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IMSグループ 医療法人社団明芳会 イムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院

(神奈川県 横浜市戸塚区)

中尾 健太郎 院長

最終更新日:2023/12/20

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患者が地域で暮らせるよう多方面から支援

東戸塚駅を最寄りとし、緑豊かな丘陵地の入口に立つ「イムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院」は、新戸塚病院の名称で1978年12月に開院。その後、リハビリテーション科の設置、通所および訪問リハビリテーションの開始など、一貫して患者の機能回復に力を入れてきた。回復期リハビリテーション病棟にあたる「集中リハ病棟」を開設し、療養病棟である「生活リハ病棟」、障碍者病棟である「維持リハ病棟」も含め、幅広い患者を受け入れる同院について、中尾健太郎院長は「どの状態の患者さんも、退院後にその方らしい生活の場にお戻しすることが目標」と話す。さらに必要に応じて通所や訪問でのリハビリテーションを提供するなど、患者を入院・在宅の切れ目なくフォローし、在宅療養中の一時入院にも対応する。2022年に改称して病院名の一部を「総合リハビリテーション」としたのは、患者に必要な支援を多職種連携、地域連携で提供する同院の姿勢の表れといえる。「患者さんやご家族がハッピーになるためにリハビリテーションはある」と強く語る中尾院長に、同院のリハビリテーションの特徴や病院としての強みを詳しく聞いた。(取材日2023年11月27日)

病院の成り立ちや地域での役割をお聞かせください。

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1978年に開院した当院は、新戸塚病院として長く地域の皆さんに親しまれ、現在は内科、神経内科、リハビリテーション科という3つの診療科と、333床の入院病床を持つ病院へと発展しました。地域での役割としては、2022年に変更した現在の病院名に「総合リハビリテーション」とあるとおり、近隣の医療機関や施設から患者さんを受け入れ、一人ひとりに適したリハビリテーションによって生活の場にお戻しすることと考えています。急性期の治療を終えた患者さんには、数ヵ月の入院を前提とした集中リハ病棟、より長期の入院で回復を支援する生活リハ病棟で対応し、維持リハ病棟で長期入院される方も生涯を病院で終えるのでなく、ご自宅や施設などでその方らしく過ごせるよう支援していきます。また、在宅療養中に容体が悪くなった患者さんの一時入院もお引き受けします。入院の患者さんが、退院して最期まで幸せに暮らしていただくのが当院の目標です。

リハビリテーションにはどのような特徴がありますか?

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当院のリハビリテーションスタッフは、常勤・非常勤を合わせて理学療法⼠76人、作業療法⼠51人、⾔語聴覚⼠21人と非常に充実し、交代制で365日リハビリテーションを提供する体制を整えています。身体機能の回復はもちろん、退院後の生活を想定してトイレや入浴をはじめ日常生活動作の訓練を重視しており、2023年11月に完成した全長280mの遊歩道、訓練用歩行路などを備える屋外リハビリテーション施設により、道路の歩行訓練などをより充実した環境で行えます。こうしたリハビリテーションスタッフと、医師、看護師、ソーシャルワーカー、栄養⼠、薬剤師、事務スタッフなど多職種が協力して、患者さんの病状や今の身体機能、退院後の生活環境を踏まえ、一人ひとりに適した支援を検討。ご本人の機能回復ばかりでなく、必要なら自宅設備の改修、高齢者施設への入居など、その方が最もハッピーになれるような方法を提案していきます。

栄養指導や漢方による治療も重視されていると伺いました。

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リハビリテーションでは身体機能の回復に目がいきがちですが、筋力をつけて体を動かすための基本は、適切な栄養による体づくりです。当院に入院する患者さんに多い低栄養の状態には、栄養療法を多職種で検討・実施するNST(栄養サポートチーム)が対応。私と管理栄養士、リハビリテーションのスタッフ、薬剤師、臨床検査技師のチームで病棟回診とカンファレンスを行い、一人ひとりに合った食事内容や栄養剤を提供します。栄養剤も種類によって特徴があり、適したものを選ぶことが必要でしょう。必要なら外部から招いた耳鼻咽喉科の医師とともに、嚥下機能を調べる内視鏡検査、造影検査も行い、飲み込みやすい姿勢なども指導します。漢方薬は、西洋医学では原因がわからなくても症状を訴える方などを対象に、患者さんの証(しょう)に合うものを処方し、改善を図るのが目的です。また、栄養補助のために処方する場合もあります。

そのほか病院としての強みなどを教えてください。

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消化器外科という私の専門性を生かし、外科的手法を用いた処置も得意としています。例えば胃ろうの造設も、外部の医療機関に委託すると数日間の入院が必要で、そのための手続き・移送などで患者さんやご家族に余計な負担がかかります。しかし、当院は一般的なものなら内視鏡で対応可能なため、そうしたご負担がなくて済みます。このほか適応がある患者さんには、痛みや吐き気のもとになる腹水を抜く際に、処置をして体内に戻すCART(腹水濾過濃縮再静注法)も行っています。腹水に含まれる不要な物質を取り除き、アルブミンなどの有用なタンパク質を含む水を濃縮して注入することで、一般的な腹水の除去で起こる栄養不足や体力の低下の軽減を図れます。寝たきりの状態でも、ハッピーになることをあきらめる必要はありません。患者さんやご家族の幸せを支えるのがリハビリテーションで、当院ではそのための新しい医療技術の導入などにも尽力しています。

院長または病院としての目標をお聞かせください。

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これまでも地域連携には力を入れ、地域の医療機関から多くの患者さんをご紹介いただいています。特に同じIMSグループの東戸塚記念病院は、患者さんをスムーズに受け入れるため直接訪問して情報共有するなど、きめ細かな連携を以前から続けています。こうした協力体制は今後も強化し、急性期医療を担う同院とリハビリテーションを主体とする当院の連携により、この地域の医療体制をより強固なものにしたいと考えています。また、最近スタートさせた運転技能のリハビリテーションのように、より生活に密着した回復支援は今後重要になるでしょう。「患者さんがその人らしく暮らせる生活の場にお戻しする」には、いかにも病院のイメージが強いパジャマや入院着で1日中過ごすより、起床後は普段着に着替えていただくなどの工夫も大切かもしれません。そうした「病院らしくない病院」も念頭に置いて、職員と一緒に今後の当院の姿を考えていきたいですね。

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中尾 健太郎 院長

1989年昭和大学医学部卒業後、同学部外科学教室入局。大学病院、関連病院で経験を積み、がん遺伝子の研究で岩手医科大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校がんセンターにも留学。昭和大学医学部第二外科学教室、助手、専任講師を歴任し、山梨赤十字病院外科部長、社会保険中央総合病院、明理会中央総合病院外科部長、2014年新戸塚病院総合診療部部長、2016年同院副院長を経て、2021年10月から現職。

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