の密接な連携で行う
乳がん治療と乳房再建手術

NTT東日本 関東病院

(東京都 品川区)

最終更新日:2022/01/27

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  • 保険診療
  • 自由診療
  • 乳がん

国立がん研究センターの統計によれば、日本の女性の9人に1人が乳がんになるとされ、40代以降はそのリスクが急速に高まるという。社会的に重要な役割を果たす世代でもあり、早期発見と適切な治療の選択はさらに重要になってきた。「NTT東日本 関東病院」の乳がん専門施設となるブレストセンターの乳腺外科部長を務める沢田晃暢先生は、「2年に1度の乳がん検診を基本に、乳がんになりやすい方は毎年の検診も検討を」とアドバイス。さらに同センターの形成外科部長を務める伊藤奈央先生は、「現在は保険診療の範囲でも、さまざまな乳房再建の手法を選べるようになりました」と乳房再建手術の実情を示す。乳がん治療と乳房再建の現状、若い世代の乳がんなどについて、沢田先生、伊藤先生に詳しく聞いた。(取材日2021年9月14日)

自分に合った乳がん治療を選ぶ時代。保険診療で行う乳房再建手術も視野に入れた選択を

Q乳がんの早期発見のために注意する点をお聞かせください。

A

乳がんについて語る沢田先生

【沢田先生】乳がんは若い方や男性でもかかる病気ですが、特に乳がんになる人が増える40代以降の女性は、2年に1回は乳がん検診を受けていただきたいと思います。乳がんの初期段階は自覚症状がほとんどなく、ご自分で触ってわかる大きさになったときは、かなり進行していることがほとんどです。多くの乳がんはゆっくりと成長するため、2年に1度の検診でも早期発見に役立つと考えられます。ただ、乳がんの一部は遺伝性といわれ、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんなどになったご家族・ご親戚がいる場合は、ご本人も乳がんになるリスクが高いと思われます。そうした方は毎年検診を受けることも検討してください。

Qほかに乳がんになりやすいタイプ、生活習慣などはありますか?

A

定期的な乳がん検診が早期発見の鍵

【沢田先生】遺伝子以外では、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが乳がんの成長に関与すること、妊娠でエストロゲンの働きが弱まることはよく知られています。このため、出産経験のある女性より出産経験のない女性のほうがエストロゲンの影響を受けやすく、乳がんになりやすいといえます。このほか、閉経後に急に太った方もエストロゲンの影響を受けやすいタイプで、やはり乳がんの発症リスクは高いと考えられます。一方、食事やサプリメントなどが乳がんに影響するという明確な研究結果は今のところありません。不正確な情報に惑わされるより、ご家族やご親戚の病歴も参考に、定期的に乳がん検診を受けていただくことが大切だと思います。

Q40代より若い世代の乳がんの特色を教えてください。

A

若い世代の乳がん治療では自身の希望を伝えることが大切

【沢田先生】「AYA世代(思春期および若年成人世代)」と呼ばれる15歳から39歳の間に乳がんになる方は、あまり多くはありません。しかし、この世代は乳がん検診の対象ではなく、ご自分で乳がんに気づかれたときは、すでに進行している可能性もあります。加えて、就職や結婚など人生の大きな出来事を次々に迎える時期と重なり、特にAYA世代の女性の場合は妊娠、出産への影響を心配される方がほとんどでしょう。治療自体はほかの世代と変わりませんが、治療後も妊娠を考えたいという方にはホルモン療法を避けるなどの対応が必要になります。ですから、治療する医師に将来の希望をはっきりお伝えいただくことが大切です。

Q治療後に乳房が再建できる可能性は高いのですか?

A

乳房再建について語る伊藤先生

【伊藤先生】同時再建は適応が決められていますが、乳がんの治療後は多くのケースで乳房再建が見込めます。現在は保険診療の範囲でもさまざまな手法を選べるようになりました。多く選ばれるのは人工乳房を使う再建で、手術も1時間から1時間半ほどで済み、がんを切除した傷以外に傷ができないこと、早期の社会復帰を期待できることがメリットです。しかし人工物のため時間がたつと破損が懸念され、決まった形しか再現できないなどデメリットもあります。一方、ご本人の組織を使って再建を図る方法は、一度定着すれば自分の体の一部となって年月とともになじんでくれますが、組織を取った場所に傷が残る、入院期間が長くなるという点があります。

Q再建の手法はどのように決まるのでしょうか?

