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社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院

(神奈川県 横浜市泉区)

安藤 暢敏 病院長

最終更新日:2023/11/14

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急性期医療を中心に地域住民の健康を支える

1863年に横浜山手の外国人居留地に設立された「YOKOHAMA PUBLIC HOSPITAL」をルーツとし、戦後関内で「財団法人国際親善病院」として改組された後、1990年に現在地で再スタートした「国際親善総合病院」。以来、地域の医療ニーズに応えるべく、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科、緩和ケア内科、外科、整形外科、眼科、小児科、産婦人科など多様な診療を展開してきた。2022年に脳神経外科で脳血管内治療を開始し、2023年10月には手術支援ロボットを導入するなど、より専門的で質の高い医療の充実を図ることで地域医療を支えている。「国籍を問わず外国人患者を受け入れ医療を提供し、国際親善に貢献する」と設立趣意書にうたわれているように、外国人患者の受け入れにも積極的で、多言語表示や同時通訳ツールによって訪日・在留外国人が快適に受診できる環境を整えている。地域医療支援病院として、地域の医療機関との連携の活性化に努める安藤暢敏病院長に、病院の現状や新たな取り組みについて聞いた。(取材日2023年9月19日)

特徴的な診療や新しく始めた治療について教えてください。

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総合病院として幅広く診療する中、特徴的な治療の1つとして、甲状腺がんや甲状腺良性腫瘍、副甲状腺機能亢進症といった甲状腺疾患の治療があります。担当する佐藤道夫外科部長は食道外科が専門ですが、甲状腺手術は頸部の操作が主体で、頸部にも慣れている食道外科の知識を生かして、頸部を切開する方法のみならず傷の小さな完全内視鏡下手術も実施しています。地域からの紹介患者さんも多いほか、糖尿病内分泌内科を受診された患者さんで、カルシウム代謝異常などで副甲状腺疾患が見つかった場合には外科で対応します。2022年に脳神経外科で脳血管内治療がスタートしました。脳卒中の救急についてはこれまでも神経内科との連携で受け入れていましたが、血栓溶解療法と血栓回収術の両方ができるようになり守備範囲が広がりました。くも膜下出血や未破裂動脈瘤治療へのカテーテル治療や開頭手術も行っています。

手術支援ロボットを導入されるそうですね。

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今年度導入した最もインパクトのある新技術は、手術支援ロボットでしょう。今や外科系診療科は、開胸・開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術のすべてに対応することを求められる時代です。ロボット手術の利点は、内視鏡下手術に比べてロボットアームの可動域が広く、内視鏡の鉗子では届かない所にも回り込んで、人間の手首と同じような動きができることであり、骨盤のように狭くて深い部位の手術に適しています。同時に、拡大視効果による手ぶれを減らすこともできるため、より体への負担と術後の傷の痛みを減らし、安全性に配慮したがんの治療と機能温存をめざすことができます。当院でも、10月下旬に第1例目の手術として泌尿器科でのロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を行いました。近い将来、外科での直腸がんに対するロボット手術の準備も進めています。手術支援ロボットの導入は医師、看護師のスキルアップへのモチベーションにもつながります。

サテライトクリニックや地域の医療機関との連携はいかがですか?

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当病院のサテライトクリニックである弥生台駅前の「しんぜんクリニック」では、内科、小児科、整形外科、眼科、泌尿器科、皮膚科、リハビリテーション科の複数科で当院の常勤医がそれぞれ診療を担当しているので、外来フォローの患者さんも安心して通っておられるようです。地域の医療機関との連携については、地域医療支援病院の指定を受け、特に病診連携・病病連携を活発に行う必要があります。地域のクリニックさんとは患者さんの紹介・逆紹介だけではなく、CT、MRIなど大型医療機器を使用する検査や内視鏡検査の依頼を受け、システム化によりクリニックさんから当院へアクセスし検査画像を直接読影できるようになりました。クリニックの先生方にとっては、診断、治療に難渋する患者さんをスムーズに病院が受け入れることが一番の安心感につながります。今後もますます病診連携を充実させることで、地域にお住まいの方へ還元してまいります。

外国人患者さんの受け入れ体制も整っていると聞きました。

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新型コロナウイルス感染症が落ち着き始め、コロナ禍で落ち込んでいたインバウンドの外国人数が回復してきました。それに合わせて訪日および在日の外国人の患者さんをスムーズに受け入れられるように環境を整えています。当院では外国人初診患者さんのうち3割が中国人で、次いでベトナム人、フィリピン人、ブラジル人が中心となっており、年間10件ほど分娩にも対応しています(2022年4月~2023年3月)。また、日本語および英語、中国語の多言語表記による院内掲示や、承諾書、同意書などの書類、医療通訳のツールもそろえています。特に医療通訳は、対面のみではなく、タブレットを用いてビデオ同時通訳ができるので、患者さんがストレスなく受診できるように活用しています。病院設立の趣旨および病院名称に恥じないよう、今後も外国人患者さんの受け入れを積極的に進めてまいります。

病院長として、医師として、大切にしていることはありますか?

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当院は病院の理念として「良質な医療の実施、親切な医療の実施、信頼される医療の実施」を掲げ、職員には迷ったときはそれが良質、親切、信頼にかなうものか、答えを探る一つの規範にしなさいと話しています。ただしこれは診療科によって多少、判断基準が異なります。例えば緩和ケア内科は、それ以外の多くの診療科が「キュア=治癒」をめざすのに対し、緩和ケアの目的は「ケア=手当て」であるように、理念を絶えず意識して身につけるとともに、診療科ごとの特性に基づきお互いに尊重し合うことも大切だと考えています。私自身は「継続は力なり」を座右の銘にしています。食道外科の分野で知られる中山恒明先生は、「まずは始めなさい、始めたらやめずに続けなさい。成功の秘訣の50%は始めること、残りの50%は始めたらやめないこと」と私たちを鼓舞しました。どんなときも迷ったときは一歩踏み出し、うまくいかなくても続けるという姿勢でいたいですね。

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安藤 暢敏 病院長

1971年慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。東京歯科大学外科学教授、東京歯科大学市川総合病院病院長、東京歯科大学理事を経て、2015年より現職。日本食道学会名誉会長、食道がんの集学的治療の創出に尽力。座右の銘は「継続は力なり」。

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