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医療法人横浜未来ヘルスケアシステム 戸塚共立いずみ野病院

(神奈川県 横浜市泉区)

高橋 竜哉 院長

最終更新日:2024/02/26

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新たな取り組みで地域医療の充実を図る

横浜市営地下鉄ブルーラインの立場駅から相鉄いずみ野線方面を結ぶ通り沿い、横浜泉郵便局近くに2009年に開院した「戸塚共立リハビリテーション病院」は、診療内容の変化などに合わせて2023年10月に名称変更。「戸塚共立いずみ野病院」となり、同じ医療法人の戸塚共立第1病院・第2病院、地域の医療機関や高齢者施設とも連携して、泉区、瀬谷区、戸塚区など横浜市西部における地域医療の重要な担い手となっている。同院の高橋竜哉院長は2022年の就任後すぐに脳神経内科を開設。その理由を「患者さんが寝たきりになる主な要因である骨折、脳卒中、認知症に専門的に対応するため」と説明する。「しかも当院は回復期リハビリテーションも行っており、整形外科や脳神経内科で治療した患者さんは体力と体の機能の回復を図ってから、ご自宅または施設にお戻りいただけるのが強みです」。このほか整形外科で救急患者に24時間対応し、脳神経内科では神経難病に対する独自の取り組みとして「短期集中リハビリ入院」も開始。こうした同院の診療面での新たな取り組みなどを、高橋院長に詳しく聞いた。(取材日時2023年11月29日)

院長就任以降の診療体制変更などの狙いをお聞かせください。

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脳神経内科は私の院長就任と同じ2022年4月にスタートし、外来で患者さんを診るだけでなく、当院スタッフの尽力により同年7月からは入院にも対応しました。脳神経内科は脳・脊髄と全身の神経、筋肉などの病気を診るのが専門。当院に以前からある整形外科とあわせて、寝たきりの主な要因である骨折、脳卒中、認知症をカバーでき、高齢の方が多い当院周辺の地域特性によりマッチした医療が提供できると思います。加えて回復期リハビリテーション病棟で、整形外科および脳神経内科で治療をした患者さんの体力や身体機能の回復支援まで対応できるのも強みの一つです。脳神経内科の患者さんは、近隣のクリニック、当院のグループ病院、高齢者施設などからの依頼が中心で、医療機関からは脳卒中疑いでのご紹介が多く、施設の場合は利用者の方が急に歩けなくなったとき、原因は脳なのか体なのかを当院で診て治療を行います。

「短期集中リハビリ入院」や摂食嚥下検査についても伺います。

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「短期集中リハビリ入院」はパーキンソン病をはじめ神経難病の患者さんが主な対象で、筋力の低下や動きの遅さ・小ささなど症状の悪化による新たな環境に適応できるよう、体の動かし方を再確認するのが主な目的です。2週間の入院期間中は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が協力し、患者さんができること・できないことをご本人と共有してトレーニングしていきます。介護するご家族の希望で患者さんを一時的に預かるレスパイト入院の期間中も、当院ではリハビリテーションを行うことができます。一方、摂食嚥下検査は患者さんが食事を食べたり飲み込んだりする能力を測るもので、能力向上をめざすリハビリテーションも含めた「摂食嚥下機能評価入院」をご案内しています。脳神経内科の医師が嚥下内視鏡検査で確認し、必要に応じてエックス線による嚥下造影検査も行い、患者さんごとに多職種で会議した上で、喉の動かし方や頬の筋肉強化などの訓練を行います。

整形外科では救急患者に24時間対応していると伺いました。

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整形外科では日中は一般の外来、平日夜間や土・日・祝日は救急の外来で、骨折などの患者さんに24時間365日対応しています。救急は以前から力を入れていましたが、私の就任を機に改めて広く伝えたいと考え、ホームページなどでもアピールしています。このほか整形外科ではケガ、腰や膝の痛みなどでの受診が多く、股関節・膝関節の人工関節置換手術、脊椎手術も行っています。また、平日の日中は私が脳に関連した救急患者さんを診療します。脳卒中も重症度によっては24時間以内なら血管内の活性酸素を除去し脳を保護するための薬、48時間以内なら血液を固まりにくくするための薬など、当院でも対応が可能です。院内のCT、MRIは当日検査もできるため診断も早いです。一般的に脳梗塞で血栓溶解療法や血栓回収療法などが必要なケースは少数で、当院でそれ以外の症例を診ることで、より高度な治療を行う医療機関の負担減につながればと考えています。

そのほかの外来診療や設備などの特徴をご紹介ください。

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予約なしで受診可能な一般診療とは別に、予約制で足底板療法の外来、頭痛治療の外来を行っています。足底板療法では、患者さんの立ち方・歩き方に合わせた治療用の中敷き(インソール)を靴に入れることで症状の改善を図ります。また、頭痛治療は慢性頭痛の患者さんを対象に、問診やMRIなどの画像検査をもとに診断して治療法を探ります。近年は効果が期待できる片頭痛の薬もありますので、慢性頭痛でお悩みの方はご相談ください。設備関係では、1階にあるリハビリテーション室は片面がすべて大きな窓で明るく、外の景色を見ながら理学療法・作業療法を行うことができます。外には作業療法に用いる畑もあり、屋外でのリハビリテーションも可能です。このほか検査機器として、ギラン・バレー症候群のほか似た症状を示す神経難病の診断に役立つ神経伝導検査装置も導入しましたので、診断が難しい患者さんをご紹介いただければと思います。

最後にご自身の経歴と今後の展望をお聞かせください。

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私は大学卒業後、横浜市立大学神経内科学教室に入局し、大学病院のほか横浜市内の病院を中心に経験を積みました。当院に移る前は国立病院機構横浜医療センターに十数年勤務。大学病院在籍中に立ち上げた脳卒中に関する急性期病院と回復期リハビリテーション病院の連携会の活動にも力を入れました。これで市内の各病院との関係が深まっただけでなく、当院の前院長とも知り合い、現職へとつながったのです。急性期から回復期までカバーする当院は、これまでの診療や研究会で培った経験を生かす絶好のフィールド。整形外科、脳神経内科で診る患者さんを増やすとともに、今後は心不全に対する心臓リハビリテーションなど、地域に多い患者さんに対応した診療科の拡充も検討しています。また、当院の母体となるTMGグループの「愛し愛される」という理念にある、職員が笑顔で生き生きと働ける職場環境の整備にも力を入れ、医療の質の向上にもつなげたいですね。

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高橋 竜哉 院長

1988年弘前大学医学部卒業。臨床研修後、1990年横浜市立大学神経内科学教室入局。同大学病院で経験を積み、神奈川リハビリテーション病院、横浜市立大学医学部附属病院助手、横浜市立港湾病院(現・みなと赤十字病院)科長、横浜市立大学附属市民総合医療センター准教授を歴任。2009年国立病院機構横浜医療センター部長に就任。診療に加え、脳卒中治療における横浜市内の病院連携にも注力する。2022年から現職。

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