A

乳房再建は複数の方法から患者の希望に沿って行われる

【伊藤先生】複数の再建法の中から、患者さんのお胸の形や体型、ライフスタイル、趣味、ご希望を伺いながらご相談して決めていきます。例えば人工乳房は決まった形しか作れず、患者さんもともとのお胸の形によっては左右のバランスが非対称に見えてしまいます。そこで当院では事前に術後のイメージを共有して再建法の選択に役立てていただいたり、健側の自費診療も含め診療を受けられるようにしています。また自家組織法は2週間ほどの入院となり、退院後しばらくは組織を取った傷に注意して行動する必要があります。すぐに方法が決められない場合まず組織拡張器を入れ、二期的に自家組織かインプラントに入れ替えるというご提案も行っています。

Q乳腺外科と形成外科が協力するメリットを教えてください。

A

両科が協力して乳がん治療から乳房再建を行う

【沢田先生】乳がんの診断・治療から乳房再建までをトータルにご提案できるのが、大きなメリットといえます。従来は乳がんの治療と同時にエキスパンダーを入れて乳房の皮膚を伸ばし、2回目の手術で人工乳房を入れるのが一般的でした。しかし患者さんの乳房の状態によっては、両科が連携して乳がんの治療と乳房再建手術を同時に1回で行うことも可能です。
【伊藤先生】私の隣室で沢田先生が診療されていますから、乳腺外科の治療と乳房再建のタイミングなどを気軽にご相談でき、患者さんにその結果をお伝えすることができます。また診察に必要な超音波診断装置がすぐに使えるなど、乳腺外科と一体になったことで検査機器も充実しました。

Q両科が一体になったブレストセンターの特色は何でしょうか?

A

【沢田先生】当センターは乳がんをはじめとした乳腺の病気を診断・治療する専門施設で、乳腺外科、形成外科が密接に連携して診療し、腫瘍内科、麻酔科、日本看護協会がん化学療法看護認定看護師などを加えた定期カンファレンスにより治療方針を決定しています。また同じフロアにある腫瘍内科、放射線科と協力して化学療法や放射線治療も行っています。男性の受診も考え、全体はナチュラルな雰囲気で統一したほか、一般の外来とは違う場所に設置されたことで、どの患者さんもほかの診療科をほぼ意識せずに受診していただけるでしょう。マンモグラフィや超音波診断装置も備え、多くの検査をあまり移動せずに受けることができるのもメリットです。

患者さんへのメッセージ

沢田 晃暢 乳腺外科部長

1989年昭和大学医学部卒業。1995年同大学大学院医学研究科修了。医学博士。昭和大学病院、山梨赤十字病院、都立墨東病院などに勤務。昭和大学医学部准教授を務め、2019年4月から現職。日本乳癌学会乳腺専門医、日本外科学会外科専門医。専門は乳がん、乳腺症、乳腺線維腺腫、乳腺炎、女性化乳房症良性疾患など。AYA世代や男性の乳がんについての啓発活動、治療にも力を入れる。

伊藤 奈央 形成外科部長

2005年信州大学医学部卒業。2013年昭和大学大学院医学研究科修了。医学博士。昭和大学病院、佐賀大学医学部附属病院、前橋赤十字病院、東京共済病院などを経て、2019年に入職。日本形成外科学会形成外科専門医。専門は乳房再建。人工乳房(インプラント)を用いた再建法、自家組織を用いた各種の再建法など。

【沢田先生】乳がんの治療にはさまざまな選択肢があり、部分摘出を望まれる方、全摘出を考える方、乳房再建も検討される方など、ご希望はさまざまでしょう。もちろん生存率にこだわることは最も重要ですが、それに加えてご本人の思いを伝えていただくことが、納得のいく治療の第一歩です。乳がんが疑われる方は当センターにご相談ください。
【伊藤先生】乳房再建が望めるということを多くの患者さんに知っていただき、まずは安心してがんの治療に専念していただきたいです。当センターでは人工乳房、自家組織による再建術や、健側の自費診療にも対応するなど幅広い手法をご案内できますので、ぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

健側の自費診療
・外来の簡単な縮小術 11万円(税込み)
・入院の複雑な縮小術 77万円(税込み)

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